「目も表情も仕草も、口以上に物を言う」ロボット・ドリームズ 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
目も表情も仕草も、口以上に物を言う
実写かアニメかという相違はあったものの、先月観た「ゴンドラ」同様、セリフのない作品でした。いずれもセリフがなくとも登場人物の気持ちがこちらに伝わってくるもので、「目だけでなく、表情や仕草は、口ほど、いや口以上に物を言う」と感じたところでした。
さて本作ですが、題名の通り”夢”がキーになっているお話でした。擬人化された動物が住むニューヨークで、一人孤独な生活を送る主人公・DOG。彼は寂しさを払しょくするために、”友達ロボット”を購入。友達関係にも恋人関係にも親子関係にも通じるDOGとロボットは、良好な関係で幸せな日々を送っていたものの、海水浴に行ってロボットが故障して動けなくなってしまい、結果離れ離れになってしまう。その後互いを思うDOGとロボットは、互いの”夢”を見る。その”夢”と、かなり悲しい現実が交互に出て来る展開がテンポ良く、どんどん物語に引き込まれて行きました。
海水浴場に取り残されたロボットは、最終的にアライグマのRASCAL(名前が絶妙!)に拾われて修理されて復活、RASCALとの新生活を始めたロボット。そしてロボットと再会出来ないと悟ったDOGは、これまた新しいロボットを入手。互いに幸せな生活を送るものの、最後の最後でニアミス。ここでまたまた”夢”の中で、思い出のアース・ウィンド・アンド・ファイアーのSeptemberの曲に乗りながらダンシング!現実では再会を果たせなかった2人でしたが、”夢”の中での再会であったればこそ、余韻たなびくほろ苦くもハートウォーミングなお話になっていて、非常に印象深い作品でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.4とします。