「Truth is stranger than fiction (事実は小説より奇なり)」ARGYLLE アーガイル マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
Truth is stranger than fiction (事実は小説より奇なり)
スパイ小説
スパイを主人公にした小説は
1894年のドレフュス事件
(「オフィサー・アンド・スパイ」
もおすすめ)でスパイという
存在が大衆に広まったことで
その後の大戦期に広まり
かのアガサ・クリスティや
コナン・ドイルも作品の中で
スパイを扱った話は多い
冷戦時代には更にスパイ小説の
テーマは広がり
イアン・フレミングの「007」
ジョン・ル・カレの
「ジョージ・スマイリー」
シリーズがリアリティ
あふれるスパイ描写で人気を
博したこのお二人は本当に
諜報部勤めの経験があったのだから
そりゃそうである
冷戦以降はなかなか対立構図を
描きにくくなったが
日本でも「SPY×FAMILY」が
大ヒットしているように
やはりスパイものはみんな
大好きである
今作は「キングスマン」等
スパイやエージェント的世界観を
扱った作品でヒットを飛ばしてきた
マシュー・ボーンの最新作
どうだったか
予告では正直印象が
薄かったんですが
観てみたら面白かったです
今年入ってやっと
面白い洋画観れた
これは予告で説明しきれない
内容だわ笑
大人気スパイ小説「アーガイル」
の大ヒット作家エリー・コンウェイは
その「まるで本職かのような」
リアリティあふれる描写で
凄腕エージェント・アーガイル
達の活躍を描きますが
猫と二人暮らしの平凡な日常
そんなエリーは続篇の執筆中
アーガイルが自身の所属する
組織に疑いを持ったことで
組織を潰すだけの情報の入った
マスターファイルを
受け取りに行く・・
ところでアイデアが
真っ白に煮詰まってしまいます
そこで気晴らしに
両親の待つシカゴへ
アルフィーと一緒に
飛行機嫌いなので
列車で向かう事にします
するとその車内で
ボサボサ頭の無精ひげの
怪しいオッサンが向かいに座り
あんたエリー・コンウェイだろ
俺も小説のファンなんだと
言い出すと突然
周りの客が襲い掛かってきます
そのおっさんはそのたび応戦
エリーは何が何やらわからず
逃げ惑いスパイ小説さながら
列車からパラシュートで脱出
気が付くとエリーはそのひげ男の家
アルフィーも無事でしたが
その男は本当のエージェント
「エイデン」と名乗り
「あんたの小説が予言になっている」
「マスターファイルを俺が抜けた
組織が血眼で探している」
「ありかを教えてくれ」
「続きを早く書いてくれ」
と言い出します
エリーは当然「?????」ですが
事あるごとにエリーの前に
アーガイルが幻影をして現れ
アドバイスをくれます
これは現実なのか?幻か?
そして二人は行ったこともない
ロンドンの小説ではアーガイルが
マスターファイルを受け取るはず
だったロシア人と会う
公園に行くとそこには現れないが
エリーの機転で渡された携帯電話
のチップを調べアンテナ基地局
から部屋を特定
エージェントのエイデンでも
思いつかなかったことを平気で
やりつつそこへ行くと
レンガ壁を壁紙で隠した奇妙な部屋
そこの床裏にはロシア人ハッカー
が残したコード本が!
しかしそこへも組織の追っ手が
武装してやって来ますがなんとか脱出
しかしエリーは逃げ延びたホテルで
エイデンが「もう耐えられない」
「猫も嫌い」
「エリーの頭を撃ち抜きたいくらい」
と電話で漏らしているのを聞き
こいつも味方じゃないと
ホテルを逃げ出して両親に連絡
するとロンドンからやって来た
両親はスイートルームを用意
そこで待っていた母ルースと
送れて入ってきた父リッターは・・
組織のボスと同じ顔!
ここは面食らいますわね
するとそこへエイデンが登場
リッターと格闘し気絶させると
なんとルースがエリーに銃を向け
エイデンと共に脱出
アルフィーを置いてきて
しまいますが真実を知るか
戻るか選べとエイデンに言われ
そのまま脱出することに
エイデンとエリーは
フランスのワイン畑に向かうと
そこの待っていたのは元CIAの
老エージェント「アルフィー」
アルフィーと別れて
アルフィーと会ったのです
アルフィーはエリーは本名じゃなく
凄腕エージェント
「レイチェル・カイル」
であること
組織を潰すマスターファイルを
取りに行って行方不明になり
発見された時に記憶を失ったため
組織のリッターとルースが
洗脳して両親と思わせ
「フィギュアスケートに
打ち込んでいたがケガで断念し
ウェイターのバイトをしながら
小説を書き始めた」という設定で
回想的に記憶を辿らせ
マスターファイルのありかを
見つけ出すためにスパイ小説を
書かせていたという事実を
突きつけます
エリーは( ゚д゚)ですが
本職が書いたスパイ小説
そりゃ面白くてヒットしますわ
だから作中冒頭で心臓を
撃ち抜かれて死んでしまった
キーラも実在し死んでいたのです
しかし「読者からのアイデア」
でキーラは生き返る算段を
付けていたそうです
(これ伏線)
アルフィーはソースコード
を解析した結果
マスターファイルはアラビアで
預かられておりレイチェルで
なければ入手できないので
レイチェルに戻れと無茶な
事を言いますが
レイチェルの記憶だった
アーガイルの幻影が後押しし
エリーはレイチェルに少しずつ
戻っていきます
そしてマスターファイルを受け取り
中身を覗くとそこには衝撃の事実が
しかしそこへルースが現れ
レイチェルが組織の
凄腕エージェントであったことが
そのファイルに記されていること
などを明かし睡眠薬で眠らされ
拉致されてしまいます
リッターはマスターファイル
を手に入れましたがアルフィーも
消したいので居場所をエイデンに
吐かせようとしますが口を割りません
するととこへ私が尋問すると
出てきたレイチェルがおもむろに
エイデンの心臓を撃ち抜きます
リッターらはこれじゃ聞き出せない
と怒りますがレイチェルは
閃きでアルフィーの居場所を
つきとめてしまいます
スゲーとなったところで
リッターとルースを殴り飛ばし脱出
エイデンは
「心臓の隙間を撃ち抜かれただけで
とっさに止血されて無事だった」
ので復活し拷問から脱出
レイチェルは「読者からのアイデア」
を実行したわけです
いやいやいやいやいやいや
まぁいいや
そうやらエージェント時代から
レイチェルとエイデンは
恋人同士だったようで二人は
呼吸のあった連携で大暴れ
ここ最高にマシュー・ボーン
この何を見せられているんだ感
重油に浸った床を靴に刺したナイフで
設定上でなく本当に得意だった
スケートのように敵を倒していく
シーンはもはや観てる方が
( ゚д゚)( ゚д゚)( ゚д゚)
客の度肝を抜くためなら
やりすぎてしまおうの精神
そんなこんなで
レイチェルはアルフィーに衛星経由で
マスターファイルの内部を送信
しようとしますがルースが現れ
再びレイチェルを暗示で戻そうと
しますがすんでのとこでルースが
何者かに殴られ助かります
その何者はキーラでした
「読者のアイデア」もキーラが
送ったものだったのです
じゃあキーラは偶然助かったのか?
うーん?
まぁいいや
CGワークがけっこう雑で
不自然な部分もあったりしますが
ともかく全体的に細かいことは
いいんだよという造りで
まぁキングスマンでもよくあった
これでいいんか?的な感じ
これが許せる人には面白いと
思います
奇想天外な展開のオンパレードで
個人的には全然面白かった
どうも3部作らしいですね
キングスマン好きな人は
満足できる作品だと思います