劇場公開日 2024年2月2日

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「ワンタップで参戦できる戦い」ダム・マネー ウォール街を狙え! tmさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ワンタップで参戦できる戦い

2024年2月12日
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正直微妙だった。個人投資家がネット配信とプラットフォームでの情報交換を通して大勢の個人投資家と団結し、大口の投資家たちに一泡吹かせる実話に基づくストーリー。

個人投資家として取り上げられている登場人物たちが、普通の看護婦から学生からバリエーションに富んでいて、アメリカでは投資ってすごく日常的で身近なものなのかなと思った。日本との金融リテラシーの違いを感じた。

主人公の弟がいい味出していて、特に好きになったシーンは、「(昔の陸上のレースに関して)ナイキのシューズ履いてたら4分切ってもっといいタイム出せた」って言うところ。憎まれ口を叩き合っててもやっぱり兄弟との思い出は詳しく覚えてるんだなとほっこりした。

主人公が召喚されるシーンは、特に違法なことしてる訳じゃないんだからどんと構えてればいいじゃんと思ってたんだけど、インサイダー取引じゃないことを照明しなきゃいけなかったってことなのかな?

個人投資家たちと大口投資家たちの「対決」がこの映画のメインテーマなんだろうけど、投資家たちのやることは基本的に「ゲームストップの株を(スマホでワンタップで)買う」「じっとホールド」なので、なにかを自分たちでやってる感がうすい。

主人公の奥さんも「彼(主人公)はこれまで努力してきた」って言うんだけど、いやなにを?クリックして株買っただけでしょ?と思ってしまった。株の勉強とかゲームストップの株の分析とかで努力したのかも知れないが、だったらその部分をもう少し詳しく描いてほしかった。

ズルい手を使って至福を肥やす富裕層vs豊かとは言えない市民たち、みたいな構図は昔々からありふれてるけど、この映画では市民側を先導する方法がライブ配信や掲示板であったりと、そのプラットフォームの部分が新しいだけで(空売りが過ぎて市民側の怒りを買うことにはなったけど)、コアな部分に新しい要素は特になくない?というのが正直な感想。でもこれが現実の話に基づいてると思うとこれはなかなかすごいことだよな。

この闘争にはスマホのアプリで誰でも簡単に参戦できるし、特別な能力も体力も要らないから、市民側を煽るのには打ってつけなのかなともちょっと思った。株買ってホールドしてるだけで、「悪者投資家たちをやっつける戦いに参戦してる!」って気持ちを簡単に持てるからこそ、大勢の人を巻き込めたのかも。

映画の内容に直接関係ないけど、今回初めてシネリーブル池袋を利用。なんかお客さんの風貌がみんなコアな映画好きっぽい感があった。ラインナップもTOHOとは一線を画しているし、これからもちょくちょく利用したい。

tm