「スパンコール」PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
スパンコール
どうも日本語が飛び交ってる韓国映画という情報だけが流れてきて、「復讐の記憶」のカタコトっぷりが全編渡ってあったらヤバイかもなと思いましたが、不自然さこそあれど、しっかり日本語を喋っていましたし、脱出もの、アクションものとしての面白さは十二分に備わっていました。
序盤の人物関係は結構複雑で、誰がどの立ち位置にいて、ユリョンというのはどういう人物なのかというのも特に説明なく進んでいくので、分かりづらいのは難があるなと思いました。ユリョンを探し出すという目的のもと、怪しい人々が集められるという、絵面的には地味なシーンが続くので少しウトウトしてしまいました。
しかし、招集をかけられて食事中のシーンで、パク・ソダム演じる佑璃子がテーブルのロウソクを武器に村山に襲いかかるシーンから、今までのスローなテンポから急変して爆速外連味たっぷりのアクションが楽しめます。容赦なく手を刺して、体のさまざまな箇所を攻めていくので、村山や兵士がその度に歪む顔が恐怖を与えてくれて最高です。スピード感満載で見せ方も上手なので前のめりになって観てしまいました。
銃撃戦も容赦なくやっていきますし、射撃精度が高くてガッツリ被弾するのもリアルで良いなと思いました。カーテン越しの射撃とかもうカッコ良すぎましたし、炎に包まれながらのショットだったり、隠密行動からの一撃必殺だったりと、女性2人を際立たせるシーンが多くてとても良かったです。
裏切り者を首吊りの状態で待機させ、仕掛けを発動させてさらに宙に浮かすとかいうアトラクション並みのギミックには少年心が疼きました。残酷な事をしているはずなのに、こういうギミックを映画に用いてくれてありがとうと不謹慎ながら思ってしまいました。
エンドロール後のまだまだ続きそうな雰囲気、本国での興行はどうも微妙らしいですが、なんとかして彼女たちの活躍をもっと見れないかなと思ってしまいました。
日本語がどうなるかと思っていましたが、結構な長台詞をサササッと読み切っており、何名かは自然な感じで日本語を喋っていたのはさすが役者だなと思いましたが。まぁ不自然な人はいましたし、日本語の使い方がヘンテコな箇所は結構ありましたが、しっかりと日本人設定を崩さずやり切っていたのは好印象です。
日本語を喋ってる時、大体は聞き取れたので、その部分は字幕を取っ払ってほしかったなと思いました。親切なのはありがたいんですが、情報がスクリーンから二重で襲いかかってくるので、もう少し映像に集中したかったです。
ボルテージ全開のアクションに濃厚なサスペンス、これぞ韓国映画の醍醐味だなというのが詰まった作品でした。日本は相変わらず悪扱いですが、過去を舞台にした作品ならそういう扱いでも仕方ないなと最近は割り切れるようになりました。なんにしろ韓国映画は面白いです。
鑑賞日 11/30
鑑賞時間 19:45〜22:05
座席 C-3