劇場公開日 2024年10月11日

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若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価

全123件中、41~60件目を表示

3.5生き地獄、無駄な長回しが多い

2024年10月16日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

なかなか救いのないストーリー。
実話なら目を背けたくなるでしょう。
胸糞悪いストーリーではありますが、途中までは演者も演出も映画っぽくて好きなほう。

予告通り、主人公が死ぬと思いながら鑑賞しましたが、ちょっと予告詐欺かな。拳銃出てくるなら、、、とか思ってしまったけど。

あのシーンは不可解。なぜアルコール?警察は検死も誤魔化せるのか?血溜まりは?とか、ちょっとリアリティが無く引っかかる。いいシーンなのに勿体ない。

無駄な長回しが多く観ているのがちょっと辛い。
特に、試合シーンはさすがに意味不明。約10分、格闘シーンが長回しされますが、眠くなる。何かあるのか、、、と思いつつ、10分は長い。ボクシング映画でも長すぎる。演者が10分間、カット無しの長回しで戦うのは確かに凄いことだけど、それは撮影の都合で、観客無視。その後も体感で3分くらいの無言のシーンとか意味不明。早く終われよ、、、って思ってしまった。マイナス1点。

試合のシーンまでは、救いのない切ないストーリーですし、主演2人の演技はとても良かった。
最後の20分間、あんなに苦痛に思う映画も珍しいけど、ストーリーもそうだけど、後味悪い。あれが無ければもっと高評価かも。

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だるまん

3.0次作も引き続き期待しております

2024年10月16日
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内山拓也監督作品で、磯村勇人さん、岸井ゆきのさん他粒ぞろいの出演者に期待しかなかった本作。サービスデイの丸の内ピカデリー午前の回はいつものことですがガラガラ。。何なら、同時間帯に隣のシアターで上映している公開4週目の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の方が入っていく人が多かったかもしれません。
で、観た感想ですが、「期待が高すぎたかな、、、」とかなりのトーンダウン。冒頭でも触れた俳優陣は皆さん確実に素晴らしいのですが、作品としては設定も脚本もモヤモヤしつつ、中盤以降は正直「長いなぁ…」と思いながら観ていました。
とは言え、独特な世界観やその表現方法には、やはり作家性の高さを感じます。現実の中で夢想するように過去を振り返ったり、はたまた幻想を見たりする演出は、特に過労と睡眠不足で意識混濁気味の彩人(磯村勇人)の危うさをこれでもかと言うほど感じ、そしてあのタイトルがドーンと出るシーンは鳥肌物。更に、終盤の壮平(福山翔大)とファビオ(ファビオ・ハラダ)の試合シーンはガチ感が凄く、その激しさに思わず身悶えてしまいました。
ところがその一方で、肝心のストーリーはやや煮え切らない。テーマからしてずっとダウナーなのは全く悪くないと思いますし、そういう現実を生きざるを得ないリアルがあることは解ります。ところが、この物語に見る「現実」はあまりに抽象的でリアリティが感じられないのです。特に「病人」や「ある組織」という対象にミステリアスな印象をもたせる有りがちな設定。後にフンワリと回収していきますが、その経緯から現在に至るまでが語られないため納得度は低いまま。また難病の母・麻美(霧島れいか)、物語上都合よく登場して悶着あったり、反面、存在感を忘れるくらい姿が見えなかったり。勿論、難病を軽く扱うつもりはないでしょうが、結果的には現実味からは程遠い印象を感じて残念です。(ちなみに、症状は全く異なるものの、私も母が難病を発症して約2年半、主に家族で介護をした経験があります。)
とは言え、完成度という意味ではしっかりと高く、内山監督のポテンシャルは大いに感じられます。そして勿論、磯村さん、福山さんの熱演はそれだけで観る価値高いですし、染谷さんのフォルム込みの安定感、岸井さんの包容力、そして何といっても今作でなかなかの爪痕を残した東龍之介さんなど、俳優たちの演技については見どころ満載です。
と言うことで、内山監督、次作も引き続き期待しております。

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TWDera

3.5それでも生きていく...

2024年10月16日
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悲しい

知的

難病に侵された母を必死にもがき、苦しみながら支えていく家族の姿に本当に胸が苦しくなった。
ただの物語と思っては観れない、いつ自分たちに起こるかもしれない事だと思って観ていました。

監督が実際ヤングケアラーだったというお話を聞いて、この家や小物、家具、細かい部分に至るまでリアリティを追求されていてこだわりがとても感じられた。
「生」と「死」を対比したカメラワークも斬新でよかった。
一連の流れで「拳銃」がキーポイントになっていて、
必死にもがいていて、苦しい時はそこから逃げたい、消えてしまいたいと自分を拳銃で撃ってしまいたい衝動、俺なんか撃たれてもおかしくないと思う気持ち…
あの映像によって、口には出せない心情を描写していたのではと思う。

1人の人間の死によって、家族や友達、その死に関わった人々の倫理観や人生観さえも影響を及ぼすことがわかる。
良心の呵責に苛まれる警察官、それを知ってこの組織にいることはできないと違う道を歩むこと決めた警察官。
彼の思い、志を受け継ぎ、亡くなったあとも彼の母を介護をし、支え続ける日向。
子供の時にいつも近くで見ていた両親の不仲に、結婚というもの、子供を持つということに不安しかなかった彩人だったのに、まるで彼の形見のように日向のお腹には彼の子供が宿る。
亡くなった父親と同じタバコを吸う彩人。
父親から教わった暴力から身を守る術を身につけ、総合格闘技で頂点を取った壮平。
不器用ながらも、警察官だった父親への尊敬の念と愛が感じられる。

人が死ぬことは何かが終わる事でもあるけれど、そこから生きている人達はまた新しい何かが始まるのである。

『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかさん、母親役すばらしかった。同一人物には思えない演技力は圧巻でした。

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さくらん

2.5自分は一体、

2024年10月16日
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悲しい

興奮

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トミー

4.0もうひとつの佐々木インマイマイン

2024年10月16日
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もうこれは佐々木インマイマインそのものよ。設定が違うだけで、作品の核となる部分は同じ。大切な人の死を理不尽に描き、残された者がその死にどう向き合うのかを余韻のように見せる。

警官の行動がさすがに極端過ぎたのと、試合のシーンがあまりに長かったのが残念だったけど、全体としては私は良かった。ある出来事をきっかけにまるで贖罪かのように全てを背負って社会の底に引っ掛かりながら生きる彩人。なんか掴み所のない人物ではあるけど母親に優し過ぎたのかな、きっと。もっと自由に生きる選択だってあっただろうに。

あと日向って爆食したりお腹気にするような素振りがあったように感じたけどそういうことなんかな。前作でも新しい命の誕生描いてたし。日向が食卓で見せた最後の表情がとても印象的。磯村勇斗と岸井ゆきのがめちゃめちゃ良かった。

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はるたろう

0.5かっこつけてるけど、センスを感じず失敗作の雰囲気でこっちが恥ずかしくなる。

2024年10月16日
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単純

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old-tears

1.5浅瀬で撮った映像

2024年10月16日
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潮干狩りよりもさらに浅瀬。

インターナショナルビジュアルのメイキングを見て一抹の不安を抱えながら(内心はダサ過ぎて恥ずかしいと思い)横浜で鑑賞。

インターナショナルメイキングで映っていたくらいの希薄な問題定義がそこにはあった…

過剰な演技に、過剰なカメラワーク。意味のないオシャレな雰囲気。その全てが浅はかな作り手の意図なのか…それともオシャレ映像が好きなだけのクリエイターなのか?

佐々木インマイマインもその気があったが、まだ企画した俳優たちが内容に対してしっかり向き合っていただけあって作りあがりも良かったが、それが今回の若き見知らぬにはなかった。てか、タイトルもちょっと恥ずかしくないか?

薄いと言うか浅い。そんなラーメンを食べた気がしています。
一番苦手だったのはお母さんが叫ぶあの場面でした。ちゃんとなんか調べてからやろうよ。

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ビビ

4.0若き見知らぬ者たち、ではなく見て知らぬふりをされる者たち

2024年10月15日
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梅じんの相棒

3.0演技は素晴らしい

2024年10月15日
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悲しい

難しい

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Y♥

2.0救いようがない

2024年10月15日
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なんかズーと重苦しい映画。どこをとっても救いようがない。どのテーマも、中途半端感が、否めない。ズーと救いを求めて観ていたが、何も起こらない。いや、勝利は手にしたが。格闘シーンだけは、迫力あった!

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DnaH

3.0モヤモヤ

2024年10月15日
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ふわり

3.5観ていると段々不快になって行く感じの作品。 本年度ベスト級。

2024年10月15日
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イゲ

3.5幾つものアンコンシャスバイアス

2024年10月14日
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泣ける

悲しい

興奮

知り合いの話だが、短期間に三度「職質」を受けた人がいる。

2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに休止されていた歩行者天国が、
2011年にテスト開催されたとのタイミングで。

本人の迷彩ズボンにリュックを背負っていた外見も
疑わしかったのかもしれない。

警官側からはけして触れようとはせず、
自らリュックを開けて中を見せるよう(強く)促すところは
本作で描かれている始終と共通。

勿論、やましいことは無いので唯々諾々と従い、
直ぐに解放された由だが、それにしても
「続けて三回かよ!!」と憤慨していた。

ただ、その「職質」が、後々の悲劇を呼び込む契機になることも。

警官だった父親は、ある事件で手柄をたてたものの突然に退職、
カラオケバーを開く。

が、何故か莫大な借金を残し突然自殺。
それを見た母親は正気を失う。

兄の『彰人(磯村勇斗)』は昼には工事現場で働きながら
夜は父が遺したバーを開け、背負った借金を細々と返済する。

弟の『壮平(福山翔大)』はMMAのプロとなり、
階級のチャンピオンを狙えるランキングにいる。

兄弟二人と『彰人』の恋人で看護師の『日向(岸井ゆきの)』で
母『麻美(霧島れいか)』の面倒を見るが、
家の内外での奇矯な行動に身も心も休まる暇はない。

社会情勢を扱った昨今の作品同様、
ここでもやはり幾つかの課題が提示される。

一つは公助に頼らず、自助に閉じてしまう介護の問題。

一旦沈んでしまえば、再び浮かび上がるのは困難で
「親ガチャ」とか「社会格差」で片づけるには
余りにも理不尽な。

または、一たび面倒を起こすと、それが常について回るラベリングの問題。

周囲も色眼鏡で見てしまい、それが命を脅かすのに直結するケースがあるのは
由々しき事態。

或いは公的機関が、時として権威を振りかざすことも俎上に乗る。
直近でも「大川原化工機事件」があったばかりだが。

疑いをかけられた側だけでなく、
かけた側の一部にも心に傷を負う者はおり、
それが『風間』家の悲運につながるのは、
なんともやりきれない連環だ。

終盤の盛り上がりに寄与する迫力満点のMMAの試合シーンは、
『壮平』が我が身に降りかかった不運の鬱憤を晴らす場として機能するかと思っていたら
然にあらず。
あくまでも肉体と肉体の純粋なぶつかり合いとして描かれる。

暴力とは異なるすがさがしさに、
鑑賞者は僅かながらの光明を見ることになる。

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ジュン一

4.0切なかった こんな思いをする人たちが、 いつかいなくなる日が来るといい

2024年10月14日
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切なかった

こんな思いをする人たちが、
いつかいなくなる日が来るといい

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jung

3.0壮絶な暗さ…⭐︎

2024年10月14日
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磯村勇人演じる風間彩人の日常を描く。
精神的な病気を患う母、格闘技に没頭する弟、看護師の恋人、親友らしき人。

過去と現在が時々入り乱れて物語が進み、途中と最後あたりに何かの象徴として
頭に銃で撃たれるシーンが入る。
何かと言うことはわかるけど何⁇言われのない暴力?、父親がいなくなるシーンも突然
現れてどうなったと思い、彩人の店が荒らされて その後友人や弟が現場を
見ても完全スルーするのはどうして⁇と自分にはわからないことだらけの映画だった。

ただ、前編通して全く救われない気持ちになる。
母親があれだけ重症の病なら、病院からも何らかのフォロー出来る施設への提案も
あると思うし、自立支援の相談もある。
店を荒らした半グレ三人組には目もくれずに彩人だけを連行する警察もありえない。

社会的にこぼれ落ちた人々、今の日本のある状況を描いているのだろうけど
あまりにも辻褄が合わないことが多すぎて、自分には物語として受けとれなかった。

⭐︎はやはり磯村勇人、母を演じる霧島れいかの「ドライブ・マイ・カー」の真逆の演技、
岸井ゆきの、染谷将太の存在に。

楽しい映画ではないことはわかった上での鑑賞だったけど、あまりに暗い内容で
来週はもう少し明るい映画を見ようと思いながら映画館を出た。

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☆ムーミン

2.5Q.何が彼を殺したのか―――。

2024年10月14日
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uz

4.0タイトルなし

2024年10月14日
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中二病的作品。実体験に近いモチーフがあったののしれないけど、作品としては訳が分からない。主人公の軸が後半変わるのも見づらい。、ボクシングシーンは迫力あったけど。染谷くんはいい。警官の職質のシーンから気持ち悪い。許せない。母親についても、介護保険、デイサービス、ショートステイくらいあり得たはずで、監督が無知すぎる感。看護師の彼女がいてあり得ないし。

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えみり

3.5辛く重苦しくなった

2024年10月14日
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母親の介護でどんな状況でも怒ることなく淡々とやり過ごす主人公。諦めの表情なのか終始虚ろな目。不幸で終わってしまって虚無。

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Olivia

3.0率直に言えることは、エピソードを詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。

2024年10月14日
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 『佐々木、イン、マイマイン』(20)が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。語り口は辛辣でも、全てを包む温かなまなざしを感じさせます。あらゆる理不尽にまみれても、自分の正義を守り懸命に生きようとする、名もなき人々の魂の叫びをスクリーンに焼きつけました。

●ストーリー
 風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父亮介(豊原功補)の借金を返済し、 血管性認知症を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、 昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いています。借金返済に追われて精神的にギリギリの状態でした。恋人の日向(岸井ゆきの)や親友の大和(染谷将太)の支えで、何とか持ちこたえていたのです。
 若くして一家を背負った彩人はサッカー選手として将来を有望視されながら、夢をあきらめ、人生を家族にささげてきたのでした。
 そして弟の壮平(福山翔大)も兄と同居。父の背を追って始めた総合格闘技の選手となっても、同じく借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っていたのです。そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望でした。しかし、大和の結婚を祝うつつましくも幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまうのです。

●解説
 彩人の苦労がいつか報われてほしいという淡い期待は打ち砕かれ、事態は悪い方へと向かいます。現実世界もまた同じように理不尽で、不条理だからとでも言いたげな展開です。でも不遇続きの彩人を人生の敗者として描いてはいません。とっくに押しつぶされていてもおかしくないのに、彩人はたまに達観した態度で哲学的なセリフを吐くのです。納得できないことには毅然と筋を通してしまうこと。それがあだとなるのですが、強く、気高い人なのです。その存在感は物語から退場する後半に、より際立ちます。
 後半には、総合格闘技のタイトル戦に臨む弟・壮平に焦点が移り変わります。長回しで捉えた肉弾戦のシーンはほの暗く、乾いたタッチの前半と打って変わって、目もくらむ明るさ、むせ返る熱気です。
 彩人が望んでもかなわなかった若さと感情の発露として、壮平が屈強な肉体をリングで躍動させます。共演シーンこそ多くありませんが、磯村と福山が魂のバトンをつなぐ兄弟役を対照的なアプローチで演じました。弟が兄の人生を内在化したように、兄もまた亡き父親を慕い、面影を追いかけていたのです。心の中にいる絶対的ヒーローの存在、その鮮やかな交代劇は、爆発的なエネルギーが渦巻く内山監督の「佐々木、イン、マイマイン」とも通じます。

 日本を含めて四つの国と地域による共同制作。異論を力で封じ込める風潮や、前世代のツケを払わされることへの次世代の怒りが伝わってきます。国や言語を超えて共感を呼びそうなメッセージも声高には訴えません。フラッシュバックか。妄想か。時折、遊び心のある演出が差し挟まれて、後味も意外に軽やかです。

●主演磯村勇斗について
 インタビュー映像で、主演の磯村は、介護や家事を日常的に担う「ヤングケアラー」を演じる磯村は「社会の理不尽さなど、日々感じることとリンクすることが多い」と撮影を振り返りました。

 磯村はこれまで、知的障害者施設の殺傷事件が題材の「月」、特殊性癖者の孤独を描いた「正欲」など、近年、社会の問題を突く作品で難役に挑んできました。本作で演じる彩人は、若くして家族の呪縛にとらわれ、貧困と母親の介護負担にあえぐ。夢も等身大の幸せもあきらめ、生きながら死人のようです。「親の介護以外に意識を持っていけない。ただ息をすることしかできない。そこは彩人をやるうえで優先したところ」SNS社会で自己表現の場は表向き増えたように見えるが、「何かしたくてもできない。声を上げられないというところは結構、今の時代にマッチしている」。と語ります。

 俳優デビューから10年。作品ジャンルや主演、助演を問わない活躍ぶりですが、当初は脚光を浴びる同世代の活躍に焦りを感じていたそうです。「なぜ俺はそこにいないんだろうと思っていた。すごいな、なんか、むかつくな。自然と生まれるハングリー精神みたいなものは絶対なくしてはいけない」と強調します。自身の俳優としての強みを「普通なところ」と言いきります。「白いパレットでありたい。様々な色をのせて、作品ごとにカラーが変わっていく。普通は僕にとってはうれしいこと」

 そういう点で本作の彩人が抱える苦悩と希望の複雑な心境を磯村は演じきっており、当たり役になっていたと思います。

●感想
 ただ率直に言えることは、母親の介護とか貧困、将来有望だったサッカー選手としての挫折、彩人のまっすぐな正義感、それに弟・壮平の総合格闘技選手としてのサクセスストーリーが絡んで詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。
 そして時折挿入される登場人物が拳銃で自殺を図るシーン。これも誰が妄想しているのかすらわからなく、唐突に挿入されるので混乱しました。まるで『ジョーカー2』みたいです(^^ゞ
 それに加えて、本作での警察への反感が異常なくらいの描かれ方をしているのです。
 劇中彩人が遭遇する通行人の若者への職質質問が以上にしつこく、人権無視な対応として描かれています。疑問を感じた彩人が警官に詰め寄ると、問答無用で無関係な彩人まで逮捕されて警察署まで連れて行かれるのです。
 それだけではありません。別な日によぱっらいにからまれて大けがを負った彩人に対し、たまたま現場に駆けつけた先日と同じ警察官は、なんと彩人を介抱もせず、病院にも連れて行かず、ただ警察署に連行するだけでした。
 警察に対する余りの権力乱用な描かれ方に驚きました。監督は余程警察に恨みを持っているようです。
上映時間 :119分
劇場公開日:2024年10月11日

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流山の小地蔵

1.0演者の力では作品の酷さはカバーできない、最大の戦犯は上映館だ😡

2024年10月14日
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鑑賞方法:映画館

自宅介護の実態を全く理解してない脚本、冒頭からその薄っぺらさが瞬時に分かる。万が一分かっていたなら自宅介護者への冒瀆で指摘したらキリがない。ネグレクトでない自宅介護に献身した主人公(と思ってた)は中盤で呆気なく死亡、その顛末の酷さは他の方のコメント通り。そこから荘平が父の記憶とともに突如メインになり長回しの格闘シーン展開には全く付いていけないし、勝ち負けも何か意味があったのか。ラストの2人の警察官の処理は観客の溜飲を下げるサービスのつもりなら火に油でふざけすぎだし、何日経ったのか不明だがひなが母親と食事してる→面倒見てるならムリ→要介護5クラスを看護婦といえどヘルパー等無しでワンオペ出来るわけないので。

磯村、岸井、染谷など中堅ところを集めて演者は良かったと思うが、鶴も掃き溜めでは泳げない見本です。監督、脚本とも若い方はもっと社会勉強してください。何より新宿P館、ふざけるなです。

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JAG
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