劇場公開日 2024年6月21日

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「なんでこんなに巨大なアトリエ持てるのってところが正直一番気になりはしたが」アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家 しゅま子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なんでこんなに巨大なアトリエ持てるのってところが正直一番気になりはしたが

2024年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

寝られる

しょっぱなから、巨大なアトリエ出てくるし、作品も大きいが作成に使う道具や材料にしてもものすごくお金かかってそうってところに関心が行ってしまった。
最初の場面から3Dでアート作品を見ることの面白さはわくわくしたが。
3D眼鏡で確かに立体に見えるけれど、遠くと手前は違和感あるのね。
それはともかくとして、この作家の作品が、もう描いちゃうより、物質使っちゃってくっつけちゃった方が早い(確かにそうだって思った。)みたいなこと言ってる部分あり、
立体であることが重要なので、3D映画にする意味があったんだなというところは納得。
映画館で見るからこそ、壮大さが味わえる。
しかし最初の方、これって何人か別のアーティストが出てくるのか?って思うほど、
唐突にシーンが変わるのだが、その工夫は、それがないとただのドキュメンタリー映画になってしまうからなのか?現在に近いって言うかアーティストとして完成していっていくにつれて、作品について口ではペラペラ語らないから、若い時の話を織り交ぜることで
どうしてこうなっていったかが説明できるってことかなあ?
ナチスに利用された作家について、彼が取り上げた時のエピソードのことなど
へぇ、そんなことがあったのかとか、そういうとりかたがあるのかとか、
彼のインタビューの受け方の姿勢には驚くところがあった。
若い時から自然に対峙して、自分ならではの考えをもち、深く考えて、作品を作ってきた。彼独自だからこそ、そういう生活とかけ離れた自分たちには、一見してその作品を理解しがたいのかも。
現代アートの作品を展覧会で色んな作家の物の中の一つとして見ても、なんか奇妙なものにしか見えないかもしれないが、同じ作家の作品を膨大に連続して見せられると、
作家が作り続けているストーリーが分かりやすいのだなと感じた。
翼のモチーフが何度も出てくるが、それはヴィム・ヴェンダースとこの作家のどこか心の奥に通じる何かがあるのかなと思った。
全体を通して、戦後ドイツについてこだわり続けているのは何か遺伝子レベルなものがあるのだろうかとも思ったが、最初の方で、アンゼルム・キーファーが自分には語る権利があるみたいなことを言っていたのが、そういう作品つくり続ける理由であり、それについて伝え続けていくことが彼の使命なわけなんだな、と単純なことなのだがあとで納得した。
これから戦後ドイツやナチス関係の作品を見るうえでも、見方が変わりそう。

それにしても日本ではどれだけ彼が知られてるのかわからないが、ものすごい膨大な資産ありそうなのは、成功したからなのか、ものすごい資産家のパトロンがいるのか?
単純にそこんところ気になった。大切なことを伝えている作家だから、彼の作品作りのためにそれだけお金を出す価値があるとしてお金を出す人がいるのは意味があるとは思うが。

しかしこれは、食後に行くと相当眠くなる映画だろうとも言える。
実際、周りで寝てる人いたし・・・・

しゅま子
トミーさんのコメント
2024年7月19日

コメントありがとうございました。

トミー
トミーさんのコメント
2024年7月18日

共感&コメントありがとうございます。
鉛?のシャツオブジェを投げ捨てたり、溶けた金属をぶち撒けたり、どんどん進化していくのかなぁと思ってました。こういうアプローチも現代なんですかね? サグラダファミリアの例もありますが。

トミー
トミーさんのコメント
2024年7月17日

瓦礫の子供時代、日本じゃ焼野原。煉瓦と石、木と紙の違いですねー。

トミー