劇場公開日 2024年3月1日

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「遊び心が溢れている」ARGYLLE アーガイル ココヤシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0遊び心が溢れている

2024年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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諜報組織「ディレクトレート」の敏腕エージェント「アーガイル」(ヘンリー・カヴィル)を主人公とする一連のスパイ小説でベストセラー作家になった「エリー・コンウェイ」(プライス・ダラス・ハワード)。小説のなかで、テロ組織幹部「ラグランジ」(デュア・リパ)を追及するアーガイルが、バックアップ要員「キーラ」(アリアナ・デボーズ)を返り討ちにされてしまう。それでも、同僚「ワイアット」(ジョン・シナ)とともにラグランジを追い詰めるが、ラグランジは自分たちのボスがディレクトレート長官「リッター」(ブライアン・クランストン)と同一人物だという言葉を残して自決してしまう。ディレクトレートを離反したアーガイルは、組織のマスター・ファイルを盗み出して反撃に転じる。
ここまで書いたエリーは、電話で母親「ルース・コンウェイ」(キャサリン・オハラ)にあらすじを語って聞かせるが、ファイルの行方をもっと具体的に描くべきだと助言される。直接助言を受けるために電車に乗るが、謎の男たちに襲撃されて、そこを「エイダン・ワイルド」(サム・ロックウェル)に助けられる。エイダンは、エリーの小説は現実をなぞっており、自分はディレクトレートならぬ「ディヴィジョン」を離反した人間で、小説のなかのワイアットに当たると主張する――といったストーリー。
マシュー・ヴォーン監督らしい遊び心溢れる作品で、ストーリーも二転三転して飽きさせない。ちょっと『トータル・リコール』も連想する。エリー(実はディヴィジョンの凄腕エージェント「レイチェル・カイル」)が、美人ではあるが太めの中年女性に描かれているのが愉快だ。エリーとエイダンがディヴィジョンのアジトでダンスしながら戦闘員をなぎ倒していくシーンは笑ってしまう。映画のラストで『キングスマン』と同じ世界線の物語であることが示唆されている。

ココヤシ