劇場公開日 2023年11月17日

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「抗日スパイは映画館がお好き」PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5抗日スパイは映画館がお好き

2023年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

三部構成の本作。第一幕は朝鮮総督を暗殺しようとするスパイたちの暗躍を描き、暗号解読シーンや映画館のポスターを使った暗号指令などが興味深い、第二幕はホテルを舞台に集められたスパイ容疑者たちによるミステリー仕立ての密室劇のようなサスペンス、互いにスパイが誰か探り合ったり容疑を擦り付けようとしたりと巧みな心理戦が繰り広げられる。そして第三幕は独立運動派と総督府側との激しい戦闘アクションで盛り上げる。
特にクライマックスの幕を使った演出は燃えよドラゴンのクライマックスの鏡張りの部屋を彷彿とさせる。

役者陣も実力派ぞろい、特に朝鮮人と日本人の間に生まれたために、優秀な軍人ながらその出自で出世の道を断たれスパイ容疑をかけられるという難しい役どころを演じたソル・ギョングは久しぶりに見たが相変わらずの存在感だった。

「崖上のスパイ」とはまた一味違った抗日運動を描いた娯楽性に富んだ作品。そういや「崖上のスパイ」でも映画館がスパイの連絡手段に使われていたっけ。

レント