「至福の午睡」Ryuichi Sakamoto | Opus LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
至福の午睡
昨年3月に亡くなる半年前、坂本龍一さんがスタジオで自作20曲をソロでピアノ演奏する模様を記録した作品です。字幕も語りも一切なく、モノクロの映像が淡々と続きます。収録時にはご自身は勿論、スタッフの皆さんも死期が近い事は分かっていたに違いなく、映像に漲る緊張感は尋常ではありません。紡ぎ出される曲はどれも穏やかでスローで目を瞑って聴いていると、つい意識が遠のきそうになってしまうのです。でも、この作品だけはそれもいいのではないかと思いました。穏やかで贅沢で切ない極上の午睡のひとときでした。
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