「パワーをもらえる映画」NO 選挙,NO LIFE むぎゅさんの映画レビュー(感想・評価)
パワーをもらえる映画
舞台挨拶で前田監督が「畠山さん自身を面白いと思ったんじゃなくて、畠山さんの前に広がる選挙戦の世界がおもしろいと思って撮影をはじめた(でも取材をはじめると畠山さんも面白かったと言ってました、畠山さんの名誉のため補足すると)」と言ってましたが、その通りでした。畠山さんが、「むくわれなくても20年以上選挙取材をやっている自分と、志をもって選挙にのぞむ候補者がシンクロする」とおっしゃってたとこ、報われなくてもとおっしゃってたとこが心にささって泣けた。畠山さんの候補者への優しい視線や興味がすごかった。私だったらこの人はヤバイと素通りする人にも話しをきく姿勢。そのなかで、創価学会員で候補者に怒鳴ってる、私だったら避ける人に話しを聞きに行くのですが、「この人は怒るだけの思いがあった。こういうパワーが公明党の力なんだろう。」と冷笑することなく、実感とともに分析されてて、これが畠山さんの目の前に広がる世界が美しいわけだなと思った。生きる力をもらう、価値観を揺さぶられる、すごい映画をみせてもらった。最後の沖縄の候補者、落選して、こんなに落ち込むの!?と思うほどの落ち込みぶりだった。それでも落選のしんどさより、市民を思う気持ちが勝ってると言ってて、そのパワーになんだか知らないけどすごく力をもらった。沖縄の落選者への質問は、ただの質問じゃなくて、質問によって相手に大事なことを気づかせたいという相手への応援でもあり、くじけそうな自分の心を奮い起たせるための答えを探す、畠山さん自身への応援でもあったと思う。もう取材はやめたいと言って、卒業取材だといってのぞんだ沖縄で畠山さんが候補者から力をもらっているのがよく分かった。ことあるごとに思い出して考え方や行動に影響を与えてくる気がする、人にすすめたくなる、よい映画だった。他にもいろいろ、畠山さんが、リベラルは選挙にもともと行くから、そこで掘り起こされてない層に受ける主義をかかげる政治団体が増えてると言ってたことに納得、沖縄選の無所属候補と自民推薦候補の温度感を体感したからこその分析、そこから引き出される、私にはとてもじゃないけどでてこない自民候補への優しい視線、つらつらと書くことが終わらない。また見に行こうと思います。