劇場公開日 2024年3月22日

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「だけど、傘がない」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0だけど、傘がない

2024年4月22日
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鑑賞方法:映画館

 原作の知識の無い私が映画館に飛び込んで一気見した印象は、やはり井上陽水氏の「傘がない」でしょうか。例え頭上にUFOの母船が滞在していようとも、青春に悩み、青春を謳歌する女子校生達は身近な現実を生きる他は無い。愚かなのでは無く、そうするしか無いのだと思う。でも、井上陽水氏の歌の自殺者よろしく、頭上のUFOもまた、現実的な問題なんです。そして残酷な人類は宇宙人?達を見つけ次第、残酷な仕打ちをしてしまう。UFOをどうにかしなきゃと思っていても、現実的に何が起こっているのか? そうそう、判るものでは無い。しかし、隠しおおせず包み隠せず、最後には大爆発を起こして吹き荒れ、我が身に降りかかってしまう。この前章のラストはそういう理解で良いのかな。
 原作を知らず、頭の回転が回らない私には、助けた宇宙人からタケコプター?やら光学迷彩マント?に念動力スティック?を得て、勧善懲悪に乗り出す下りは、いったい何が起こったのか。正直、話の構成がついて行けない。その辺は後編で全て話が繋がるのだろうか。後編の期待感が止まないのですが、やっぱり頭の回転が回らない私には、原作を読んだり何度も見返さなきゃ理解出来ないかも。
 何より、登場人物達のファニーなルックスが良いですね。失礼ながら美しさ可愛さ色気が無いだけに、いろんな純粋さや不純さが浮き彫りになっているようで、赤裸々な人間の生き様が生き生きと描かれているように見えてくる。宇宙人との話であるだけに、宇宙人視点とも見ることが出来るのでしょうか。違う生物として性欲が違えば、性的魅力を感じない、ということか。
 映像の作り込みも凄いですね。他の映画を引き合いに出すのもよくないけど、今も上映中のソウルフル・ワールドとは違った意味で背景の作り込みが凄い。町中も店内も超リアルなパロディー振り。お好み焼き屋(もんじゃ焼きだったかな)まで協力を仰ぐほどだから、アニメの仕事の徹底ぶりが窺えます。
 そしてエンディングテーマ曲もぶっ飛んでて最高! いやー、楽しかった。

猿田猿太郎