「主人公のセクシャリティ故に際立つ誰もが抱える孤独」異人たち たっつん P子さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公のセクシャリティ故に際立つ誰もが抱える孤独
大林宣彦監督が好きで映画「異人たちとの夏」好きだったんです。でも、物語の意味はわかってなかった。この作品の奥底に大林宣彦監督の頃からあったテーマにやっと気付けたのは、この主人公がゲイとなってリメイクされた「異人たち」でした。
主人公がゲイになった事をポリコレ改変に辟易してる人は腹を立てるかも知れないけど、俺はこの作品ではテーマを伝えるための効果的な脚色演出と思えます。
何故なら主人公とその出会った男は互いに好意を持った男性同性愛者同士であるのに、自称するセクシャリティが「ゲイ」と「クィア」で違うからです。男同士で好意があって同じ属性でも違う個性の他人なのだと、それは主人公を間違いなく愛してる両親でさえも受け入れられず時に傷付け合ってしまう他人なのだと思い知らされるからです。
どんなに愛していても好き合ってもどうせ傷付けあってしまう他人だと言う事を、主人公が男性同性愛者であるが故に男と女は違うからなんて言い訳も出来ずに思い知らされました。
そして映画を最後まで観て思ったのはどうせ人はみんな独りだし孤独は付いて回るけど、なら自分の孤独や寂しさに過去のトラウマを乗り越えたり生き残った自分を他人と繋がりにどう生かし生きていくのかが、誰かと迎えるハッピーエンドじゃなくても自分が誰かを愛する事が出来るハッピーコンティニューなんじゃないかと思える終わり方でした。
エンディング曲の和訳つけて欲しかったな〜
The power of love あの曲がこの映画で主人公が何を経てどこへ向かったかわかる気がする
誰かを愛する気持ちには
天から授かった不思議な力が宿っていて
この魂の犯した罪をきれいに洗い流してくれる
それは何かを強く求める気持ちが燃え上がったもの
その激しい炎で
余計なものを拭い去り,人間を清めてくれる
だから他のものに惑わされず
「愛すること」を目印に
人生を歩んでいけばいい
フードを被った悪者から守り
吸血鬼も近づけないようにする
追い詰められてしまった時も
心配しなくていい
すぐにそこに駆けつけて
何があっても味方になるから
妬みの気持ちを持ってしまうと,結局傷つくことになる
だからそんなものに囚われず
光の輝き,咲き誇る花,真珠や美しい少女のように
見るだけで人を幸せにしてくれる,そういう人間になればいい
誰かを愛するその気持ちが
まるでエネルギーのように
今も身体へ流れ込んでくる
誰かを愛する気持ちには
天から授かった不思議な力が宿っていて
この魂の犯した罪をきれいに洗い流してくれる
それは何かを強く求める気持ちが燃え上がったもの
その激しい炎で
余計なものを拭い去り,人間を清めてくれる
だから他のものに惑わされず
「愛すること」を目印に
人生を歩んでいけばいい
これから2人で胸を張れる人間になろう
固く抱き合った恋人達は
誰にも手出しできない神聖なもの
誰かを愛すると
傷つくこともあるけれど,同時に喜びももたらしてくれる
その気持ちは純粋なもの
この世で大切なのはこれだけだ
本当に大切に思ってる
だから他のものに惑わされず
「愛すること」を目印に
人生を歩んでいけばいい