「面白いです。途中まで我慢できれば。」ARGYLLE アーガイル あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いです。途中まで我慢できれば。
やっぱり最初に気になるのはスパイの名前の「アーガイル」と彼のルックス。いかにもアメリカ人の女性作家が英国ルーツのスパイに付けてしまいそうな名前、そして「変な髪型でマオスーツを着た」マッチョなお姿。これが気になって気になって。でも考えてみればアーガイルシリーズは5作目が執筆中でまだ映画化されていない設定。だからアーガイルのルックスは作家のイメージだけで要するに彼女の趣味が悪いというくすぐりなんでしょう。
あらすじによると「作家の空想と、現実の境界が曖昧になって」云々とあり、そのうち実際のスパイ(エイダン)が出てきますが強いことは強いものの顔と動きが井上順(古い!)にそっくりという有り様で、何じゃコレはというのが最初の30〜40分です。
でもその後、話は予想外の方向に進みはじめて俄然面白くなります。監督の盟友ガイ・リッチー風の凝った映像はやや余計かもしれませんが、筋書きはきっちりしていて伏線もキチンキチンと回収されます。何よりも良いのはスパイ組織の内輪もめの話なので一般人に害を及ぼすような話にはならないこと、そして銃撃戦もナイフでの接近戦もありますが血がドハドバって言う感じでもないので安心して最後まで観ることができます。
最後に、これは本筋とは関係ないのでネタバレかもしれませんが触れておきます。エンドクレジットに挟み込んでアーガイルシリーズの1作目が映画化されたという設定の映像が出てきます。ここでの若きアーガイルは普通に男前。やはり本編のアーガイルはとても趣味が悪い位置づけだったんだなと納得できます。(あのタイプが好きな方がおられたらすいません)
そういや、ロンドン市民の生死が! 世界の平和が! というお話じゃなかったですね、この辺も煙に巻かれてしまったんでしょうね。ただやられる人たちは木偶人形の様で気の毒になりました。