「孤独ゆえの幻」異人たち ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独ゆえの幻
大林宣彦監督の《異人たちとの夏》は鑑賞済み。《異人たちとの夏》の主人公(風間杜夫)はアダムほど孤独ではなかったと思います。彼は中年になり、それなりに歩んできた人生に迷いが生じてきて《生》を渇望し生まれ変わりたいという思いがある故のあの話だったのかな?と思いました。
しかし、本作の主人公アダムは両親を亡くしてからずっと孤独で親しい関係になった人間がいないかのようでした。アダムが両親と再会するきっかけになった出来事は、はっきりと描かれていませんが、ハリーとの出会いだったことには間違いないと思います。アダムはゲイを悪として封印してきましたが、誰かに自分のアイデンティティを認めて貰いたかった。誰かを愛したかった。
アダムはハリーと恋愛をしていたのか、一夜限りの関係だったのか、それともただの同じアパートに住む住人だけだったのか。ハリーとの楽しいひとときも全てがアダムが孤独ゆえに見た幻だったとも取れます。
いずれにしてもアダムの人生に関わる人間が両親以外存在していなかったというそんな人生が切なかったです。大林作品は異人と主人公の関係性を強調してましたが、本作はアダムの孤独を異人が強調しているようで、なんだか悲しい余韻が残りました。ハリーもきっとアダムと同じで孤独だったのだと思います。
山田太一さんも異人になってしまいましたが、こうやって作品が愛され次世代に受け継がれていくこと、異人の思いや気配を感じるとることができるのが素晴らしいですし喜ばしかったです。
まあ、秋吉久美子と片岡鶴太郎の醸し出す雰囲気との差、ということなのかもしれません。
それに言われていたように幼少期の親子関係がまったく違ったものだったのでしょうね。
見ていて気持ちが寂しくなるような映画でしたね。
親子関係も、なんか「異人たちとの夏」とはずいぶん違い、冷ややかなものに感じました。ただ、お父さん、お母さんを思う気持ちはオリジナルと一緒で、なんかちょっとだけあまえた感じが出ていてよかったです。
返信ありがとうございました😊人それぞれですから。色々な印象当然ありかもです。スマート英国。
日本作のラストは 大林宣彦監督が 企画サイドからの要望を 敢えて無理矢理ねじ込んだようです。
誰かを愛しかったんですね 納得です😊封印 勉強になり📚ます。でも 私的には 換骨奪胎ならず 作品でした。
確かにエイズの問題等は 有料パンフ見なくとも誰でもわかるのですが 性の問題よりお父さんお母さんに会えた喜びが勝ってくれないと と思いました。