コンクリート・ユートピアのレビュー・感想・評価
全187件中、81~100件目を表示
イ・ビョンホンの演技力に脱帽
日本では韓国俳優で一番人気なのかな イ・ビョンホン、日本で韓流俳優といえば多くの人がイ・ビョンホンと答えるでしょう。その彼ですが非常に難しい役を見事に演じきりました、最初は冴えない一住民ですが少しずつカリスマ性を帯びていきます。その正体がラストでは明らかになるのですが素晴らしい彼の存在感と演技力でやりきったのではないでしょうか。
最初のとぼけたキムヨンタク(役名)
部外者を決して許さないキムヨンタク
皆から慕われるキムヨンタク
怖いキムヨンタク
頼もしいキムヨンタク
優しくも不気味なキムヨンタク
キムヨンタクじゃなくなったキムヨンタク
しかし、私が一番好きだったキムヨンタクはお祭りの時のカラオケのキムヨンタクですね
ちょっと意外かもしれませんが、、(笑)
ちょっと古めの韓国のアイドルが歌うようなポップス?ぽい曲をベッタベタのステップを踏んで歌うシーンが何故か忘れられません、このコミカルなシーンがよりこの登場人物の存在感を際立たせている!なーんて私だけかな(笑)
ストーリーも緊迫感もまあまあでした。人のエゴ、傲慢さ、身勝手さを赤...
ストーリーも緊迫感もまあまあでした。人のエゴ、傲慢さ、身勝手さを赤裸々に見せられるとあまり良い気はしませんね。
それでも人間はユートピアを目指す
昨年の「非常宣言」に続き正月はパニック韓国映画で鉄板。映画の本質たる荒唐無稽を力づくのリアリティで強行突破する現場の熱さ本気度はハリウッドにも真似できずやわな邦画ではとうてい太刀打ちできない。そしてなんといってもイ・ビョンホンの怪演がすさまじく災禍の中焼肉パーティーでカラオケを熱唱する姿は圧巻。「梨泰院クラス」のパク・ソジュンも新婚の一般ピープルが段々と狂気に駆られていく様を見事に演じており、最初に住人たちが洋服ダンスのバーやオモニの杖などを武器として次々と手に取っていくシーケンスが好き。それにしてもエンディングへ向かうにつれ、食料が底をつき始めるにつれサバイバル~生存競争~戦争への構図が顕在化し、その基本単位としての家族(マイホーム)がメインテーマであることに気づかされ深く悩む。誰も見殺しにしない(排除しない)平和的解決こそがばかげたユートピアではないのか?と。
エメリッヒっぽかった
能登をはじめ、北陸一帯があんな悲惨な状況にあるときに観るような映画ではなかったな、と逆の意味で絶妙なタイミングな作品でした。
内容的には、ディザスター&サバイバル映画系。
災害原因は語られません。
ハルマゲドンか地下核爆発か、みたいに、広範囲に地下から地面が「爆ぜる」表現のみでした。
壊し方はほぼエメリッヒ。
テーマとして、極限状態で人間は
「自分だけ生き残るため他人を踏みにじるか?」
または
「困ってるときは【お互いさま】の精神で、互いに助けあうのがいいか?」
という二択になるかと思います。
こういった生き方を迫る作品……
なんかいろいろ過去に観たな…???
『マッドマックス』シリーズ、『北斗の拳』、アニメ版の『日本沈没』とか。
ゾンビ映画とか。
極限というのが生死与奪を誰か他人に握られた監獄内という意味にすれば、北朝鮮を描いた『トゥルーノース』とか、ホロコースト内のユダヤ人たちを描いた多くの作品とかにも当てはまるし……
問題提起としてはいいけど、結構見飽きたような。
それと、誰も「外」と連絡とろうとも、情報を取ろうとしないのが謎。
無線でもネットでも、とにかく何が起きているかを把握したうえで、救助要請をしたり、食糧確保や逃げられる場所(避難所)とかの情報を取ろうとするはずなのに。
また韓国(首都ソウル周辺)が災害で壊滅したら、自国政府がダメでも、1週間以内にはアメリカや日本などの同盟国が助けに来ると思うのだが。
もしも他国が来ることができない状況~たとえば地球規模的な地殻変動を伴う災害なら、わからなくもないが、まずそういう意味でも「外」との関わりを描いておくべきだったんじゃないかと。
そして、地球規模の災害だった場合、空が晴れや薄曇りではなく、核戦争後みたいな雨になる可能性もあるしなぁ、といろいろ疑問に思ったりもしました。
災害のせいで氷点下というならわかるけれども、地球温暖化の影響で、夏はクソ熱く冬は氷点下というようなニュアンスを冒頭のカーラジオで説明しちゃってるし。
スルー力を発揮しても、その辺を「雑」としか感じられなかった。
イ・ビョンホンの演技力と、パク・ソジュンの存在感はよかっただけに、かなり残念。
もやる。
大災害の中、何故か唯一崩落を逃れたアパートでの混乱を描く韓国映画。
終始マンガの様な世界観で描かれるパニックスリラーで、リアリティはなく、展開も王道。極限状態で他人とどう共存するか、生き延びるかがテーマですが、感情移入できる登場人物はいなかった…。(みんな極端なのよ)
なかでも安全圏から終始偽善的意見を喚くミョンファにはイライラ。彼女もまた自分の意見を押し付けたいだけで、周りのことを結局考えてない他力本願に見えました。
始まってすぐにアパートでの被災対応が始まり、2時間以上基本的には同じような流れなので、ちょっと飽きちゃったのと、個人的に結末がモヤモヤする感じだったので評価は低めです。
見なきゃよかった。
集団のヒステリー?
段々に危機感の中でヒーローを求めていくのは分かる。
だけどあまりにも短絡的というか…ここまで代表に熱狂するのか?理解できない。
もう少し、丁寧に見せてくれたら共感したかも。または、ありきたりだけどサイコパスで突き抜けてたら。
そして、自身を偽っていた代表も実は被害者であり加害者なんだけど…このアパートの局面では、リーダシップをとって(あるところまでは)自警を司ってたんだよね。
実は、詐欺被害者で騙したヤツを殺していたんだけれど…そのことは悪だけれど、正義を振りかざして暴くのも、この状況下ではうまく飲み込めない。
そして、女の子をいきなり突き落としたのも、え?って感じ。
能登地震のことがありながらも見たけれど、見なくてよかったかなと嫌な気持ち。
最後の場面だけが救い。
よかった
クオリティが高いし題材もいいし、退屈なところもないし面白くないわけではないのだけど、なんかちょっと物足りない。期待しすぎたのだろうか。
死体もごろごろ出てくるし、美術も素晴らしいし、迫力もある。ユーモアさやふざけたところがなく硬いからだろうか。テンポとかグルーヴ感とか、全体的なセンスとか、が合わなかったのかもしれない。登場人物に魅力を感じられなかったせいだろうか。特に好きなキャラもいない。
正体を見抜いた隣の部屋の女の子が穴に突き落とされてあっけなく死ぬ。殺した男に成り代わってしっかり認知症のお母さんのお世話をしている。うんちの処理までしていて、なかなかできることではない。
団体行動が苦手なので、あのマンションには絶対にいたくない。車が動かせるなら人気のない山か海に行って自給自足生活をする。車が動かなくても徒歩で移動して人のいない場所に行く。争いがなくてもいたくない。
アジア圏に住む私たちのための地獄図絵
人間の行動は国家や民族を超えて、同じ様なものである。理性を保ち行動するか、動物としての本能に従うか。良い悪いの問題ではなく、人間としての究極の選択でもある。その時に至らなければ、答えは出ないだろう。自分の命だけを考えるのか?自らを犠牲にして、未来に託すのか?どちらも正解である。答えは既に自分の中に備わっている。選択するだけなのだ。問題提起の素晴らしい作品だった。やはり、イ・ビョンホンが居るだけで、作品の格と質が数段上がる。スターとはそういうものなのだ。
人間の本性
マンション群が崩落する大災害が起こる中、生き残った住民たちの人間模様を描いている。
一棟残ったマンション住民と、それ以外のマンションの人間達の争いの中、人間の本性が見えてくる。自分が助かるためには、なんでもするだろう。いつ救助が来るかわからない混乱の中、自分なら、食べ物や水を他人に与えられるのか、
考えさせられた。
残機
年始になぜかスタンバイしてる韓国映画。ド派手な作品助かります〜と思っていましたが、中々ヘビーな作品で1から10までしっかり楽しめました。
初っ端とんでもない地割れで一つのマンション以外全部ぶっ壊れて、そこに元々あった寒さが襲って圧死と凍死のダブルパンチの中の人々を描くという、韓国こういうの好きね〜というのが伝わってくる作品でした。
破壊のVFXはかなり見応えがあって、ディザスタームービーとして見たかったなぁと思いました。
マンションの元々の住人たちは最初こそ助け合いの精神を持っていたものの、他の住人ことゴキブリたちが自分勝手になっていく様を見て、追い出そうとしてからがある種崩壊の始まりだったなーと思いました。
ヨンタクがリーダーシップをとって行動するため、住民が崇めるようになってからヨンタクが調子に乗ってしまったり、働いた分の報酬といったところでの差別が生まれてしまったり、ミョンファの正義感などなど色々と交錯していく中で分かっていく謎が物語に深みを与えていたと思います。
ミョンファの正義は素晴らしいと思うんですが、この世紀末な世界でそんな事言ってらんねーよなぁと少しイライラさせられました。明るい時間帯に食料とか渡したらそりゃバレるよ…。
偽ヨンタクの正体がバレてピンチに陥ってからはオーバーすぎて笑ってしまうところも少々ありました。
告発した903号室の少女をとっ捕まえて肥溜めに突き落とすのはこりゃまた唐突だなと笑ってしまいましたし、そこからは他の地域にいた人々が全員襲ってきて、ヨンタクもボコボコにされて食料を奪われて、住民たちも全員出ていく感じで終わりを迎えて、ミンソンとミョンファだけは脱出するものの、ミンソンは死んでしまい、ミョンファは助けられて、新しい生活を送っていくというまぁアンパイなところに落ち着いたなぁとは思ってしまいました。
設定が先行して面白く感じるのに、本編はその期待を超えてはこないのがここ最近の韓国映画だと思います。荒廃後の世界というのが興味深かったのに、基本はマンション内での揉め事がメインなのもあって、もう少し世界観の広がりが欲しかったなと思いました。
今年も多くお世話になると思う韓国映画でしたが、どうしてもちょい面白かったなーくらいの評価で落ち着いてしまうので、こんな評価を覆すくらいの傑作がポンポン出てきてくれたらなぁと思っています。
鑑賞日 1/9
鑑賞時間 13:35〜15:55
座席 J-13
ちょっと気分が悪くなります
上映時期が良くなかったのか、自ら作品を選んだのですが観ていて気分が悪くなりました。
倒れて崩れた建物が数多く映し出されており、能登地震の現状と被ってしまいました。
また躊躇無く人を殺害してしまう描写が生々しく、邦画の作品とは違う印象を受けました。
人間の本質を抉り出すように描くパニックスリラー
こんなことを感じながら鑑賞しました。
・ふつうの人でもパニックのさなかにおいては善悪の判断がつかなくなる
・それは同調圧力による気がする
・パニックのさなかだと他人への優しさ薄れる人もいる
・でも助け合って生きていこうとする優しさで生きている人がいる
イ・ビョンホンさんはちょっとオーバーな演技だったように思います。
しかし、パク・ボヨンさんはすごく良かったです。彼女が主役ですね。
本作においては、井上真央さんに似ているな~と思いました。
それにしても実にマンガ的と言いますか、このシチュエーションだけで
描き切るところは、今の日本映画からは生まれないように思いましたし、
観てよかったとは思いました。
日本国内も大変な状況ではあり、この作品に食指が動く方は
少ないかもしれませんが、一見の価値はあると思います。
アパートは住民のものです
日本でも高度経済成長期に団地建設のラッシュがあったが、今では特に地方に行くほどその団地地帯がゴーストタウン化している現状を目の当たりにする。
そんなことを韓国の住宅事情が説明される冒頭の映像を観ながらぼんやりと考えていたが、次の瞬間に一気に意識が画面に引き戻された。
天変地異によってあっという間にソウルの街は破壊し尽くされてしまう。
ただひとつ奇跡的に倒壊を免れたひとつのアパートを残して。
これも災害が起こった時の人間の本質を残酷なまでに問いかけてくる作品だ。
人は希望を失った時にその本性が顕になる。
はじめは避難民を受け入れていたアパートの住民だが、次第に争いが耐えなくなり、住民の過半数が避難民を追放すべきだという意見を持つようになる。
投票によって代表に選ばれた男が避難民に退去を命じるが、それに反発した者たちとの間で流血沙汰になってしまう。
しかし代表の気迫に押された避難民たちは退去を余儀なくされる。
住民たちは声を上げて代表の栄誉を称え、代表はその声に恍惚な表情を浮かべ、やがてカリスマ的な存在となっていく。
ここで描かれるのは住民と非住民との完璧な分断だ。
代表は何度も「アパートは住民のものです」と宣告する。
外からやって来た者には容赦をしないが、住民がいくら規則を破っても命を取るようなことはしない。
代表はやがて住民を結束させるためのルールを掲げ、彼らを縛り付けていく。
後にその代表の男の出自が明らかになるというサスペンスの要素もあるのだが、この映画を観ていかに非常時に人の思考が麻痺していくかを思い知らされた。
そして善人でいられるか、悪人になってしまうかは、その人間の本質ももちろんあるが、その時の状況次第でもあるのだ。
たまたまアパートの住民であったという為に「持っている」側にいられた人間か、非住民であるが為に「持たざる」側に立たされてしまった人間。
アパートの住民のほとんどが自分たちだけが助かる道を選んでしまったが、自分たちだけ助かっても意味がないのだ。
集団心理とは恐ろしいものだが、それでも人は助け合わなければ生きていけない生き物だ。
身勝手の先にあるのは憎悪と破滅だけだ。
正直、観ていて暗い気持ちになるシーンばかりの作品だ。
そして自分だったら正常な思考でいられるだろうかと何度も考えさせられた。
このアパートには夢も希望もなかったが、映画の終わりは少しだけ光が射し込むような柔らかさを感じた。
最高の映画哲学
道徳を否定しても生きるのが人間。しかし、道徳を考えて生きるのも人間。
シナリオが素晴らしい。滑稽で残忍だなと思わせるシーンもあれば、生きてくためにはしょうがないよねと納得していると、その考えは間違いじゃないかと思い、心の天秤が行ったり来たり。
130分もあっというだし飽きるシーンがない。
序盤の音楽などコメディかな?と思わせるがこれがまた後々に効いてきて良い。
アパートが世界の縮図であり、間違っていない図式でそれはそれで正解の住人達。
ラストのヒロインのセリフは映画史に残る。
怖い
日本で大きな地震があったあとなので、少し洒落にならない怖さがありましたね。自分が住民側になるか、外部者になるかで出てきた人の行動は理解できますよね。自分も家族があるので。イ・ビョンホンさんが遠藤憲一さん、パク・ボヨンさんが井上真央さんに見えて仕方なかったです。
最初から最後まで力強いショットが続き、気持ちよく観られる。
ネトフリのドラマ的なルック&シチュエーションは正直ゲンナリするが、撮影や照明は素晴らしい。イ・ビョンホンはもちろん素晴らしい。気配を消してるところから段々とカリスマ化していきカラオケのショットまでまさに快演。パク・ソジュンも難しい役を好演。
最初から最後まで力強いショットが続き、気持ちよく観られる。
ただ、ストーリーはありきたりでほとんど驚きがないうえ著しくリアリティーに欠けるし、とってつけたようなイイ感じのラストもちょっと鼻白む。企画自体に少し無理があったのでは。
瓦礫の王
未曾有の大災害により瓦礫の山となった世界にたった一つ奇跡的に倒壊を免れたファングンアパート。
そこに多くの避難民が殺到する。最初は受け入れたアパートの住人たちだったが、次第に部外者とのトラブルが続出することに。
もはや国家は崩壊し、自力でのサバイバルを余儀なくされる状況の中、英雄的活躍で人々から祭り上げられた住人キムを代表として新たな国家が誕生する。ファングンという名の国家が。
国家として生き残るために住人たちはまず部外者を排除する決断をする。この状況下では自分たちの生存さえ危うい、他者を受け入れる余裕などないのだ。他者を排斥し、物資を得るためには略奪も辞さない。それらはすべて自分たちが生き残るために。
まさに今の世界で起きている難民問題や自衛の名の下に行われているジェノサイドを彷彿とさせる。
英雄キムのおかげで住人たちは物資を得られひと時の宴に酔いしれる。しかし英雄は偽りの英雄であった。
偽りの英雄を指導者とした国家はやがて崩壊してゆく。力によって他者を排斥し、他者から略奪を続けてきた国家は皮肉にも同じ力によって崩壊してゆく。
唯一生き延びたミョンファを受け入れてくれた人々。彼らのコミュニティでは他者を受け入れ互いが身を寄せ合って平和に暮らしていた。
ファングンアパートの住人たちと彼らとは何が違ったのだろうか。ミョンファは言う、ファングンアパートの住人たちは普通の人たちだったと。
その違いは紙一重なのかもしれない。人が災害に見舞われたときどういった行動に出るのかは。自己防衛に走り排他的になるか、他者を思いやり互いに助け合うか。
イ・ビョンホンの鬼気迫る演技が素晴らしかった。あと「はちどり」のパク・ジフも久々に見れて良かった。
本当のユートピアはお金でも、豪邸でも、いい暮らしでもない...
🏢あらすじ
ソウルの大災害により建物が崩壊し、地盤も崩れている。奇跡的に生き残ったごく普通のアパート、区画の他の建物住たちが逃げ込んでいた。そんな中アパート1部屋で殺人未遂と放火事件が起き、住民以外の人をいれるべきかを問われた。システムを作り、リーダーが必要となった際に選ばれたのは火事の際率先して動いてくれた謎の多い男ヨンタクでした。彼は段々と支持を得て、アパートの住民以外の人々を武力で追い出す。アパートを守るために、如何なる手段で住民の安全と健康を守っていた。しかしある少女の住民がアパートに戻り、ヨンタクがどんな人物か分かっていく。そして、そんな生き残った1棟のユートピアが崩れていく。
🏢よかったところ
・ミンソンとミョンファの最後のシーンはもう涙。男って表現するの苦手ですよね。
・ノットハッピーエンド。バッドエンドな結果なのが韓国映画らしい。
・前半のテンポはゆっくり目ではあるが、疑問に思う点はしっかり描いてあって良い。
・ヨンタクとミンソンの災害前を描いたシーンがあって良かった。ミョンファンもあればさらに良いかもしれません。
・婦人会長グメの心情が変わっていくところが見どころですね。
🏢考察
・ミンソンが拾った髪飾りがアパート内でミョンファに渡していたらきっとつけていない。
・この支配し奪われる結果は誰のせいなのかミンソンの発言かヘウォンの精神崩壊か、楽観的な住民がヨンタクを豹変させたかのか?家族を愛していたヨンタクが騙されたのが悪いのか?
・ミョンファは優しい心を持ちながらも、アパートでの暮らしを通して失いつつあった。ミンソンと別れた後に本当のユートピアを見つけ
た。本当のユートピアは生き残ったアパートでもなく、食料や水でもない。偽りのない真心の持ち主たちの集まり。
・優しい心を持つもの一人では集団では負ける。影響力もない。気の弱ったものにも心配をされる。しかし、真の心を持つ集団ならきっと勝てる。
・気の弱いものが命を断つまで伝えようとしているところを見ると影響力の小ささを感じる。
・ミョンファの心があれば戦争はきっとないでしょう。映画のように一回おきた現代の争いは決して終わることはない。
みんな普通の人間
韓国では全然違う観点で見られているので要注意(内容の核心につき言及あり、ネタバレ注意)
今年8本目(合計1,100本目/今月(2024年1月度)8本目)。
ネタバレなしで投稿したら問題になってしまったので、ネタバレありで投稿します。
この映画、よく見ると、いきなり「登記がなくても我が家なんだぞ」等の「登記」といった語句が飛んでくるので、韓国民法ネタ(韓国民法186条、日本民法177条相当。不動産登記関係)か?ということは資格持ちにはある程度ピンときますが、そこに気が付くかどうかで相当判断が分かれる特殊な作品です。
実は韓国民法は韓国の成立後(1948年後)、それまでの日本民法を若干変更したものが取り入れられていて、不動産登記関係はそもそも制度が違います。また、日本ではマンションなどの賃貸借は「債権」に分類されますが、韓国では韓国民法303条以下が規定する「チョンセ権」という物権になります。これは、購入時の金額の5割~7割をオーナーに提供して退去時に返却する代わりに、その頭金を運用して得られる利益が家賃と相殺されるシステムです(日本の賃貸借に似るが、債権ではなく物権である点が異なる)。
ところが韓国ではこのチョンセ権は韓国の不動産登記法上、登記されうるものですが、日本のそれ(日本では賃貸借)がほぼ登記されないのと同じように、登記されないのが普通です。その場合、日本の賃貸借と「扱いはほぼ同じ」になります(制度が異なるに過ぎない)。
しかし上記に書いたように「頭金を活用して得られる利益」とあるように、これを詐欺的に私的流用したり勝手にギャンブルなどに流用する類型がいくつか存在し(あるいは突然オーナーが変わっていたりというもの)、それによるトラブルが非常に多く、韓国では2020年にこれらについてある程度の規制がかかるようになりましたが、日本と違い借地借家法等にあたる法による「借り手有利な事情」になっていない韓国では「家の賃貸借トラブル」が非常に多く、この映画も実はそれを「災害」として述べたものです。
※ こうしたことは韓国公式サイトやKBS(韓国の国営放送。日本のNHKにおよそ相当する)などで調べると実はすぐにわかります。
この理解の有無によって、日本では時期的に能登半島の震災もあったことから、この映画の述べる「災害」が何なのか映画内では描写されておらず(突然地震が起きるが、そこだけで起きることが不自然)、こうした点の理解まで求めようとすると一定程度法律系資格を持っている等でないと無理で、極端に高い知識が求められるかな…といったところです。
※ よって、いわゆるコリアタウンがあるような大阪で開業している行政書士と(不動産登記は扱えないが、コリアタウンの性質上、相談を受けることがあるので、韓国のこの制度についても知っていないと理解ができなくなる)、不動産登記を扱う司法書士の二重論点ということになります。
この映画はこうした部分の説明が極端に少ない…というか、ヒント描写が実質「登記されていないだけで我が家なんだぞ」だけですから(ここからこの家は購入した家ではないことがわかります。購入時の登記は韓国民法では義務だからです(韓国民法186条/日本では「当事者では有効だが第三者に対抗するには登記しろ」で177条)。
こうした点の説明不足があいまって本映画の理解はかなりの差が出るのではなかろうか…といったところです。
採点は以下の通りです。
-----------------------------------------------------
(減点0.5/上記の理解にたどり着くことが困難)
・ 正直、韓国公式サイトや韓国のニュースサイト他を見て事前にこのことを知らないと理解が???な展開になってしまうのが厳しく、かつ日本民法にない「チョンセ権の理解」まで問われるので極端に厳しい印象です。
-----------------------------------------------------
全187件中、81~100件目を表示