NO 選挙,NO LIFEのレビュー・感想・評価
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とても面白い
選挙のドキュメンタリーかと思ったら選挙取材者のドキュメンタリーだ。長年選挙取材をしているのに赤字だそうで、別荘の管理作業をアルバイトでしているという。誰に頼まれたわけでもなく自らやっていて完全にフリーランスで、今の自分の漫画家ぶりと重なる部分が多く非常に共感することが多い。しかし圧倒的に社会的価値が高い素晴らしい活動だ。
前半は参議院選で、SNSなどが力をつけて旧態依然としたメディアが衰退して、以前なら泡沫政党であるであろうNHK党やれいわ新選組が国政政党になった様子が描かれる。NHK党はキワモノ集団だと思っていたら非常に戦略的だった。れいわはかっこいい。参政党はフリーランスを排除する。蓮舫はほんの一瞬の登場だったがとても感じがいい。安倍晋三の射殺で自民が圧勝するの様子は特に触れられていない。
後半は沖縄県知事選挙で、本土とは空気感が違ってゆるい空気なのだけど、抱える問題は深刻だ。
早く次の選挙来て欲しい。自民党には滅んで欲しいし、政権交代はどんどん起こって欲しい。
選挙って楽しい!
走る。走る。
三脚持って走る。脚立を担いで走る。
演説の声が聞こえれば、駅の階段を2段抜かしで駆け上がる。
ハードな取材。でもその背中はなんだか楽しそう。そしてご家族もなんだか楽しそう。
参政党の急な掌返しに腹を立てたり、LGBTQ反対論者に思わず反論したり。
演説中、手が震えて楽譜を捲れない候補者をそっと助けたり、人望の薄さを見抜き落選後の心配をしたり…。人間味のある畠山さんにすっかり魅了された。
そして、サキマ氏のテーマソングがしばらく耳から離れない。これ作った人天才だなぁ。
選挙は消去法だった。真っ先に消すのは「無頼系独立候補」。でもそれはとても勿体ない事をしていたのだと気が付いた。
選挙って面白いな。
若者達!選挙行きたくなるよ!!
パワーをもらえる映画
舞台挨拶で前田監督が「畠山さん自身を面白いと思ったんじゃなくて、畠山さんの前に広がる選挙戦の世界がおもしろいと思って撮影をはじめた(でも取材をはじめると畠山さんも面白かったと言ってました、畠山さんの名誉のため補足すると)」と言ってましたが、その通りでした。畠山さんが、「むくわれなくても20年以上選挙取材をやっている自分と、志をもって選挙にのぞむ候補者がシンクロする」とおっしゃってたとこ、報われなくてもとおっしゃってたとこが心にささって泣けた。畠山さんの候補者への優しい視線や興味がすごかった。私だったらこの人はヤバイと素通りする人にも話しをきく姿勢。そのなかで、創価学会員で候補者に怒鳴ってる、私だったら避ける人に話しを聞きに行くのですが、「この人は怒るだけの思いがあった。こういうパワーが公明党の力なんだろう。」と冷笑することなく、実感とともに分析されてて、これが畠山さんの目の前に広がる世界が美しいわけだなと思った。生きる力をもらう、価値観を揺さぶられる、すごい映画をみせてもらった。最後の沖縄の候補者、落選して、こんなに落ち込むの!?と思うほどの落ち込みぶりだった。それでも落選のしんどさより、市民を思う気持ちが勝ってると言ってて、そのパワーになんだか知らないけどすごく力をもらった。沖縄の落選者への質問は、ただの質問じゃなくて、質問によって相手に大事なことを気づかせたいという相手への応援でもあり、くじけそうな自分の心を奮い起たせるための答えを探す、畠山さん自身への応援でもあったと思う。もう取材はやめたいと言って、卒業取材だといってのぞんだ沖縄で畠山さんが候補者から力をもらっているのがよく分かった。ことあるごとに思い出して考え方や行動に影響を与えてくる気がする、人にすすめたくなる、よい映画だった。他にもいろいろ、畠山さんが、リベラルは選挙にもともと行くから、そこで掘り起こされてない層に受ける主義をかかげる政治団体が増えてると言ってたことに納得、沖縄選の無所属候補と自民推薦候補の温度感を体感したからこその分析、そこから引き出される、私にはとてもじゃないけどでてこない自民候補への優しい視線、つらつらと書くことが終わらない。また見に行こうと思います。
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