「見ているこちらも頭が真っ白。」ARGYLLE アーガイル レントさんの映画レビュー(感想・評価)
見ているこちらも頭が真っ白。
主人公を演じたのはジュラシックワールドシリーズでお馴染みのブライス・ダラス・ハワード、今回役作りのために体重を増量してまで挑んだスパイ活劇コメディーて、なんで増量?今回の役で体重増量する必要があったかな?笑わせるために?
作家が書いた内容が現実に起きるという使い古されたネタからこれまたその真相も記憶喪失のスパイものという使い古されたネタ。予告編で嫌な予感してたけど、そんな不安を吹き飛ばすくらいの娯楽作を期待して見に行ったら見事に玉砕。
もう娯楽作品として及第点取れてません。使い古されたネタは置いといても、登場人物のキャラがみんな立ってない。カビルは相変わらず見た目がいいだけの中身空っぽの軽い存在、サム・ロックウェルも主人公のパートナーとしていい味出していたとは言えない。そして何よりも主人公のブライス、なぜ体重増量する必要があったのか、あるいは単に太ってしまっただけなのか。元敏腕スパイがいまは作家活動で太ってしまったという設定なのか、それにしてもアクションは見れたもんではなかったな。
これは役者だけでなく演出も残念だった。クライマックスでのカラフルな噴煙の中での銃撃戦はキングスマンの一作目をイメージしたんだろうが単なる二番煎じだし、原油の上でのフィギュアスケートのアクションもCGバレバレ。それにやはりブライスのスタイルが悪すぎて見れたもんじゃない。おデブちゃんのアクションで逆に笑わせるつもりだったのだろうか、でも全然笑えなかった。
とにかく演出も悪いし脚本も悪い。娯楽作品はストーリーが単純でもキャラクターにはまれば楽しめるもの。先日鑑賞した「犯罪都市」がいい例。登場人物のキャラクター構築が成功してれば登場人物たちは独り歩きを始めて話は勝手に転がっていく。
うまい作り手はさり気なく主人公に感情移入できるようなシーンを入れて観客の心をつかむものだ。そうすれば勝ったも同じで観客は最後まで主人公に同調してハラハラドキドキを楽しめる。逆に好きでもない主人公たちがどうなってもハラハラドキドキはない。
作品中盤くらいまでに主人公たちのキャラを好きにさせる工夫がなされておらず、もう主人公たちがどうなってもどうでもよくなる。あ、そうくらいな感じで、見てるこちらは蚊帳の外。もういいから早く終わってみたいな。
終始スクリーンに垂れ流される映像を虚しく眺めているだけで、まるで見てるこちらの心を真っ白にするかのようなルドヴィコ療法を受けてるようだった。
ここまでおもしろくないとなぜ主人公をあの女優にしたのか、なぜ猫なのかと考えなくてもいい疑問が次から次へとわいてくる。猫はかわいい、主人公は猫好きだから猫が出ている。それだけでいいはずなのかもしれない。ただここまでつまらないと猫の本作における存在意義は何なのかと鑑賞中ずっと考えてしまった。
猫リュックのガラスドームから顔をのぞかせる猫は確かにかわいい。でも猫が活躍するのは二回だけ。一回は逃走中飛び降りるのを怖がる主人公をなだめるために猫を使っての安全アピール。猫はもっと高いところから落ちても平気だもんね。これはわかる。でもクライマックスでのあの突然の凶暴性はなんだ、何の脈絡もなく突然おとなしかったマンチカンがあんな凶暴性を発揮するかな。例えばあの猫には何かを見たら狂暴になるという性癖があるという伏線を張っておいて、黒幕がそれを見せてしまったがために猫が襲い掛かったという具合にすればよかった。肝心なところは全部CGだし、猫好きの私でも楽しめなかった。猫だしてりゃ受けるなんて思うなよ。
劇中主人公が頭真っ白になって小説が書けないようにマシューボーンも引き出しが枯渇して真っ白になったのかな、今まで見た彼の作品の中でワーストだった。ほんとつまらなすぎて見てる方が頭真っ白になりました。
そもそもマシューボーンを買いかぶりすぎてたかな。思えばキングスマン一作目はすごくおもしろかったけど他はそうでもないし。
コメントそして共感ありがとうございます。
レントさんのレビュー、とても説得力があります。
そう言われれば・・・と頷く点多々ありますね。
確かに緻密に計算された作品ではないですね。
私は「キングスマン」の3作目の「ファースト・エージェント」が
すごく好きです。これに較べれば殴り書きの前衛絵画的な!作品
かも知れません。
でもダラス・ハワード可愛かったし、ヘンリー・カヴィルは眼福だし、
サム・ロックウェルが遂に大作映画の準主役・・・・など、
楽しめる要素あり満足感あり楽しかったです。
共感&コメントありがとうございます。
ネコを置いてきてしまってから面白くなくなった印象があります。敵組織に粗末に扱われてたとか、嫌いだったフードだけ貰ってたとか、攻撃的になる伏線、確かに欲しいですね。
レントさん、お優しいお言葉ありがとうございます。私はたまたまこの映画いいっかな!と思いました。ただそれだけです。
何も知らずヘラヘラ楽しむのですみません!
レントさん情報、とても有り難いです。知らないって本当に怖いです!
レントさん、そうか!コメントありがとうございます!もともとスリムな俳優さんとは知りませんでした!監督が太れといったのか、たまたま彼女がふっくらしてそれがいい!なのか、それでもいいよ!なのか、何も知らずに吠えてしまいました。そっかー、もともとはスマートな方とは・・・。無知ゆえにごめんなさい。スリムな人のキレッキレに痺れます。でも太っちょのアクションも可愛い!と思ったので。
過去のことを知らずに適当なことを書いてすみません!
勉強になりました