ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春

劇場公開日:2024年5月10日

解説・あらすじ

岩城滉一が26年ぶりに映画主演を務め、愛妻を看取り第二の人生を送ろうとする男性を熱演したヒューマンドラマ。

会社を定年まで勤め上げ、認知症だった愛妻を看取って一軒家でひとり暮らしする71歳の福山健二。自身の物忘れに不安を覚え、刻々と近づく人生の最期を意識するようになった彼は、健康維持と認知症予防のため市のコミュニティクラブに参加する。そこで彼は、同じ年の陽気な男性・橋本勉と出会い、親交を深めていく。ある日、2人は水泳教室体験入会の張り紙を見つける。全く泳げない健二は躊躇するが橋本に後押しされて挑戦してみることに。やがて健二は水泳を、人生のために大切な「挑戦」であり「目標」だと考えるようになる。

健二の妻・福山佳代を宮崎美子、水泳教室の講師・岸本香里を高月彩良、社交的な友人・橋本勉を田山涼成が演じる。監督は「うちの執事が言うことには」の久万真路。

2024年製作/98分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント
劇場公開日:2024年5月10日

スタッフ・キャスト

監督
久万真路
脚本
久万真路
エグゼクティブプロデューサー
古賀俊輔
高橋信彦
プロデューサー
湊谷恭史
楠本直樹
キャスティング
長坂淳子
撮影
柳島克己
照明
菊池貴志
録音
内藤和冬
美術
中谷暢宏
ヘアメイク
永江三千子
スタイリスト
岡本佳子
ポスプロスーパーバイザー
佐藤正晃
編集
栗谷川純
音楽
石塚徹
音楽プロデューサー
田井モトヨシ
助監督
木ノ本浩平
制作担当
中島正志
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フォトギャラリー

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(C)2023「ラストターン」製作委員会

映画レビュー

3.5 内に閉じず、外に開く、働きかける

2025年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

息子夫婦が訪ねてきた晩、日記に「久しぶりに人と会話したよ」と書くシーンから、妻を亡くしてからの健二の生活は、内に閉じたものであることが窺い知れる。

それが、コミュニティクラブに足を運んだことをきっかけに、、
橋本さんという友人ができ、
水泳教室で「できなかったことができる楽しさ」を知り、
面倒くさがっていたバランスボールにも挑戦して、
ついには見知らぬ家の犬の散歩を買って出るまでになる。

特に、人様に迷惑をかけることだけは是が非でも避けたいと頑なだったのが「何かあったら助けて欲しい」と人に頼れるようになったこと。齢を重ねると、誰もが支えを必要とする。その現実を受け入れられるようになった姿が胸に響く。

イキイキ体操を最も連想させにくい俳優・岩城滉一を主演に据えたのがうまい。彼でさえ、番地を忘れ、後ろ姿はすっかりおじいさんになる。例外なく誰もが老いていくのだと強く実感させる。(実際の岩城滉一はいつまでもバイク乗り回してそうだけど。少なくとも家で「ヤッホー」は絶対しない。笑)

中盤の医療費が払えない患者のシーン。健康維持の重要性を訴える場面だが、それだけを目的に余生を過ごすのは味気ないし、維持するためだけの人生ってむなしい。

「嬉しいですね~この齢になって新しいことできるのって。」
「ワクワク滾ってくるのって悪くないでしょ?」
「悪くないですね!」

義務じゃなく、ワクワク滾って楽しんで生きる。外に開き、人や世界に働きかけていく。
コミニティクラブに行ってみる、一緒に呑みに行ってみる、水泳教室に参加してみる、バランスボールに乗ってみる、散歩させましょうかと声かけてみる。。。
一方踏み出す。やってみる。のってみる。その姿勢が人生を豊かにする。

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※監視アプリはほんと傲慢で下衆な代物だった。(しかも肝心の寝込んでいる姿や倒れている姿は捉えられていないし。)
※「きょういく と きょうよう」今日行くところと、今日用事があるところ。なるほど。
※橋本さんが脳梗塞で倒れたと聞いた夜、昔日記に書いた「ああいう人ほど長生きしそう」の部分に線を入れて消す。心情がわかる。。
※岩城滉一のカッコよさは地味な格好でも隠せない。特にマフラーとタートルネックの着こなしにカッコよさが醸し出ている。
※急激にクロールが上手くなる岩城滉一。
※水泳教室の講師・岸本香里役の高月彩良は肩幅もあり本当に水泳選手のようであった。健康的な魅力に溢れていた。
※印象に残ったその他のセリフ。
 「俺たちは幼稚園児じゃないんだ!」
 「でもな、じいちゃんやらない訳にはいかないんだよ。」
 「進化してやりましょうよ。70の手習いですよ。」
「これからもなんかあったときに声掛けてください。暇ですから!お願いします。」
「水泳のいい所は思いっきり泣けることです。」
「新しいことに挑戦するのって、本当に素晴らしいことですよね。」

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momokichi

1.0 体がおかしいと思ったら直ぐに救急車。勿論、普段から定期的に医者に行こう

2025年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.0 身につまされます。

2025年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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大阪ぶたまん

4.0 定年後の生き方を丁寧に描いている

2024年6月21日
PCから投稿

泣ける

幸せ

あまり期待しないで見た映画だったが、素晴らしい映画だった。まず、福山が奥さんへの気持ちを日記に書いて、それをナレーションでかぶせる手法が良かった。定年後を扱った映画は「アバウトシュミット」「終わった人」などを見たが、「ラストターン」が一番良かった。
定年後の「孤独」「充足感のなさ」を丁寧に描いて、そこから向けだそうとする福山を岩城滉一さんが上手に演じていた。水泳のコーチ役の高月沙良さんが水泳教室の講師となって、徐々に自分を取り戻していく過程を豊かな表情で演じていてよかった。

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タマモクロス