劇場公開日 2024年7月12日

「アルモドバルさすが。 ここまで短編に出来るって見本。」ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アルモドバルさすが。 ここまで短編に出来るって見本。

2024年8月11日
Androidアプリから投稿

シルバの着る緑のジャケットに赤いネルシャツ。馬も西部の自然も目に入らぬほどの伊達者の姿。

ジェイクは、保安官としての出で立ちながら、ありえない細みの仕立てのスーツで、絶品のお洒落度。
タイはもちろん スラックスもベルトのバックルも選りすぐり。

そして、
「2つのベッド」のベッドカバー・・
2人の再会を迎える、素朴ながら暖かいモスグリーンと赤土色のストライプで、これはシルバを表し、白いベッドカバーはジェイクの今を表す。
赤い肌着も、白いコットンの肌着も良い (あれ、欲しい!)。
そして肌着を貸すジェイク。

自身クイアだったイブ・サンローランが、
そのメゾンのプロデュースで新しく世に放つ、これは魂のファッションショー。
新時代のランウェイなのだなあ。

あっという間の31分でした。
これで終わりなの?と呆気に取られる幕切れだけど、

25年ぶりなんだしぃー、
はるばる会いにに来たんだしぃー、
急所を外して撃ったんだしぃー、
こうして介抱も出来たんだしぃー、
・・好きなんだからこれでいいじゃないかと、あり得ないボケをかますシルバなんだけど、
“もうその積り"のジェイクの、愛情ゆえの諦めの顔が、もうキュンキュンした僕だった。

アルモドバルの映し出す人間たちは、旅の人生のどこの瞬間を切り取っても、人が愛おしくてマッシブでドラマチック。
この先どうなるのかは分からないよね。
「でも今が良ければそのように生きるべきなんだ」と、忘れちゃいけない大切な事、思い返させてくれる。
泣きたくなった。

ミカさん、
talismanさん、
ご推薦ありがとうございました。
面白かったです。

+ +

推しの映画館、
きょうの塩尻・東座の亭主= 合木こずえさんは、目も覚めるほどのグランブルーのワンピースでした。
薄手のウール (真夏ですからウールはないだろうけれど) のスカートのドレープが本当に綺麗だった。
色を合わせてのラピスラズリのイヤリングも似合っています。
かける作品をしっかり意識して、サンローランとアルモドバルを迎え入れた、彼女の心意気が素敵でした。

きりん
かばこさんのコメント
2024年8月16日

なんか私もきゅんきゅんしました、別のところですが。。

かばこ
talismanさんのコメント
2024年8月12日

きりんさん推しの映画館・館主さんの「今日の装い」いつも楽しみに読んで頭の中でお散歩してます。映画館のカラーを作ってらして素敵です

talisman
ミカさんのコメント
2024年8月11日

きりんさんがアルモドバル仲間で嬉しいです!やっと時代が追いつきましたね。東座行きたいです。実は今年高尾に引っ越してきたので、電車1本で行けるのです。。。

ミカ