若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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生き地獄、無駄な長回しが多い
なかなか救いのないストーリー。
実話なら目を背けたくなるでしょう。
胸糞悪いストーリーではありますが、途中までは演者も演出も映画っぽくて好きなほう。
予告通り、主人公が死ぬと思いながら鑑賞しましたが、ちょっと予告詐欺かな。拳銃出てくるなら、、、とか思ってしまったけど。
あのシーンは不可解。なぜアルコール?警察は検死も誤魔化せるのか?血溜まりは?とか、ちょっとリアリティが無く引っかかる。いいシーンなのに勿体ない。
無駄な長回しが多く観ているのがちょっと辛い。
特に、試合シーンはさすがに意味不明。約10分、格闘シーンが長回しされますが、眠くなる。何かあるのか、、、と思いつつ、10分は長い。ボクシング映画でも長すぎる。演者が10分間、カット無しの長回しで戦うのは確かに凄いことだけど、それは撮影の都合で、観客無視。その後も体感で3分くらいの無言のシーンとか意味不明。早く終われよ、、、って思ってしまった。マイナス1点。
試合のシーンまでは、救いのない切ないストーリーですし、主演2人の演技はとても良かった。
最後の20分間、あんなに苦痛に思う映画も珍しいけど、ストーリーもそうだけど、後味悪い。あれが無ければもっと高評価かも。
次作も引き続き期待しております
内山拓也監督作品で、磯村勇人さん、岸井ゆきのさん他粒ぞろいの出演者に期待しかなかった本作。サービスデイの丸の内ピカデリー午前の回はいつものことですがガラガラ。。何なら、同時間帯に隣のシアターで上映している公開4週目の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の方が入っていく人が多かったかもしれません。
で、観た感想ですが、「期待が高すぎたかな、、、」とかなりのトーンダウン。冒頭でも触れた俳優陣は皆さん確実に素晴らしいのですが、作品としては設定も脚本もモヤモヤしつつ、中盤以降は正直「長いなぁ…」と思いながら観ていました。
とは言え、独特な世界観やその表現方法には、やはり作家性の高さを感じます。現実の中で夢想するように過去を振り返ったり、はたまた幻想を見たりする演出は、特に過労と睡眠不足で意識混濁気味の彩人(磯村勇人)の危うさをこれでもかと言うほど感じ、そしてあのタイトルがドーンと出るシーンは鳥肌物。更に、終盤の壮平(福山翔大)とファビオ(ファビオ・ハラダ)の試合シーンはガチ感が凄く、その激しさに思わず身悶えてしまいました。
ところがその一方で、肝心のストーリーはやや煮え切らない。テーマからしてずっとダウナーなのは全く悪くないと思いますし、そういう現実を生きざるを得ないリアルがあることは解ります。ところが、この物語に見る「現実」はあまりに抽象的でリアリティが感じられないのです。特に「病人」や「ある組織」という対象にミステリアスな印象をもたせる有りがちな設定。後にフンワリと回収していきますが、その経緯から現在に至るまでが語られないため納得度は低いまま。また難病の母・麻美(霧島れいか)、物語上都合よく登場して悶着あったり、反面、存在感を忘れるくらい姿が見えなかったり。勿論、難病を軽く扱うつもりはないでしょうが、結果的には現実味からは程遠い印象を感じて残念です。(ちなみに、症状は全く異なるものの、私も母が難病を発症して約2年半、主に家族で介護をした経験があります。)
とは言え、完成度という意味ではしっかりと高く、内山監督のポテンシャルは大いに感じられます。そして勿論、磯村さん、福山さんの熱演はそれだけで観る価値高いですし、染谷さんのフォルム込みの安定感、岸井さんの包容力、そして何といっても今作でなかなかの爪痕を残した東龍之介さんなど、俳優たちの演技については見どころ満載です。
と言うことで、内山監督、次作も引き続き期待しております。
それでも生きていく...
難病に侵された母を必死にもがき、苦しみながら支えていく家族の姿に本当に胸が苦しくなった。
ただの物語と思っては観れない、いつ自分たちに起こるかもしれない事だと思って観ていました。
監督が実際ヤングケアラーだったというお話を聞いて、この家や小物、家具、細かい部分に至るまでリアリティを追求されていてこだわりがとても感じられた。
「生」と「死」を対比したカメラワークも斬新でよかった。
一連の流れで「拳銃」がキーポイントになっていて、
必死にもがいていて、苦しい時はそこから逃げたい、消えてしまいたいと自分を拳銃で撃ってしまいたい衝動、俺なんか撃たれてもおかしくないと思う気持ち…
あの映像によって、口には出せない心情を描写していたのではと思う。
1人の人間の死によって、家族や友達、その死に関わった人々の倫理観や人生観さえも影響を及ぼすことがわかる。
良心の呵責に苛まれる警察官、それを知ってこの組織にいることはできないと違う道を歩むこと決めた警察官。
彼の思い、志を受け継ぎ、亡くなったあとも彼の母を介護をし、支え続ける日向。
子供の時にいつも近くで見ていた両親の不仲に、結婚というもの、子供を持つということに不安しかなかった彩人だったのに、まるで彼の形見のように日向のお腹には彼の子供が宿る。
亡くなった父親と同じタバコを吸う彩人。
父親から教わった暴力から身を守る術を身につけ、総合格闘技で頂点を取った壮平。
不器用ながらも、警察官だった父親への尊敬の念と愛が感じられる。
人が死ぬことは何かが終わる事でもあるけれど、そこから生きている人達はまた新しい何かが始まるのである。
『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかさん、母親役すばらしかった。同一人物には思えない演技力は圧巻でした。
自分は一体、
何を観に行ったのだろう。貧困と介護の負の連鎖、胸糞悪い警察とヤカラ客、2回有った発砲シーンも想像でなーんだって感じ。誤認逮捕の因果が巡る訳ですが、修斗の一本勝ちと磯村くん、岸井さんの存在感が無ければかなりキツかった。ちょこちょこ豪華キャストでしたが、セコンド小柴さんは違和感バリバリ。
もうひとつの佐々木インマイマイン
もうこれは佐々木インマイマインそのものよ。設定が違うだけで、作品の核となる部分は同じ。大切な人の死を理不尽に描き、残された者がその死にどう向き合うのかを余韻のように見せる。
警官の行動がさすがに極端過ぎたのと、試合のシーンがあまりに長かったのが残念だったけど、全体としては私は良かった。ある出来事をきっかけにまるで贖罪かのように全てを背負って社会の底に引っ掛かりながら生きる彩人。なんか掴み所のない人物ではあるけど母親に優し過ぎたのかな、きっと。もっと自由に生きる選択だってあっただろうに。
あと日向って爆食したりお腹気にするような素振りがあったように感じたけどそういうことなんかな。前作でも新しい命の誕生描いてたし。日向が食卓で見せた最後の表情がとても印象的。磯村勇斗と岸井ゆきのがめちゃめちゃ良かった。
かっこつけてるけど、センスを感じず失敗作の雰囲気でこっちが恥ずかしくなる。
タイトルからして予想はしてたけど
これはオシャレな感じを気取りつつ、深い闇に触れてなんかしら賞が欲しい感じの作品。
ちなみにフォントもダサかったです。
かっこつけてるのが透けて見えすぎると全てが浅く薄く感じる。
タイトル出したところで主人公は自殺しますが、
それは妄想で、結局これ妄想でごまかしつつ
悲惨な家庭の日常をオシャレに撮りたいってやつだと理解。
リアルでもなく、独自の世界観も感じず
お母さんは完全に無駄遣いでした。
最後のシュート?格闘技の試合は完全に蛇足で冗長。
そこ長々と描いて勝ってチャンピオンにしちゃったら
今までのなんだったんだとなる。
言い出したらキリがないな
監督は別の方向へ進んだ方がいいと思う。
映画やりたきゃ好きにすればいい。
誰にもおススメしない。
観たことすら忘れてた作品。昨日みたんですけどね。
上映中作品リストみてたまたま思い出してレビューしました。
ほんとに薄い作品。
浅瀬で撮った映像
潮干狩りよりもさらに浅瀬。
インターナショナルビジュアルのメイキングを見て一抹の不安を抱えながら(内心はダサ過ぎて恥ずかしいと思い)横浜で鑑賞。
インターナショナルメイキングで映っていたくらいの希薄な問題定義がそこにはあった…
過剰な演技に、過剰なカメラワーク。意味のないオシャレな雰囲気。その全てが浅はかな作り手の意図なのか…それともオシャレ映像が好きなだけのクリエイターなのか?
佐々木インマイマインもその気があったが、まだ企画した俳優たちが内容に対してしっかり向き合っていただけあって作りあがりも良かったが、それが今回の若き見知らぬにはなかった。てか、タイトルもちょっと恥ずかしくないか?
薄いと言うか浅い。そんなラーメンを食べた気がしています。
一番苦手だったのはお母さんが叫ぶあの場面でした。ちゃんとなんか調べてからやろうよ。
若き見知らぬ者たち、ではなく見て知らぬふりをされる者たち
この映画を観に行ける人とは真逆の世界で暮らす人の話がゆえに評価も厳し目になってますね。
彩人の母親を思う優しさ、限界がもうそこまで来てることにも気づいてる。看護師の彼女も同じ気持ちどころか彼までが潰れてしまわないかと思い悩みながらも明るく振る舞う姿に感心させられる。
そんな家庭の唯一の希望が格闘技で夢を叶えようとしてる弟。
仲間たちやスーパーの店長、近所の畑の主人、みんな彩人に同情し心配してる。
これは映画の中の話だが今の日本に表立って見えない、見てないだけで誰もが自分の近くにいるということを伝えたいのだろう。
映画ではヤングケアラーという言葉が最近社会に現れてきたが、個人的には好きな言葉ではないのだが親、兄弟が介助がいるなら介助するのが家族だと思うのだけれど、それが限界、限度を超えたそれの場合に社会がどう向き合うかが社会の問題としての提起だろう。
観ていて静岡で老老介護の果てに妻を海に突き落として殺めてしまった夫と彩人が重なって見え、また京都で生活保護が受けられず、金がなくなり母親と無理心中しようとしたが一緒に逝けなかった息子の事件など悲しい事件が一向に減らない社会の問題に私達はもっと目を向けなければならないのだとつくづく思い知らされました。
家族への愛情、切っても切れない家族の絆がどうしても周りの理解者に助けを求めない気持ちもわからなくはない。
しかし家族の介助が人生の全てにしないようにすることが社会福祉に求められることなんだろう。
映画として出演者の演技が素晴らし過ぎてリアルで絶望を伝え過ぎたのかもしれないが、彩人が頭を棒打されて出血の跡に弟も友人も気が付かなかったシーンこそが、このような家族を見て見ぬふりの社会を表してると感じましたね。
演技は素晴らしい
磯村さん目当てで男友達を無理やり誘い鑑賞しました。
まず1番最初に思ったのが観客に若い人がほとんどいないこと。私たちを含めてもう1組しかいなかったと思います^^; 確かに人生経験の少ない私達(現役高校生)からしたら難しい題材だったように感じますし、もっと成長したときに観ると共感できる部分もあったのかもしれません。
それでも重い病気がある母親を介護しながら、優しい言葉をかけるあやとの姿にはとても胸が苦しくなりました。「あなた良い人ね。私と結婚して。」母親に言われ「うん。しようね」と答えるあやとがとても印象に残っています。磯村さんのこの世の全てに絶望しているような哀しくて虚しい表情がたまりません。鬱々とした演技がとてもお上手です。
最近今作と同じように髭を生やした磯村さんが主演のビリーバーズという別作品を鑑賞しましたが、似た感じのビジュアルにも関わらず全く違う表情と声質。磯村さんの演技力にはいつも圧倒されてしまいます。今話題の若手イケメン俳優ではなく彼が「風間彩人」を演じたからこそ、そういった重苦しい雰囲気をリアルに感じることが出来たと思っています。
そして内容についてですが… 観終わったあとに一番に感じたことが「で、なにを伝えたかったの?」でした。一緒に行った友人にも思わず聞いてしまいました(笑) 理解できなかったのは私の理解力がないからだと思い他の方のレビューも読んでみたのですが、やはり同じように感じた方も多いようですね。ぬるーっと始まり、ぬるーっとおわった2時間でした。彩人の死に方も雑。雑すぎる。例の3人組が酔っ払って店に入ってきた時点でん?とは思っていたのですが、まあ予想通りボコボコにされて最終的に死亡。「え?え?今?ここで死んじゃう?死因これなの??」驚きが隠せませんでした。ただただ救われない可哀想な人生。なにが彼を殺したのか。社会からの暴力かと予想していましたが個人の暴力とは。なるほど。主人公がそういう死を迎えてしまったせいでその後の格闘技も全く頭に入ってきませんでした。結局弟はチャンピオンになり… で?という感じ。格闘技シーンもすごく長くてボクシングの知識も興味もない私からしたら暇な時間でした。友人は隣で興奮していましたが。そして警察がクソなことはもちろんですが、スナックに残された血に友人と弟はなぜ何も触れないのでしょうか?血痕に気づいた友人が真相を暴く──。のかと思いましたが普通に警察の隠蔽が成功?して終わりましたね。
とにかく疑問に残る点がいくつもありすぎてなかなかスッキリできない映画ではありましたが、役者さん達の演技は本当に素晴らしい。近いうちにもう一度観に行きたいと思います。
モヤモヤ
磯村君と岸井さんなら行かねば…と見に行きました。
前々からstrangerと聞くとなんとなく、彷徨ってる人のイメージ、安定しない感じを抱いていました。
今作は、過酷な日々を生きる人たち、見知らぬ誰かの話。
ヤングケアラーからそのまま大人になるまでずっと母の介護が日常となっている、風間兄弟、そして彼らを取り巻く恋人や友達の物語。
きつい話でした。
主人公があんな風に突然亡くなる展開で、えっ…て感じでした。
疑問な箇所がいくつか。
毎日限界な状態で、面倒みのいい彼女、信頼できる友達がいて、母があのままというのはどうなんでしょう。情報も沢山あるだろうし、福祉のお世話にならないのか。
あと、母は父の借金や死のショックで病んだのかと思いきや、脳の病気とは。
警官たち。チンピラ3人と ひとりだけ血まみれな人を見て、あんな対応になるだろうか。パンフには監督の友人から聞いた実話を基にしたとあり、理不尽を描いているのはわかりましたが。
滝藤さんの役回りがなんだかな。。
お腹の子はどうなるのか。弟はこれからやっていけるのか。カラオケバーのモニターつけっぱなし、汚れた床に無反応など色々モヤモヤします。
*****
福山翔大さんは、TBS ドラマ「オールドルーキー」が初見。車椅子テニスプレイヤーの役だったのでスポーツの印象がつきました。【追記】…と思っていたら、もっと前の「仮面ライダーゴースト」に出ていたとwikiにあり、見てたがさすがにわからない。
観ていると段々不快になって行く感じの作品。 本年度ベスト級。
岸井ゆきのサン目当て。
世の中の理不尽な出来事を表現した感じだったけど、観賞後は不快感しか残らない(笑)
役者の皆さんの演技は素晴らしく、特に霧島れいかサンの難病を患った演技に圧倒される。
警官がクソ。
何で救急車呼ばないの?
カラオケスナックに来た三男組もクソ。
あそこまで普通はしないだろっ!
理不尽な感じを表現したかったんだろうけど突っ込みたくなった(笑)
唯一の救いは総合格闘技の試合。
かなりリアルな感じでカメラワークも生々しい感じを映し出して感じ。
もし負けていたら本当に救われない作品に仕上がっていたかも(笑)
岸井ゆきのさん演じる日向。
もう家を出ても良いのでは?と思ってしまいました( ´∀`)
幾つものアンコンシャスバイアス
知り合いの話だが、短期間に三度「職質」を受けた人がいる。
2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに休止されていた歩行者天国が、
2011年にテスト開催されたとのタイミングで。
本人の迷彩ズボンにリュックを背負っていた外見も
疑わしかったのかもしれない。
警官側からはけして触れようとはせず、
自らリュックを開けて中を見せるよう(強く)促すところは
本作で描かれている始終と共通。
勿論、やましいことは無いので唯々諾々と従い、
直ぐに解放された由だが、それにしても
「続けて三回かよ!!」と憤慨していた。
ただ、その「職質」が、後々の悲劇を呼び込む契機になることも。
警官だった父親は、ある事件で手柄をたてたものの突然に退職、
カラオケバーを開く。
が、何故か莫大な借金を残し突然自殺。
それを見た母親は正気を失う。
兄の『彰人(磯村勇斗)』は昼には工事現場で働きながら
夜は父が遺したバーを開け、背負った借金を細々と返済する。
弟の『壮平(福山翔大)』はMMAのプロとなり、
階級のチャンピオンを狙えるランキングにいる。
兄弟二人と『彰人』の恋人で看護師の『日向(岸井ゆきの)』で
母『麻美(霧島れいか)』の面倒を見るが、
家の内外での奇矯な行動に身も心も休まる暇はない。
社会情勢を扱った昨今の作品同様、
ここでもやはり幾つかの課題が提示される。
一つは公助に頼らず、自助に閉じてしまう介護の問題。
一旦沈んでしまえば、再び浮かび上がるのは困難で
「親ガチャ」とか「社会格差」で片づけるには
余りにも理不尽な。
または、一たび面倒を起こすと、それが常について回るラベリングの問題。
周囲も色眼鏡で見てしまい、それが命を脅かすのに直結するケースがあるのは
由々しき事態。
或いは公的機関が、時として権威を振りかざすことも俎上に乗る。
直近でも「大川原化工機事件」があったばかりだが。
疑いをかけられた側だけでなく、
かけた側の一部にも心に傷を負う者はおり、
それが『風間』家の悲運につながるのは、
なんともやりきれない連環だ。
終盤の盛り上がりに寄与する迫力満点のMMAの試合シーンは、
『壮平』が我が身に降りかかった不運の鬱憤を晴らす場として機能するかと思っていたら
然にあらず。
あくまでも肉体と肉体の純粋なぶつかり合いとして描かれる。
暴力とは異なるすがさがしさに、
鑑賞者は僅かながらの光明を見ることになる。
壮絶な暗さ…⭐︎
磯村勇人演じる風間彩人の日常を描く。
精神的な病気を患う母、格闘技に没頭する弟、看護師の恋人、親友らしき人。
過去と現在が時々入り乱れて物語が進み、途中と最後あたりに何かの象徴として
頭に銃で撃たれるシーンが入る。
何かと言うことはわかるけど何⁇言われのない暴力?、父親がいなくなるシーンも突然
現れてどうなったと思い、彩人の店が荒らされて その後友人や弟が現場を
見ても完全スルーするのはどうして⁇と自分にはわからないことだらけの映画だった。
ただ、前編通して全く救われない気持ちになる。
母親があれだけ重症の病なら、病院からも何らかのフォロー出来る施設への提案も
あると思うし、自立支援の相談もある。
店を荒らした半グレ三人組には目もくれずに彩人だけを連行する警察もありえない。
社会的にこぼれ落ちた人々、今の日本のある状況を描いているのだろうけど
あまりにも辻褄が合わないことが多すぎて、自分には物語として受けとれなかった。
⭐︎はやはり磯村勇人、母を演じる霧島れいかの「ドライブ・マイ・カー」の真逆の演技、
岸井ゆきの、染谷将太の存在に。
楽しい映画ではないことはわかった上での鑑賞だったけど、あまりに暗い内容で
来週はもう少し明るい映画を見ようと思いながら映画館を出た。
Q.何が彼を殺したのか―――。
A.単なる酔っ払いの暴力です。
序盤からほとんど説明もなく、息の詰まるような日常が描かれます。
弟の世界戦や大和の結婚パーティなど明るい話題は出るものの、なかなかそういった場面は出てこない。
やっと描かれた楽しいパーティの裏では悲惨な出来事が…
恋人の日向や友人らなどは善人として描かれながら、彩人の現況を変えるような力は無い。
職質の場面から警官はずっとクズです。
中盤までの閉塞感は、観ているのが辛いほどで凄まじいものがありました。
しかし彩人が(割と雑に)亡くなってから、作品が空中分解。
大和が警察署に直談判に行くまではよかった。
壮平の試合も、ノーカットで迫力とリアリティのある映像自体は素晴らしかったと思うが、あれ、必要あったかな。
試合前に長いモノローグがあったけど、中盤気配が消えてた壮平に語られてもイマイチ響かない。
台詞であれだけ語った後の試合も冗長。
直接の原因は間違いなくあの酔っ払いどもなのに、あの状況から解放してたの?
警官たちも、今さら「罪悪感あります」みたいなカット入れられても…
何より、介護だ借金だやっといて死因がアレだと、ただただ不幸な男を見せられただけになってしまう。
現在と過去をシームレスに行き来するカット演出は素晴らしかった。
ただ、結果的に嫌な気持ちになるだけの作品になってしまい残念です。
一度関わってしまった以上、彩人の母との繋がりを断てない日向の姿も、呪いだなぁ。
率直に言えることは、エピソードを詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。
『佐々木、イン、マイマイン』(20)が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。語り口は辛辣でも、全てを包む温かなまなざしを感じさせます。あらゆる理不尽にまみれても、自分の正義を守り懸命に生きようとする、名もなき人々の魂の叫びをスクリーンに焼きつけました。
●ストーリー
風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父亮介(豊原功補)の借金を返済し、 血管性認知症を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、 昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いています。借金返済に追われて精神的にギリギリの状態でした。恋人の日向(岸井ゆきの)や親友の大和(染谷将太)の支えで、何とか持ちこたえていたのです。
若くして一家を背負った彩人はサッカー選手として将来を有望視されながら、夢をあきらめ、人生を家族にささげてきたのでした。
そして弟の壮平(福山翔大)も兄と同居。父の背を追って始めた総合格闘技の選手となっても、同じく借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っていたのです。そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望でした。しかし、大和の結婚を祝うつつましくも幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまうのです。
●解説
彩人の苦労がいつか報われてほしいという淡い期待は打ち砕かれ、事態は悪い方へと向かいます。現実世界もまた同じように理不尽で、不条理だからとでも言いたげな展開です。でも不遇続きの彩人を人生の敗者として描いてはいません。とっくに押しつぶされていてもおかしくないのに、彩人はたまに達観した態度で哲学的なセリフを吐くのです。納得できないことには毅然と筋を通してしまうこと。それがあだとなるのですが、強く、気高い人なのです。その存在感は物語から退場する後半に、より際立ちます。
後半には、総合格闘技のタイトル戦に臨む弟・壮平に焦点が移り変わります。長回しで捉えた肉弾戦のシーンはほの暗く、乾いたタッチの前半と打って変わって、目もくらむ明るさ、むせ返る熱気です。
彩人が望んでもかなわなかった若さと感情の発露として、壮平が屈強な肉体をリングで躍動させます。共演シーンこそ多くありませんが、磯村と福山が魂のバトンをつなぐ兄弟役を対照的なアプローチで演じました。弟が兄の人生を内在化したように、兄もまた亡き父親を慕い、面影を追いかけていたのです。心の中にいる絶対的ヒーローの存在、その鮮やかな交代劇は、爆発的なエネルギーが渦巻く内山監督の「佐々木、イン、マイマイン」とも通じます。
日本を含めて四つの国と地域による共同制作。異論を力で封じ込める風潮や、前世代のツケを払わされることへの次世代の怒りが伝わってきます。国や言語を超えて共感を呼びそうなメッセージも声高には訴えません。フラッシュバックか。妄想か。時折、遊び心のある演出が差し挟まれて、後味も意外に軽やかです。
●主演磯村勇斗について
インタビュー映像で、主演の磯村は、介護や家事を日常的に担う「ヤングケアラー」を演じる磯村は「社会の理不尽さなど、日々感じることとリンクすることが多い」と撮影を振り返りました。
磯村はこれまで、知的障害者施設の殺傷事件が題材の「月」、特殊性癖者の孤独を描いた「正欲」など、近年、社会の問題を突く作品で難役に挑んできました。本作で演じる彩人は、若くして家族の呪縛にとらわれ、貧困と母親の介護負担にあえぐ。夢も等身大の幸せもあきらめ、生きながら死人のようです。「親の介護以外に意識を持っていけない。ただ息をすることしかできない。そこは彩人をやるうえで優先したところ」SNS社会で自己表現の場は表向き増えたように見えるが、「何かしたくてもできない。声を上げられないというところは結構、今の時代にマッチしている」。と語ります。
俳優デビューから10年。作品ジャンルや主演、助演を問わない活躍ぶりですが、当初は脚光を浴びる同世代の活躍に焦りを感じていたそうです。「なぜ俺はそこにいないんだろうと思っていた。すごいな、なんか、むかつくな。自然と生まれるハングリー精神みたいなものは絶対なくしてはいけない」と強調します。自身の俳優としての強みを「普通なところ」と言いきります。「白いパレットでありたい。様々な色をのせて、作品ごとにカラーが変わっていく。普通は僕にとってはうれしいこと」
そういう点で本作の彩人が抱える苦悩と希望の複雑な心境を磯村は演じきっており、当たり役になっていたと思います。
●感想
ただ率直に言えることは、母親の介護とか貧困、将来有望だったサッカー選手としての挫折、彩人のまっすぐな正義感、それに弟・壮平の総合格闘技選手としてのサクセスストーリーが絡んで詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。
そして時折挿入される登場人物が拳銃で自殺を図るシーン。これも誰が妄想しているのかすらわからなく、唐突に挿入されるので混乱しました。まるで『ジョーカー2』みたいです(^^ゞ
それに加えて、本作での警察への反感が異常なくらいの描かれ方をしているのです。
劇中彩人が遭遇する通行人の若者への職質質問が以上にしつこく、人権無視な対応として描かれています。疑問を感じた彩人が警官に詰め寄ると、問答無用で無関係な彩人まで逮捕されて警察署まで連れて行かれるのです。
それだけではありません。別な日によぱっらいにからまれて大けがを負った彩人に対し、たまたま現場に駆けつけた先日と同じ警察官は、なんと彩人を介抱もせず、病院にも連れて行かず、ただ警察署に連行するだけでした。
警察に対する余りの権力乱用な描かれ方に驚きました。監督は余程警察に恨みを持っているようです。
上映時間 :119分
劇場公開日:2024年10月11日
演者の力では作品の酷さはカバーできない、最大の戦犯は上映館だ😡
自宅介護の実態を全く理解してない脚本、冒頭からその薄っぺらさが瞬時に分かる。万が一分かっていたなら自宅介護者への冒瀆で指摘したらキリがない。ネグレクトでない自宅介護に献身した主人公(と思ってた)は中盤で呆気なく死亡、その顛末の酷さは他の方のコメント通り。そこから荘平が父の記憶とともに突如メインになり長回しの格闘シーン展開には全く付いていけないし、勝ち負けも何か意味があったのか。ラストの2人の警察官の処理は観客の溜飲を下げるサービスのつもりなら火に油でふざけすぎだし、何日経ったのか不明だがひなが母親と食事してる→面倒見てるならムリ→要介護5クラスを看護婦といえどヘルパー等無しでワンオペ出来るわけないので。
磯村、岸井、染谷など中堅ところを集めて演者は良かったと思うが、鶴も掃き溜めでは泳げない見本です。監督、脚本とも若い方はもっと社会勉強してください。何より新宿P館、ふざけるなです。
全123件中、41~60件目を表示