コンクリート・ユートピアのレビュー・感想・評価
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アンバランスさ
人を人としてあらしめる要素とは何なのか? 大災害で崩壊した世界は「サバイバルファミリー」のようでもあり ゾンビが出てこない「新感染 ファイナル・エクスプレス」のようでもあって 愛は愛なんだけどもっとモラル的な意味の愛というか。 キリスト教のモチーフが度々でてくることもあり、 そういう人間愛みたいなとこに焦点をもってきた作品だったと思う。 あとやっぱり言わなきゃいけないイ・ビョンホン。 自分で切ったみたいな髪型もそうだけどキャラ造形が素晴らしかった。 なんだけど全体で見たときに存在感が強すぎるし 準主役なのに主人公を完全に喰っちゃってるみたいな。 とても良く出来た作品だっただけに、そのアンバランスさとか 粗さみたいなものが目に付きやすかったのかなと思う。
大災害の中、たった一棟無事だったマンション。なんちゅう無理ある設定...
大災害の中、たった一棟無事だったマンション。なんちゅう無理ある設定(笑) 窮地に立たされた人間たちはどう生きるのか、いろんな人がいて面白い。自分ならどれが近いとか考えてしまう。 ラストはちょっと拍子抜け。
群集心理の恐ろしさ…
災害時は他人でも互いに助け合う、支え合う、仲間を守る。しかし、それがルールから外れた者は排除する、仲間以外から奪う、攻撃するに変わっていく。男もいつの間にか仲間の代表に祭り立てられ、次第に巨大な権力を手にするようになると、抑えが効かなくなっていく。シザー・ハンズのジョニー・デップのような風変わりな髪型の代表役をイ・ビョンホンが好演している。群集心理の怖さを描き、誰にも止められない。究極が戦争なのだろう。
ユートピアって⁇
韓国ソウル壊滅的な地震?災害が起こります。一棟だけ残ったマンションに住む住人対生き残っている人々とありそうなストーリーだが、なかなか面白い作品でした。 ここまでの災害が起こると人間の本質が出てくるのは当然で、何処にでもいる口だけおばさんが登場する。偶然に、消火活動に参加した男性ヨンタク(イ・ビョンホン)をリーダーにする。自分では責任取りたくないやなーと感じてしまう。マンションの住人以外の人間を排除しようとする。なかなかムカつくババァです。そこに乗っかってくる住人も簡単やなーと感じましたが、自分の居場所を確保したいと思う事は当然だとも思ってしまう。 このマンションをユートピアにする為に、規律を作りカラオケなどで娯楽を与えて人間の心理をコントロールして行く。皆んなが盛り上がっているのが、異様に感じる。 そこで、主人公の夫婦がその対立に翻弄されます。妻のミョンファは、常に冷静で正義感が強い。旦那のミンソンは徐々にヨンタクに 擦り寄りマンションの住人と一致団結して行く。 その一方でヨンタクは、怪しげでストーリーが進むにつれて過去が明らかになり、1人の少女の出現でヨンタクvs ミョンファとなって行く。 サバイバルの中にサスペンスとヒューマンドラマを混ぜた闇鍋的な映画でしたね。 終盤少しの希望が残るラストになっているので、夫婦の絆も少しばかり見せた感じがあり、感動に終わりました。 生き残っていく為には、何が正解か?相手が人間だけにさまざまな考えがあって当然。だからややこしい。ゾンビなら、人間VSゾンビで殺したら解決するが物資の取り合いで止む無く人を殺して行くしか無いとなると、人間の精神は崩壊して行くだろう。 自分ならどう行動するだろうと? なんか、いろいろ考えさせられる映画でした。
人間の醜い争い
これは人の世の常。 今も昔も、ここで描かれる人間同士の争いは現実世界至る所で起こっている。国家レベルで。 ラストの平和な暮らしも果たして続くのか。 もしかしたら、住民代表が思い描いていた生活の方が幸せだったのかもしれない。そんな事まで考えさせられた。 果たしてヒロインの判断が幸せだったのか?いや、彼女にとっては最悪の結末でもあったかも。 ただ、このテーマは描かれ過ぎている。たとえマンションという奇抜なアイデアでも展開には、もう一捻り欲しかったと思った。 目を見張るのは、やはりイ・ビョンホンの演技。見事でした。
広域2次避難の重要性
極限状態に置かれれば生き残るために人は何でもするだろうという摂理を描くために途方もない地殻変動を設定、普通、この手の災害は局地的なのに韓国どころか世界的災害と言い、援助、救済に駆けつける組織も国も一切無い。
2時間越えの長尺を人間の悲しい業を描くだけだから気が滅入るだけ、ちょっとは現実的な希望のかけらくらいは織り込んで欲しかったが、とことん破壊しつくすのもオム・テファ監督の世界観、自然災害ばかりかいつ火が付くか分からない北朝鮮との緊迫状態を抱える国のパニック映画、妙に真に迫って映りました。
東南海や首都直下がいつ起きてもおかしくない、富士山の噴火もしかりと騒がれる日本だからこそ、被害地に留まって耐えるのではなく、迅速な全国規模の広域二次避難計画を練っておいて欲しいと切望します。
本当の
極限状態になった時に果たして、他人にも平等に接することが出来るか…そして、それが出来ないことを間違いと言いきれるのか…そういうことを考えさせられた。 平常時なら他人に迷惑かけず優しく接することが出来ても、極限状態だとやはり家族を一番守りたいと殆んどの人が思うと思う。 困ったとき程助け合うと口で言うのは簡単だけど、実際は難しくなるのが極限状態…その時に本当の姿が現れるとしたら、自分を含め殆んどの人間は善人では無いのかもしれない…
倒れなかったアパートとサバイバル
巨大地震のあと、一棟だけ倒壊せずに残ったアパートでおこる危機と道徳の戯画絵巻。非常時の人の醜さに焦点が置かれてエゴが強調された話になっている。 ふつう一線主役級になるとかっこわるい役をやらなくなるものだがビョンホンは泥臭い役でも引き受けてしまう人だと思う。それだけが僕の世界(2018)や私たちのブルース(2022)を見たときもそれを思ったが、本作でも脛に傷を持ち、しっかりとかっこわるさを出していて「役者」だと思った。 他ではモラルがテーマゆえ善良そうな俳優がキャスティングされている。 イテウォンのパクソジュン、「力の強い女」パクボヨン、はちどりのパクジフ。三パクにくわえて韓国映画/ドラマに出てくる中年女性でいちばんよく見るキムソニョンがアパートの婦人会長を演じた。 imdb6.7、RottenTomatoes100%と75%。 トマトメーターが高すぎると思った。 批評家たちが褒めている部分で共有されているのは俳優の演技(とくにビョンホンの)とブラックユーモアとプロダクションデザイン。 人間の本性が露呈する、よくあるディザスタースリラーだとしつつもアンサンブルが上手で(極限状態での人間性を描く)逆転のトライアングル(2023)やハイ・ライズ(2015)や蝿の王(1991)と比較してもいい出来だった──としていた。 個人的にはトマトの批評家のようには感じなくて、映画ゆえの誇大表現は解るにしても「こんなひどいことにはならないでしょ」と思ってしまうところが多かった。 とはいえ災害時の自制心に自信があるわけではなく、家屋や家人を失ったという災害のニュースを目の当たりにするたびに、もしじぶんがそうなったらどうしよう──と考えることがよくある。 日本は地震大国なので映画のような事態がないとは限らない。おそらくそれはこの映画を率直に楽しめなかった理由でもあると思った。 先日ネットフリックスで見たマドンソク主演のBadland Hunters(2024)は本作の続編という位置づけになっているそうだが(どうりでどこかで見たようなアパートだと思ったが)むしろアクションコメディに徹したBadland Huntersのほうが個人的には楽しんだ。 そうは言っても悪くない映画だった。 住人がそれぞれのサイドストーリーを秘匿していること。また、周辺をサルベージしているあいだに人を殺戮してでも食料を奪うのが常態化していったり、非アパート民を匿っていた住人を処罰し、次第に狂信的な全体主義が敷かれていく行程がしっかり描かれていて、有り得るリアリティをもっていた。結局ボヨンの最後の台詞がこの映画を転結していて要するにたとえ普通の人たちであっても悪環境とストレスを与え続けることでどこまでも落ちていく──という話だった。 ただし集団において人の醜さが露呈する──という話ならば「今、私たちの学校は」や「Sweet Home -俺と世界の絶望-」あるいは「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」や「My Name」といったドラマで見られるように韓国のもっとも得意とする修羅場であるゆえに、コンクリートユートピアになんとなく既視感を覚えたのはBadland Huntersを先に見てしまったから──という理由だけではない気がした。 美しさが正しさとイコールになっている韓国映画らしく本作のパクボヨンとパクジフはシンパシーの集約係だった──こともありジフが酷いことになってしまうのは残念だった。
人間のエゴの末路
きっと同じ状況になったら、人はこうなるに違いない…パニックに陥った人間の描写がとてもリアルだった。 イ・ビョンホンは完全に正義100%の善良なリーダーだと観る前は思ってました!そうきたか… カラオケのシーンが印象的でした🎤
教訓を得られるものだったかな…
中々の内容だった… ちょうど1月に起きてる状況と重なるとこもあって色々と考えさせられた。 やっぱり、人は支え合って生きていかないといけないんだなと改めて学ばせてもらった🤔
死ぬまでを“生きる“→不条理劇
大災害により機能を全て失った世界。 ソウルにただ一つだけのアパートが残った。 外はマイナス26度の寒気で餓死者が山積みしてる状況。 そのアパート・・・ 多分10階建くらい。 住民2〜300人。 電気なし(エレベーター使用不可) 水無し、 国家無し(警察・消防・病院) インターネット無し。 食糧(個々の家の備蓄のみ) 救難が来ないとなると餓死するまで、一ヶ月か?二ヶ月? この映画はサバイバルして、どう生き抜くか? という映画では無い。 アパートの外にいる部外者を排斥するために、 リーダーを立てて、少ない食糧を分配して、 いかに規律正しく人間的に最後の日までを過ごすか? でもアパートの住民はそこをユートピアと錯覚している。 そこは外部と何一つ変わらぬ「ディストピア」なのだ。 死ぬまでを如何に人間的に生きるか? という映画。 902号室の住民に全財産を騙し取られたヨンタク(イ・ビョンホン)が、 どさくさに紛れて《902号の住民を殺して》 アパートの住民にに“成りすます“ そして一階の火災を大活躍して消し止めた実行力から、 リーダーに祭り上げられる。 ともかく住民は《希望》というものに縋りたかった。 このままでは、 《死ぬ》 それを先延ばししたかった。 残った人間の悪あがき!! 車も使えないから、 川のそばに移動して、住み、 多少は暖かくなるだろうから、 畑を耕し、 鶏を飼い育てて、 なんてのも駄目なのね。 無意味なのね!! 全ては砂塵と化したディストピア。 早く死ねた者が勝利者・・・ なのだという《不条理》 セットとか、荒廃したアパート群、 草木も水も暖気も何も無い、 希望がまったく見えない。 ディストピア感は良く出ていた。 《死を受け入れよう》 (ゾンビのようになって生き延びるより) このアパートは末期癌の患者ちたちの “ホスピス”なのだから・・・ それしか思い付かなかった。
バベルのアパート
高度経済成長期、団地住まいは庶民の憧れの的だった。三種の神器を揃え、近代的な暮らし。
時は流れ発展し、日本中あちこちにアパートやマンションが建ち並ぶ。統計によると、持ち家の方が理想のようだが、アパート/マンション暮らしも人気が高い。今その最たるは高級タワマンだろう。
映画でも団地やアパートやマンションを舞台/題材にした作品は結構多い。一つのジャンルになってるくらい。
そんな“集合住宅映画”が新たに一棟、韓国に建造。
平凡な人間ドラマだけではなく、時に『アタック・ザ・ブロック』や『団地』など風変わりな集合住宅もあるが、さすが韓国、こちらも例外に漏れず。
そのインパクトたるや、大天災が起きたって倒れない…?
突如、世界を襲った未曾有の大天災。韓国ソウルも壊滅。ただ一棟だけは…。
唯一倒壊しなかったファングン・アパート。どんな耐震構造…?!
難を逃れた住民たちは暮らしを続けるが、行き場を失った人々が大挙押し寄せ…。
開幕いきなりの大天災。一体、何が…?
原因については一切説明されず。まあ、それがメインのディザスター・ムービーではないので。
しかし、何が起こったのか分からない状況、大災害シーン、廃墟と化した光景など高クオリティーのCGを駆使し、ディザスター・パニックの醍醐味もそれとなく。
唯一無事なアパート。そりゃあ当然、誰もがそこに群がる。が、住民たちは…。
言うまでもないトラブル続出。不法侵入、盗み、放火、殺傷事件…。
このエグい人間模様、やっぱり韓国…と言ってられない。もし本当にこんな状況になったら、何処の国でも起こり得る。日本だって。
危機感を抱いた住民たちは、ルールや代表者を決めて、ここでの暮らし死守する事に。
が、韓国映画。それが“真っ当”に守られる事が無いのは明白。
アパートの住民以外は追い出す。出て行け! 頼ってきた親戚も例外ではない。
外と隔てるバリケード。
アパート住民は代表者の他に、それぞれ役割分担も分ける。防犯、物質探し、医療や保健。
限られた水・食料も配給制。徹底管理。
暮らしや皆を纏める代表者。選ばれたのは…
902号室に住む男、キム・ヨンタク。
これと言った取り柄もなく、誰…? 何してる人…?
誰も知らないような男だけど、放火が起きた時、果敢な消化行動が買われて。
アパート住民が平穏に暮らせる“ユートピア”を目指す。
イ・ビョンホンがスターオーラを一切消した地味で目立たぬ男の成りきりぶりは凄い…!
でも、彼がずっとそんな役でいる筈はない。
皆を率いるTHEリーダー!…否。
一人に権力が握られた時…。
その変貌ぶりこそ、イ・ビョンホンの実力の見せ所。
“ユートピア”を築くが、それはあくまでアパート住民だけに限って。部外者は追い出し、“ゴキブリ”呼ばわり。
住民の中に、外の人たちを匿う者も。徹底詮索。見つけた“ゴキブリ”は当然追い出し、匿った者には罰を。
何だかその光景が、ナチスドイツや『アンネの日記』を彷彿した。
アパート住民は外の人たちを“ゴキブリ”と呼ぶが、物質調達の為に外へ。
略奪。時には…。
社会の縮図のアパート。人や社会は必ずピラミッド型やヒエラルキーを造る。
その様は序盤は風刺やブラックユーモアあるが、次第に恐怖と狂気帯びてきて…。震撼せずにいられない。
イ・ビョンホン主演だが、602号室の若い夫婦、ミンソンとミョンファが実質主役。
何より妻や暮らしの為に。ヨンタクから防犯隊長を任され、彼に傾倒。“梨泰院”から越してきたパク・ソジュンが葛藤に挟まれる。
どんどん異常になっていく“ユートピア”暮らしに疑問。アパート住民のみならず他者を思いやる役柄とパク・ボヨンの魅力あってこそ、地獄の中のオアシス。
何かと仕切りたがる婦人会長、事無かれ主義、善意者は省かれ…韓国陰サスペンスは裏切らない。
偽りのユートピア。遂にそれが崩壊する時が…。
903号室の住人、ヘウォン。大天災時外におり、地獄を経験。奇跡的に生き延び、アパートに戻ってくる。
外も地獄だが、アパートも地獄。異常なルールと暮らしに嫌悪感を…。
だが何より驚いたのは、隣人。冴えなかった男が皆を統制する代表に…じゃない。だって、違う人…。
902号室の“キム・ヨンタク”。本名は“モ・セボム”。アパートの住民ではない。本物のヨンタクに金を騙し取られ、そのせいで暮らしに困り、妻子とぎくしゃく。902号に押し入り、本物のヨンタクと揉み合っている内に…。その時、天災が。何もかも失ったセボムはヨンタクに成り済まし…。
ご近所付き合いが希薄な昨今、集合住宅住まいも例外ではない。隣は何をする人ぞ?
よく知りもしない人を代表に祭り立てる皮肉。
選ばれ、支配者になっていく方も狂気だが、選んだ方も異常。
ミョンファとヘウォンの告発により素性がバレる。
“ゴキブリ”は追い出せ!…それが皮肉にも自分に。
俺がこの“ユートピア”を作った!
未だ彼に下る者、追い出そうとする者。アパート住民たちの中で衝突。ルールとユートピアの醜い末路…。
そこに、外の人たちがバリケードを壊し、一斉襲撃。
世界は壊滅した。いよいよこのアパートも。人のモラルすら崩壊…。
全く、人は愚か…。
そう言っている人物こそ愚かかもしれない。
もし、こんな状況になった時…。自分だったら…?
理性を保てるか。長いものに巻かれやしないか。異常さに断固として立ち向かえるか。
自信ない。
東日本大震災時、私も水や食料を買い込んだ一人だもの…。
大混乱の中、ヨンタクは負傷。家に帰って休む…と、902号室で息絶える。
人の醜悪な部分を見せつつ、犠牲者でもある。哀れさも…。
ミンソンも負傷。ミョンファと共にアパートを去り、外へ。
何もかも廃墟と化した外=地獄。“ゴキブリ”が蠢く。
ファングン・アパートは高級アパートではなく、ごくありふれたアパートであった。故に周りの高級アパートやマンションから見下され…。
あの大天災で周りが全て倒壊し、立場逆転。見下していた連中を自分たちが“ゴキブリ”と呼ぶ。何だか格差の虚しさを感じる…。
傷は深く、ミンソンは…。彼も不憫な犠牲者だ。
たった一人残されたミョンファ。
そんな彼女を助けたのは…。地獄とゴキブリの中にも。
地獄で蠢いていたゴキブリは、自分たちの方だったのだ。
そんな彼らも“普通の人”だった。
エゴ、欲、権力…。人は一変する。
踏み留まり、それに気付いた者は、救われる。
取り残された人々の選択は
うーん。伝えたいことは分かるんだけどなあ。
ただ物語として必要な部分を端折り過ぎのように感じた。
世界が未曾有の震災にあった社会という前提を、誰も助けに来ないっていう人伝ての噂だけで表現するのには、ちょっと情報が少なすぎるんじゃないのかな。
あとリーダーとなる男をマンション住民が誰も知らないってことがキーになるのだがソウルの集合住宅(マンション)といえど、それほどまでに人との繋がりが希薄になっているのだろうか?東京の高層マンションなら有り得そうだけど。
この物語を人間の善悪を問う物語としたかったのなら、リーダーに余分なものを付けずそのまま住民で良かったんじゃないのかな。
地震よりも怖いかもしれない、その後。
こんな普通のマンションが生き残った。地盤が硬かったのか…? せっかく生き残っても、そのあとの人間社会がエゴ剥き出しになっちゃって、その中で戦わなきゃ、生き延びられない。 人間てこんなんだったったっけ。 たしかに、そんな一面もあるが… 「奪い合えば足らぬ 分け合えば余る」の具体例を見た気がします。
善悪で片付けられない
2024年映画館鑑賞7作目。 冒頭から、理解不能な地盤隆起と建物の倒壊が波のように襲ってくる。初めて観る映像でしばらくあっけにとられた。 そして不思議と一棟だけ無事だった高層アパートの住民達の過酷なサバイバルの日々が始まる。集団で生き残るには住民の組織化と助け合いが必要(人間の本能)。選ばれた代表は住民からの支持を獲得し、次第に「力」を得ていく。 文明が発達する前の人類のコミュニティ構築の過程もおおよそこんな感じだったのかも、と観ていると、徐々に追い詰めらた住民と代表が狂気に走り始める。 代表ヨンタクは悪人だったのか、ミンソンは間違っていたのか、正しかったのはミョンファか?一見、ミョンファは極限状態でも人間らしさを保つ好人物のように見えるが、その正義感に基づく行動で少女や外部の人間をかくまう男を死に追いやってしまう。 ミョンファの「皆、普通の人たちでした」という台詞と、ヨンタクが死の間際に見つめた家族写真が印象的なシーンだった。 極限状態に陥ったとき、人はどうなるのか、考えさせられる怖い映画である。
内部のドロドロを期待したらそこは薄かった
韓国の面白そうな映画きたああ!!!と思い、早速鑑賞してきました。大災害が起きて一つ無事に残ったマンションを皮切りにディストピア空間でのカーストが築かれていく、、、、もうこんなん設定の時点で面白すぎやん!!!っていう韓国エンタメ界の発想力には感嘆するばかりです。
日本人からすると少し分かりづらい部分ではありますが、日本より遥かにマンション集合住宅文化の韓国からすると、マンション同士でのカーストだったりそういうのもまた有るんだろうなあと思いながら観ていると面白い発見が有ります。
例えば、そもそもイ・ビョンホンがリーダーに選ばれたのも火災時の功績にプラスして最上階の住人であったという部分もその他の住人からの異論が出なかった要因の一つだと思われます。殺人を犯してまでやっと手に入れた最上階のマイホーム。しかしそれは余所者として手に入れた虚構で諸刃の剣だった。彼が最上階の住人だったからこそ、その他の住人にあまり顔が知られていなかったという裏設定もあるのかもしれません(普段お目にかかれない上級国民的な)。そんな彼が1階の最下層の住人を必死に救った。これが住人達の心にかなり響いていたとかそれは考えすぎでしょうか?(笑)
そんな感じでイ・ビョンホン率いるマンション内にユートピアが築かれていく様がテンポよく描かれていくこの辺は韓国作品お得意の描写スピードで期待通りの出来でした。
しかし一方で韓国作品特有の終盤の尻すぼみもやっぱり否めなくて、もっと内部でのイザコザだとかそういう内部崩壊メインを期待していたのですが、意外と外部からの接敵がメインで籠城戦みたいな方向性で話が進みます。
外の世界もまあまあ生存者が居て、そっちでのサバイバル的な展開もあるのですが映画という尺でやるには足りないような感じもして、やっぱりマンションメインで展開してほしかった気も。
そしてこちらも韓国作品特有の無責任女が何かを解決した気になって散々和を乱した挙げ句なんか助かって主人公交代みたいな感じになるっていうう~~んあの状況でイ・ビョンホンの正体無理に明かさなくても良いだろっていうツッコミどころがね。。。。
結局イ・ビョンホンも完全に死んだ感じでは無かったので続編に期待ですが、そもそも一つのマンションの中でもドロドロみたいな土台はもう崩れちゃっているので続編もどうなることやらです。
これはドラマでやるべきだったかな。。。。
公開時期が…
新年早々に観る内容の映画ちゃうのは重々承知やけどすぐ終わってしまいそうやから観に行った。 普通の人だったんですっていう言葉が悲しい。自分もあのアパートの人の立場やったら、周りに流されてきっとよそ者は排除したほうがよいって主張してたやろうな。分け与えるって本当に難しいと思う。自分の心に余裕がないとできないことやよね。ヒロインは人間ができていると思う。 韓国の俳優はみな演技が上手だなあ。
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