JUNK WORLDのレビュー・感想・評価
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ありきたりな映画に飽きたあなたへ
前作を観ていないし、全くノーマークだった作品だけれど、
【ゴニョゴニョ版(日本語字幕)】が気になって気になって鑑賞しました。
本日、映画の神様に導かれて
本作品と出会えたことに感謝😇
「未知との遭遇?!」
まだまだこの歳にして
「こんなの初めて」って
体験があったんですね🤭
もちろん帰ってすぐに
前作「JUNK HEAD」も鑑賞しました。どっぷりJUNK ワールドに浸るとまるで異次元にいるよな不思議な感覚に満たされます🤫
これをほぼ1人で作り上げた堀貴秀監督に拍手👏前作より本作品の方が応援者はずっと多かったですね、エンドロールまで楽しいのでお見逃しなく。なおJUNK シリーズ次回作で完結らしいので、3作目の完成をみなさんで応援しましょう📣
そして、ゴニョゴニョ版(日本語字幕)の正体は、映画の中で繰り広げられる独自のJUNK語ワールド😂これが新しくて面白い。今作は特に前作より"ゴニョゴニョ"で遊びすぎで、途中何度も吹き出しそうになりました🤣絶妙に聞き取れワードが多くて、戸田奈津子さんもびっくりの翻訳をぜひ字幕版でご覧ください🤭
ありきたりな映画に飽きたあなたに
ピッタリの未知との遭遇映画🎬
まだ間に合う!
一度観たらきっと病みつき
JUNKワールドへいらっしゃい♪
今更のレビューですが…
前作『JUNK HEAD』と比べると 本作『JUNK WORLD』は、キャラクターデザイン・ストーリー構成・映像表現の面に於いて「前作よりも洗練され観やすくなった」感はあります。 …が その一方で前作に感じた「粗削りながらも そこから感じる独特な雰囲気と その魅力」は やや薄れた様な気もします。
ただし それは「制作者が意図的にそうした」様な気もするんですよね。 …で この後に続く3部作最終作品『JUNK END』で、また「あのJUNK HEADの雰囲気に戻してくる」のでは? と個人的には予想しております。
【ストーリー(脚本) & 演出】
前作『JUNK HEAD』よりも[1042年前の物語]と言う事で、ストーリー上 前作とは(間接的な繋がりは色々あるけど)直接的には「そこまで繋がりがある感じではなかった」ので、前作を観ていない方でも楽しめるストーリーかと思われます。勿論 前作を鑑賞していた方が より楽しめるストーリーではありますが。
前作『JUNK HEAD』では「頭の中身」以外は どんどん変化していく展開でしたが、本作『JUNK WORLD』でも前作に倣い 「世界(世界線)』が色々交錯し変化していき 1つの出来事を複数の登場人物の視点から描く《羅生門アプローチ》的な展開の物語となっておりました。
また三部作の最終作『JUNK END』に対する期待が高まる 色々な要素を感じ取れる脚本•演出も楽しかったです♪
脚本評価★★★★★
演出評価★★★★★
【配役(キャスティング) & 演技】
今回は 前作の様な[マリガンの変異や多様性が当たり前の世界]でなく、マリガンの変異が起こり始めている可能性がある世界なので、前作ほどのグロい造形のキャラクターは 殆ど登場しません。なのでマリガンの見た目は どちらかと言えば「人間に近い」モノとなっています。
また『人間』も前作ほど機械化されてはおらず、どちらかと言えば「人間の半機械化(強化人間)」や「人造サイボーグ的なロボット(完全自律型)」の技術が確立し始めた頃かと推察される造形で、前作より《人間が人間らしい姿で描かれていた》と感じました。
そういう意味では前作よりも[キャラクターのビジュアル]に関しては 取っ付き易いものになっていたかと思います。演技に相当する[キャラクターの動き]に関しては 前作同様の素晴らしさでした。
(※ちなみに【字幕版】のみを鑑賞済みで、【吹替版】は未鑑賞な者の感想である事 ご了承下さい)
配役評価★★★★☆
演技評価★★★★★
【映像 & 音楽】
映像や音楽•音響効果に関しては、前作以上に作品世界やストーリー展開に合った 素晴らしい出来であったと 個人的には感じました。
映像評価★★★★★
音楽評価★★★★★
(映像・音楽の好みに関しては『予告編』を観て、「自分に合いそうか 合わなそうか」「自分が好きそうか 嫌いそうか」はある程度判断できると思うので、まずは『予告編』をチェックしてみるのも良いかも知れません)
【総合評価】
正直言えば「シリーズ物は途中から入りずらい」と私は思っています。実際 個人的にも「超有名タイトルだけど シリーズ物なので未鑑賞」という作品も多々ありますので。
ただ まあ3部作の2作目なので「今から1作目を観るだけ」で この世界に入ってこれるので、出来るなら1•2作目を鑑賞して頂いて、多くの方に「この『JUNK』の世界に入ってきて欲しい」と思っています。
個人的な好みとしては、「何処か突き抜けた所がある作品」や「深い余韻がある作品」を評価する傾向があるので、本作もかなり好みの作品でありました。他作品との相対的な評価としては 本作は限りなく《☆5評価》に近い出来だと考えます。
総合評価★★★★★
なんだこれは、なんだこれは、なんだこーれは🎵
この凝りようと遊び心、壮大なストーリーに感服。
笑った笑った。
次で完結、楽しみだけど淋しいなぁ。
ずっと続けてほしい。
昨日「タローマン」を観て、今日はこの作品。
こういった映画を観て楽しめるのも、普通の暮らしが送れているからなんだろうな。
「普通がいいな」ってなんて言うんだろう?
「ゅきかぜ、ちゃけにょうち」とか。
昨日の字幕版に続いて本日吹替版を鑑賞。
物語に集中することができた。この順で観て正解かな。
ノーランやキャメロンが実写映画化しても良さそうな物語なのに、このテイストでやり通してるのがすごい。
ね、大使。
前作見ずに吹替版から見たら刺さらない人もいるかも。
明日また字幕版観に行こうかな。
堀監督のこだわり、熱意に応えるには、ゴニョゴニョ語の辞書を作るしかないか。
芸術作品であり工芸品のような
ゴニョゴニョ版で観ました
近所で一週間だけ公開してくれたので、無事、劇場で観ることができました。
観たのは、字幕のゴニョゴニョ版。
序盤で「えっ?、アーノルド・シュワルツェネッガー?」と思ったら、耳がそっちに引っ張られまくって忙しいったらありゃしない。
まずその言葉遊びが面白かったんですが、前作に比べると、かなり字幕の言葉と近いことを言っているように感じました。junk headの頃より前という設定なので、言葉が現代に近いってことでしょうか?
設定についての細かいところは、分厚いパンフレットで確認しようと思いますが、「カメ止め」のように、同じことを違った視点から反復するやり取りは、謎解きの答え合わせ感と共に、ストーリーの理解にもつながるし、質を落とさずに公開映画としての尺を担保できるしで、うまい方法だなと思いました。
ただ、やり直しのストーリーの中で描かれる性的モチーフ表現や、少女の扱いなど、ちょっとだけ「うん?」と思う部分もありました。日本のサブカルアニメらしさを踏襲してるということなのかもしれませんが…。
最後は、junk headにうまくつなげて、第3作へという流れがとても自然でしたし、何より、エンドロールで、堀監督以外の方の名前がズラズラ出てきただけで胸熱という、変なところにも感動してしまいました。
junk end、楽しみに待ちたいと思います。
タイムリープ要素が強い
ストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』の続編
内容は前作の前日譚というか
1042年前という設定で前作の要素はほとんどないので
たぶん、この作品から先に見ても問題はないと思った。
とりあえず、ストップモーションアニメの完成度は高い
4つのシナリオが大まかに分けられており
一幕はトリスたちと異界の探索
二幕は1幕の舞台裏など
三幕はモース(大使)たちとの行動
最終幕はトリスを助けられるが・・・
思ったよりもタイムリープ的な展開が多いので
前作と少し違う感じ
今回は世界観がなんとなく明るい感じになっている気がする
グロい描写が多く
キモイヘンテコな生物も多数出ておりそれなりにキャラクターが多く死ぬので
合わない人がいるかもしれない
敵である「ギュラ教」もヤバい奴らだが
ギャグっぽいところもある
ピロピロは予想よりも少ない
エンドロールも制作映像などもあり
エピローグもあるので最後までエンドロールを観たほうがいい
今作のパンフレットを買ってみたが
設定や制作過程の情報が載っていたので
興味のある人は必見
ちなみにバステトが提案した名前は却下されたらしいのは笑った
地元に来てた!
次が楽しみで仕方ない
ほぼ独力で作り上げた前作「JUNK HEAD」に続くストップモーションアニメの2作目。
スタッフも加わったことで、表現もストーリーも格段にグレードアップし、エンタメ作品としても見ごたえのある一本に仕上がった感じ。
監督曰くスタッフ総抜けで、3部作のラストがどうなるのか気になるが、次回作が楽しみである。
ストーリー的には前作の過去のお話ですが、事前に前作を見ておくのもいいですが、本作を見た後で改めて見ると色々分かってくる部分があって楽しいかも。
未来の世界を描いているため、劇中の言語は今とは異なっている設定。
前作は字幕版のみだったが、本作では字幕(ゴニョゴニョ版)と吹替版がある。
両方見たが、個人的には「字幕版」を推奨したい。
前作以上にしゃべってる内容の端々に聞いたことのあるような単語が(かなり)混じってくるので、ついついそちらに気を取られてしまうのが楽しい。
独特の世界観を満喫
独特の世界観で描かれたストップモーションアニメ「JUNK HEAD」の続編にして、前作の前日談にあたる内容。
一応、前作を観てから鑑賞した方が良いと思うが、観ていなくても本作単体で十分に楽しめるように作られている。
流石に前作のインパクトを超えることは出来なかったが、緻密に創り上げられた異形の世界、オフビートな脱力系ギャグ、ブラックでちょっとキモいクリーチャー等、この独特の作風は今回も大変面白く観ることが出来た。
人間側の調査団のリーダーである女性隊長トリス、彼女を護衛するロボットのロビン、マリガン側のリーダーであるダンテといったメインキャラも夫々に魅力的だったし、調査団に参加する大使と部下の凸凹コンビ、別次元の世界からやって来た少女バステトといったサブキャラも中々良い味を出していた。
そして、彼らの前に立ちふさがるのが地下世界に生息する面妖なクリーチャーたちである。さながらアミューズメントパークのような非日常感が全編に渡って貫かれており、個人的にはこのビジュアルだけでも十分にお腹いっぱいになった。
ただ、かなりクセが強いので、間違いなく観る人を選ぶ作品だと思う。
物語もかなり捻りが利いていて楽しめた。前作は割とシンプルな冒険談だったが、今回は多次元世界が入り組むSF的な趣向が強い内容になっている。少し時系列が複雑なのが難点だが、伏線はキッチリと回収されているので消化不良感は残らない。
特に、ロビンが神様になる世界の話は、前作との繋がりを考えると興味深く観れる。おそらくだが前作を撮った時からこの流れは想定していたのではないだろうか。本シリーズは全3部作という構想で考えられているが、物語、世界観、キャラクターは相当練られているように感じた。
アニメーションとしての出来は、前作同様、決してクオリティが高いとは言えない。しかし、逆にこの手作り感溢れる所が個人的には好感が持てる。前作はほぼ監督一人で作り上げたというが、今回はスタッフや予算も増えたということだ。アニメーションのクオリティをブラッシュアップせず、敢えて前作と同レベルにしたことで、すんなりとこの世界観に没入できる。
とはいえ、前作よりもグロさが減ったことと、スチームパンク風なテイストが後退してしまったことは少し残念だった。
また、脱力ギャグもトリスとダンテの絡みで少し興醒めしてしまうようなシーンがあり、このあたりは今一つ感性に合わなかったという感じである。
尚、今回は字幕版で鑑賞した。前作同様、今回もセリフは全編架空の言語で話されており、所々で聞き覚えのある日本語が出てきてクスリとさせる。どうやら吹き替え版もあるようだが、この可笑しさは字幕版でしか味わえないので観るなら字幕版の方をお勧めしたい。
堀貴秀監督の独自固有な世界観
前作は鑑賞せずに本作にチャレンジ。
予告を観て面白そうだったから。
まず字幕版というのがおかしくて、
デタラメな言語を字幕にしているのだが、
その言語の発声というか、そのワードをそういう言葉にするのかという
可笑しみ、センスみたいなものを感じ、字幕である意味合いを理解できた。
それからキャラクターデザインも独自固有。
とてもかわいいとかかっこいいとかでは言い表せない
むしろ少し不気味だったりする“味”があるデザイン。
ストーリーは私としてはちと難解だったが、
映画の世界に浸る楽しみ方をして、満足した。
それにしてもストップモーションアニメは制作の大変さがよくわかる
エンドロールであったし、本当に制作陣には敬意しかない。
次回作も制作されるそうで、いったい何年後になるのだろう?
ピロピロが頭から離れない。
えーきちやざわろっくんろー
本当に良い意味でめちゃくちゃ褒め讃えてる意味で最高に気が狂ってて最高!JUNK HEADよりも登場人物が増えて、タイムリープの要素も入ったからよりストーリーはわかりづらくなってるけど、1000年後の世界ってのを観てから知ると感慨深いものがあったりなかったり。前作のダークファンタジーの要素はずいぶん控えめで、バトルファンタジー要素が強いかな。たぶんこれは単に前作よりも照明が明るいせいな気もしないでもない。次はいよいよ3部作のラスト。アレクサンドルとフランシスとジュリアンのバカ三兄弟に会えるならいつまでも待つよ。でもって、なんだかんだエンドロールのメイキング映像に釘付けになるし、そのとてつもない労力の上で成り立ってるのがわかるからありがたさが増すよね。
それではハバナイスムービー!
『JUNK』シリーズ第二弾は本格タイムトラベルSF! 若干期待とはズレたが完成度は高し。
さすがに見逃しちゃったかと思いきや、
まだ主要都市ではどこもやっていて凄いなあと。
祝・ロングラン!!
ようやくタイミングがあって観ることができました。
『JUNK HEAD』でフルスイングの衝撃を受けて、
長らく公開を待ち望んでいた続編ではあったが、
実際に期待していた映画だったかというと、
微妙に思っていたテイストとは違ったような。
でも、たどり着いた地下の街カープバールの
ペンキをぶちまけたような菌の増殖ぶりと、
気色の悪い生物のうごめくさまを見て、
違和感とか結局どうでもよくなった(笑)。
さらにはラストのメイキングで、あの街を
監督がせっせと「作っている」様を見せられたら……。
やべえ、ホントにあのジオラマ手作りなんだ(笑)。
『JUNK HEAD』は、予告編や事前の評判からすると、もっと手の込んだディストピアっぽい『銃夢』みたいなダークなスティームパンクかと思いきや、思いのほかプリミティヴで粗削りで「ただひたすら人形を動かすことに懸けた」ストップモーションアニメに仕上がっていた。
綿密な設定やSF的なガジェットはあるらしいのだが、そこはわかる人はわかればいいやということで、どちらかというと、とにかく人形を走らせ、高所から落とし、粉々に破壊し、それを再生させては、またエイリアンもどきの怪生物に襲わせて、破壊し、また再生する……そんな無限の悪夢的なループ(人形愛)を分かち合う、そんなインティメットで手作り感あふれる作品だった。
思ったより手工業くさかったが、
だからこそ『JUNK HEAD』に惚れた。
親近感がいや増しに増した。
そういう部分がたしかにあった。
だから、遅まきながら続編を見て、
率直にこう思ったのだった。
「なんか、ちゃんと出来過ぎててつまらんな」
ひどい感想だけど(笑)、意外に
そう思った人って多かったんじゃないかな?
― ― ― ―
『JUNK WORLD』は、『JUNK HEAD』と比べて、格段にまっとうなつくりのSF大作である。
物語や細かい状況説明はそっちのけで、ひたすら人形を動かしていた前作と異なり、今回はまず、語りたい壮大なSF的設定と時空をまたいだギミックがあって、それをきちんと丹念に順を追って叙述していく。「え? 堀監督ってこんなにちゃんとわかるようにナラティヴに取り組める監督さんだったんだ?」って意外に思うくらいに、ちゃんとSFしている。
描かれるのは、幾重にもタイムパラドックスが仕掛けられた、タイムリープとやり直しの物語だ。ありていに言えば、一人の女性を救うために、単に歴史を改変するどころか、ひとつの数千年に及ぶ「並行世界」までつくってしまう、一体のロボットの妄念と執念の物語だ。
そこには『シュタゲ』や『Re:ゼロ』のような、ヒロインを救うためならなんでもやろうとする徹底した「鍵ゲー」的必死さがあり、これはまさにタイムリープものの王道といってよい。
さらに一幕と二幕では、『カメラを止めるな!』風の「語り直しによる他視点の導入と意外な真相の提示」まで試みられていて、こんな凝った叙述トリックを仕掛けてくるのか、と結構びっくりした。
正直、ここまで「込み入った」話をギミック主体で語ろうとする監督さんだとは思っていなかったので、素直に感心もしたし、かつよく出来た話だとも思った。そこは本当だ。
ただ、『JUNK HEAD』の続編として自分の観たかった「ひたすら人形を動かす」ストップモーションアニメとしては、思いのほか洗練されすぎていて、だいぶと期待していたものからは「ズレ」があった。そういうことだ。
『JUNK HEAD』の最大の魅力は、ロビン(ポンコツロボット)の必死さ丸出しの「動き」にあったのに、今回出てくるのは「人間」のキャラばかりで、しかも出だしは棒立ちのシーンが多くて、アニメーションとしてはあまり魅力を感じない。
それから『JUNK HEAD』では地下世界が舞台で、奇怪な肉食生物が跋扈する腐海っぽいイメージ――暗くてじめっとしてて、なんか肉っぽい感じが魅力的だったのだが、今回は普通の室内かオープンエアの渓谷が舞台で、からっとしているしにちゃっとしていないし、キモキャラは出てくるにせよ単発的である(地下の街カープバールだけは前作の禍々しい雰囲気が踏襲されていて、うごめく動物も気持ち悪くて素晴らしいけど)。
そもそも『JUNK HEAD』の場合、徒手空拳の「弱い」ポンコツロボがギーガー的造形のエイリアン風怪物に襲われまくるドタバタと、それに伴う墜落と破壊という上下動のアクションが主体だった。今回の『JUNK WORLD』では、人間シルエットの強化人間やロボットやマリガンが剣や銃で武装した状態でバトルを展開する。要するに、やっていることがものすごく「普通」になっている。
しつこいようだが、『JUNK HEAD』が、やけに詳細な設定を練り込んであるわりには、そっちはパンフででも後で補完しておいてねとばかりに、専ら「ストップモーションアニメ」として人形を動かすことに淫していたのに対して、『JUNK WORLD』は、明快に王道のタイムトラベルSFを指向し、それをちゃんと成功させている。結構小難しい設定を、観ているだけで咀嚼できるようにうまく組み立ててある。
全体に「予算があがって」「手伝ってくれる人の手も増え」「3D造形やCG要素も加わった」結果として、内容として仕上がりが格段に「洗練」されたのはたしかに間違いない。
だけど――、それによって喪われた「何か」もあるんだよね。しょうがないけど。
― ― ― ―
●今回、個人的に言うほどはまれなかった理由として、ヒロインであるトリスがあまりに女丈夫すぎて、イマイチ愛着のもてるキャラじゃなかったことが挙げられる。これがレムとかエミリアとかまゆしぃ☆とかクリスティーナくらい「助けたい」と思えるようなキャラだったら違ったんだろうけど(笑)。
軍服だし、顔はつぎはぎだらけだし、可愛げがないし、感情の起伏が薄いし、萌えられる部分が何もない。「ドラマ」がないぶん、ロビンの絶対的忠誠が単なる刷り込みのようにしか感じられない。
●むしろ作り手からすれば、本作の正ヒロインはバステトということなのかもしれない。こちらは愛嬌のある言動を見せ、ちょっとうるさいしうっとうしいが、献身的で一生懸命で共感のもてるキャラだった。
ロビンのトリスに対する絶対的忠誠と相似形を成すように、バステトはロビンに対して絶対的忠誠を誓っている。ロビンにとっては、バステトどころかリビーア族全体がトリスを救うためのギミックに過ぎなくて、基本的な接し方は戦略シミュレーションで街を増殖させているのとそう変わらない。一方、バステトにとってロビンは神に等しい存在であり、淡い恋心を抱いている。彼女は必死でロビンの役に立とうと奮戦し、最後は華々しい形で自己犠牲を遂げることになる。このへんのやけに容赦のない突き放した感じは、キャラを「人形のコマのようにしか思っていない」という意味で、堀監督の製作スタイルと通底した部分があるのかもしれない。
●マリガンオリジナルの再生体であるダンテは、寡黙ながら常識的で頼りになるキャラクターだった。「神経接続でクローンを乗り換えて1000年以上生きている」という設定はあまり生かされていなくて、ちっとも老成などしていないし、ふつうにアメリカン・ヒーローっぽい扱いではあったが。ラスト、なんであんなことに??(パンフには「ヴィジョンに従い」と書いてあったけど) 少しギリシャのオウィディウスの『変身物語』を彷彿させる超展開。
●マリガンが、目がないかわりに受容体みたいな装置を顔にぶっ刺して外界を認識しているのって、『ロスト・チルドレン』の「一つ目教団」とおんなじシステムだよね。
ちなみに、この映画で実際の目を露出させている生物キャラって、実はテリアとバステトくらいしかいない。あとはみんなレセプターかサングラスを着用している。おそらく人形を用いたストップモーションアニメで、人形に「目の演技」をさせるのが極端に難しいからではないのかな?
●ギュラ教の教祖プリオンのお姐系の口調とSMボンテージファッション、奇怪な身のこなしと狂いっぷりは、本作のある意味「メインデッシュ」。前半はプリオンのキャラで「もっている」といっても過言ではない。なんか『ヘルレイザー』とか『ベルセルク』の神様っぽい造形。
●カープバール市街の、臓物をぶちまけたみたいなカラフルな菌糸と、そこに棲息する得体の知れない不気味生物群は、まさに堀監督の真骨頂のような造形で素晴らしい。
●前作同様、男●器を思わせる「イワギンチャク」や「金根瘤」、ウ●コ状の「ウマミール」など、地を這うようなそのまんまの下ネタは健在。違和感のある人もいるかもしれないが、個人的には何の問題もなく大好物である(笑)。
●ただ、全般に「ピロピロ」とか「ギャランドゥ」とか、笑わせにかかっているネタの多くは、明確に「スベっていた」ふうに思ったのだが(笑)、僕の気のせいだろうか。
●せっかくなので「ゴニョゴニョ語」の字幕版で観たんだけど、前作の「ゴニョゴニョ語」もこんなんだったっけ??
なんか、その場面の文脈と関係のない日本語が多数耳に飛び込んできて、結構気を散らされたんだけど……。遊びとしては面白いのかもしれないけど、若干映画鑑賞の邪魔になる面白さだったかも(笑)。
あと、微妙にイントネーションとか言葉の吐き出し方が北朝鮮の国営放送みたい感じがするのって、人間たちの軍服姿がちょっとそういう感じなのと関係があるのだろうか?
●あと、「予算の都合で今回もしかたなく」という体で、スタッフ6人ですべてのキャラの声の演技を当てているが(当然「吹き替え版」もこの人たちが当ててるんだよね?)、実際はアテレコってやってみるとすごく楽しくて、手放したくないのではないかと邪推(笑)。基本的に「主導権」を誰にも渡したくないから、こういうクローズドなモノづくりをやっているわけで、プロの声優を入れること自体に結構違和感があるんじゃないかな。
●ラストはよくわかっていなくて、あんだけ何千年もかけてやってこの結末かよ!と思ったが、パンフを読んで、あのあとトリスが●●装置に入れられているらしいことを知る。てっきりお棺かと(笑)。
●パンフは2500円もするのだが、値段相応の価値のある素晴らしい内容。詳細な設定資料集、メイキング、ビジュアル集となっていて、めくってもめくってもみっちり『JUNK WORLD』の世界が堪能できる。詰め込みすぎで、のめりこみすぎで、独りよがりで、同人誌感があって、自らの創作物への愛であふれかえっている……ある種、作っている映画と同じようなノリでパンフまで作ってあるのが笑えます。
●次回作はパンフによれば、『JUNK HEAD』のパートンとニコ、本作のロビンとトリスが地下世界を旅しながら邂逅するような、総まとめの内容になるらしい。
楽しみに待ちたい。
SFもの、戦闘シーン多め?
ゴニョゴニョゴニョ (今回も楽しい!)
圧倒的な世界観とその制作過程に衝撃を受けた『JUNK HEAD』。そのシリーズ第2作ということでとても楽しみにしていました。
結論から言えば、今回も期待以上で、とにかく観にいけて良かった作品です。
舞台は前作に描かれた時代から1042年前。その設定だけでスケールのデカさを感じるのですが、本作では内容において前作同様、常識人には絶対に考えつかない独特の展開や世界観、そしてとにかく笑えるゴニョゴニョ語と、堀監督の変人ぶりにただただ驚かされるばかりです。
このJUNKシリーズ、完結編となる第3作が予定されていると言うことで、そちらを楽しむためにも、前作、本作は絶対観ておいた方が良いですし、次作を観る前には再度復習をして起きたくらいの作品。
遂に待ってた続編!!!前作との直接的な繋がり描写はあまり無く大体し...
遂に待ってた続編!!!前作との直接的な繋がり描写はあまり無く大体しか覚えてなかったが十分に楽しめた。ただやっぱり復習してから行くと楽しさ倍増かと。
映像面でもめちゃくちゃ進化してて前作は良い意味でアナログ感があったが今回は滑らかさが増してて凄かった。エンドロールのメイキング映像は必見。
ゴニョ版で鑑賞したが前作よりも遊んでる感じでコレはコレで面白かったがそっちに意識が持ってかれがちなのが残念だった 笑(ある方の感想で聴き取れる言語が前より多いのはまだ文明が残っている名残〜…という考察を見てなるほど…と思った。)
内容的には所謂タイムリープだがロビンの忠誠心といつの間にか親近感を持ってしまうキャラメイク、メリハリあるバトル描写、きちんと張られた伏線等流石の見応えだった。推しキャラバステトちゃんが可愛かった。ラストの繋がりも嬉しいカットだった 笑
そして遂に完結の3部作目を制作開始との事で凄い嬉しい反面終わってしまう寂しさも感じてしまった。3バカのスピンオフとか…作って欲し…笑(強欲)
前回ほどのクセなし
独特の世界観がクセになる。
前作が最高だったので、映画館で鑑賞。
地下の迷路のような穴倉から、上層世界へ舞台は変わり、空の演出が新たに加わる。飛行シーンでは本当に飛んでるように見えて、今回もまたストップアニメーションの壮大で細かい作りに脱帽。
キモいセット(褒めてる)や沢山の新キャラのデザイン・服も、ジャンクの世界観が絶え間なく表現されていて、観ていてすごいなぁと思う。
ごにょごにょ版で観たのだが、言語の中にクスクス笑える日本語ワードが出てきて面白かった。
ストップアニメーションも細かいけど、言語にもこだわりを感じて流石としか言いようがない。
ひとつひとつ言葉を作るのも、ものすごく時間と労力とユーモアがいると思う。
1作目のJUNKHEADから何百年、何千年?も前の設定の今作は、きっとまだ人間の文化が残ってる時代だから私たちも聞き取れることばだったんじゃないかなと、私は思ってる。
どんどん月日が経ち言語が変化していって、1作目のようなごにょごにょ加減へと変化したのではないかな。
3作目がもし1作目の続き(ホクロと赤い女の子とぽん太)の物語であるならば、きっと1作目のようなごにょごにょ具合なのではと推測する。
マリガンの創始者の末路やラストは前作に派生する展開になっていたので、また前作のジャンクヘッドの方もすぐに見直したい。
メイキングでは、何の気無しに観てたものがこんなにも時間がかかっているんだと、改めてすごいなぁと思った。たまをちぎるシーンにもこだわりを感じた。あと、トリスちょ(たぶん)の音声に、あっ!てなった。裏方の方が声やられてるのかな?
前作は、カット割り・カメラワーク・カメラの角度・ストーリー・演出全てにこだわりを感じたし、狭い迷路の中でもいろんな手法を使うことで広大な地下世界を想像できた。画角が良くて画の構図が好きだった。
その前作の構図の面白さに対し、
今作は広い空間ならではの、アクションの派手さとかアクションの俊敏さを感じることが多くあった。
そしてそれは普段観る実写映画のような滑らかさで、ストップアニメーションだということを忘れさせるような動きに、改めてすごいなぁと思った。
新しいキャラの愛くるしさや上層の人間世界、
それは見たことがある馴染みの世界を感じる映画になっていたと思う。
私はこの世界観が好きだ。
監督の頭の中のジャンクワールドがまた観れて嬉しい。それに次回最終章とのことで、またこの世界が観れるのが本当に楽しみだ。
次回作は1作目の続きなんだとしたら、ホクロと赤い女の子とぽん太がその後どうなるのか、マリガンの技術を人間世界に持って帰れるのか、とても気になる。
その時はまた映画館に観に行きます。
柄本明は、ストップモーション・アニメの夢を見るか?
7月9日(水)
「F1」をIMAXで再鑑賞したあとハシゴで
前作「JUNK HEAD」に続く第2弾、SFストップモーション・アニメ「JUNK WORLD」をTOHOシネマズ日比谷で。
50年位前に洋ピン観た時、ヘアやチン◯だけでなく持ってるディルドまでボカシが入っていたのを思い出した。だって本作もボカシが入っているんだもん。
前作の約千年前AG(BCではないAfter God)2343年を舞台に、タイムリープで過去に戻るので、未来が少しずつ変わって行く話が3度繰り返される。
ゴニョゴニョ版字幕付で観たが、前作よりもゴニョゴニョに聞き取れる日本語がかなり混じっていて(ドイツ語等もあった)それを聞き取る方に意識が行ってしまい、3度繰り返されるストーリーに最後は注意が行かなかった。日本語でだいぶ遊んでいる。と言うか、遊び過ぎ。吹替版はどうなっていたんだろう。
(聞き取りが違ってたら御免なさい)
キンヨウロードショー、チネチッタ、スイヨウドウデショウ、シンカイマコト、ロックンローラーヤザワエイ、アッチョンブリケ(手塚治虫)等々無意味に使われるゴニョゴニョ語。
ある程度意味が通じるものもある。(混んでいて)狭い、がマンインデンシヤー。承知した、がガッテンショー。
繰り返し使われる言葉は、覚えてしまうかな。男性がポッコリーノ、女性がペッコリーノ。
手作り感満載だった前作に較べると資金が潤沢?になったせいか合成等も使われており、ストーリーがリフレインされても微妙に違うので撮影は大変だったのかな。
ラストでは次作の予告が。さて観られるのは何年後になるのでしょうか?
劇場の最前列で柄本明さんがご覧になってました。こういう映画にも来るんだ。
IMAXで「F1」再鑑賞した後、メイキングやビハインドザシーンを観まくっていたのでレビュー上げるのが遅くなってしまった。
全136件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。