「旅の重さ」異人たち またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
旅の重さ
ロンドンからどれだけ離れているのか分からなかったが、列車で向かう実家に現れた両親の変わらぬ姿、それとロンドンで出会った男との逢瀬。確かに同じようなストーリーなのだが、大林版とは大きく異なる印象。個人的に大林版が好きだったので本作への印象は余計に渋く見てしまう面はある。そこを引き算しても、心が動かされる程ではなかった。映像は美しい。ゲイの要素がかなり強め。
Mさん、コメントありがとうございました。大林版はホラー要素など忘れてましたが、キャッチボールとか鍋とか両親との暖かい交流のシーンが焼き付いていて、またうっすら消えてゆく特撮も泣けました。本作の「両親がLGBTQを受け入れる」と言う山場づくりが馴染めませんでした。
あんちゃんさん、コメントありがとうございました。電車がパートの切り替えに使用されているのですが、それにより両親が復活したのか自身がタイムスリップしたのか曖昧になりました。
レビュータイトルはもちろん引用ですが、列車を利用してうまく行っていなかった、LGBTQを打ち明けなければならない両親の住む異界に旅することの重さを表してみました。
ゆ〜きちさん、コメントありがとうございました。言われる通り性行描写の生々しさと、事後ですがドラッグ使用によるトリップによって、せっかくの「LGBTQの息子を受け入れる」と言う新たな要素と別れの食事のシーンがもやもやとしてしまいました。
共感ありがとうございます。原作小説や大林版映画と違って両親の家を郊外の設定にしたのはやはり監督の幼少期が反映されているからだと思います。電車のシーンは、ここからが私の体験ですよ、とのスイッチとしての位置づけだったのかも。
「旅の重さ」。意図されたかどうか知りませんが斎藤耕一の懐かしく、美しい映画のタイトルです。
オリジナルを知らない人の方が、受け入れやすかったかもしれませんね。
私は前作のあたたかな雰囲気が好きだったので、なかなか受け入れられませんでした。
とはいえ、両親との別れのシーンは心に残りました。