劇場公開日 2023年12月29日

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「すべてが中途半端。なにが言いたいかは1ミリも理解できず。」ラ・メゾン 小説家と娼婦 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0すべてが中途半端。なにが言いたいかは1ミリも理解できず。

2024年1月4日
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鑑賞方法:映画館

サイトを見ると「女性の自由とセクシャリティの解放を扇動する」とか「秘められた世界に生きる女たちのリアリティ」とか宣伝惹句が並んでいる。でも色んな外見の女たちと、色んな性癖をもつ客の男達(女性客も一人だけ出てくるけど)の描き方がいずれも中途半端で人物像の奥行きがない。特に女たちは類型的であり2年間も取材してこれじゃあなあと思う。
そもそも主役のエマの立ち位置がはっきりしない。原作者は取材当時は本作主役のアナ・ジラルドよりずっと若かったらしい。あまり成算もなく取り敢えず現場に飛び込んだというところなのだろうけど、繰り返して言うが2年も取材していればそれなりの仮説なり持論とかが形成されるでしょ。それがまったくない。これじゃあアサヒ芸能や週刊実話の風俗突撃レポートと変わんないよ。
多分原作自体が駄目なんだと思うが。
そうそう宣伝ではラ・メゾンを「高級娼館」と紹介している。このせいか映画の観客は爺さんばかりだった(私も爺さんだが)「O嬢の物語」とか渡辺淳一の「シャトウルージュ」とかの世界を期待したんでしょうが舞台はベルリンだからね。そんな雅なものじゃあありません。もっと即物的な公娼売春所だよ。変なファンタズムを持って観ると多分がっかりする。エロを期待して観にいくひとにはお勧めしません。

あんちゃん