「相変わらずのクオリティの高さだけど、PG12にまでして描きたい下ネタの熱量が意味不明」JUNK WORLD Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらずのクオリティの高さだけど、PG12にまでして描きたい下ネタの熱量が意味不明
2025.6.24 ゴニョゴニョ版 T・JOY梅田
2025年の日本のストップアニメーション映画(105分、PG12)
前作『JUNK HEAD』の前日譚として、ロボット・ロビンがパートンになるまでを描いたSFコメディ映画
監督&脚本&その他諸々は堀貴秀
物語の舞台は、After God暦が採択されている地球
人類は不老不死と引き換えに生殖能力を失い、かつて作り出した人工生命体マリガンの繁殖能力を探索することになった
人間のトリス隊長とロボットのロビン、マリガンオリジナルのダンテたちは、モース大使、ペリアたちと共に地下都市を目指す
だが、そこで内乱が起きてしまい、探索船は破壊されてしまった
脱出パラシュートで難を逃れた5人は、地下都市のカープバール近郊に降り立ち、そこから目的の地を目指すことになった
道中でマリガンのギャラ教たちと戦闘になったり、荒廃した都市を行くことになった彼ら
何とか目的地に到着するものの、そこには次元ホールがあり、謎の生命体が彼らの前に姿を現した
臨戦体制となるものの、さらに彼らの後ろから謎のロボットが登場し、それによって、生命体はどこかに転送されてしまう
映画は、序幕(表記はなし)〜最終幕に至る全5幕となっていて、主に1幕の物語を2、3幕で解説するという流れになっていた
1幕は前述の次元ホールにたどり着くまでで、2幕ではロビンがホールに引き摺り込まれてから戻るまで、3幕ではロビンが彼らの元に来るまでという感じになっていた
最終幕では、ロビンの末裔が登場し、前作『JINK HEAD』への繋がりが示唆されている
相変わらず、どうやって作ったんだろうという作品で、少々下ネタが多すぎるきらいはあるものの、すげえなあと感心してしまう
PG12なので小学生以下にどうやって助言すれば良いのかはわからないが、『変態仮面』の漫画本をそっと渡しておけばOKだろう
それで笑える人ならば問題ないように感じた
全3作ということで、次作は『JINK HEAD』の正式な続編になると思う
ほぼ前作の記憶がないのでアレだが、流石に数年後公開だとおさらいをしないと無理な感じがする
幸いなことに、『JUNK HEAD』のウィキには作者が書いたんじゃないかと思われるほど詳細な年代史があるので、それを参考にして世界観を頭に入れた方が良いと思う
キャラに関する補足は公式HPにもないので、そこは超豪華なパンフレット(というかムック本)を手に入れるしかないのかな、と思った
いずれにせよ、前作を観てその世界観を気に入った人向けの映画で、かなり下ネタに振り切っている感じの作風なので賛否分かれるかもしれない
個人的には許容範囲だったが、あの表現でPG12で制限を掛けるのは勿体無いと思うので、もう少しライトにしても良いと思う
本作はかなり入り組んだ構成になっているので、話をすんなり理解したいのなら吹替版の方が映像に集中できて、スッと入ってくるのかもしれない
字幕版だとやりすぎ音声に意識を持って行かれるので(聞き取りたくて)、メリットとしては世界観を指し示す単語が理解しやすいところだろう
いっそのことモノローグもゴニョゴニョにして字幕表記して欲しかったが、そこまでは手が回らなかったのかな、と思った
