「頑張って楽しんで下さい。旭陽さん❤」春の画 SHUNGA マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
頑張って楽しんで下さい。旭陽さん❤
旭陽さんと言う画家と鹿児島市立美術館でお会いして話をする事が出来た。彼女の方から話しかけてくれた。突然話しかけてくれたので、返す言葉がみつからず「何処かで見た事がある」と言う大変失礼な事を言ってしまった。しかも、誰に似ているかも思い出せないで。そんな一期一会になってしまった。それで偶然この映画を見て、思い出したのだ。
日野日出志先生だった。
日野日出志先生は春画の様な男女の交わりを書く画家ではないが、所謂、ホラー漫画家として知られている。ただグロいだけでなく、オタク的な恐怖を描く画家さんだと僕は思っている。若い頃、日野日出志さんの漫画「蔵六の奇病」と神田の古本屋で出合いトラウマになる様な思いをしたものだ。グロい話が多いのだが、深層心理を深くえぐるカフカの「変身」を感じた。
旭陽さんはその日野日出志先生に似ているのだ。
この映画のテーマである春画も、エロとしてだけで終わらない事を語っている。
まぁ、それだけでない。春画を代表する浮世絵の総合芸術としての凄さを語っている。絵師、彫り師、摺り師の総合芸術だと理解出来た。ヤン・ファン・エイクの様な細密な総合芸術が春画なんだからね。
日本の中世は明治維新後の日本よりもある意味良かったのかなぁ。
この映画の結論が共感出来る。
「春画が好きだけど、嫌いでもある」と語る。それが結論だと思う。なにしろ、「まぐあい」は避妊なんてしていなかったのだろうから。女性からしてみれば、快樂だけでは収まらない。つまり、女性がエクスタシーを感じているから、女の地位が高かったわけではない。それがこの映画の結論。
旭陽さん。大変失礼しました。断りなく、SNSに載せてしまいました。
鉛筆で丁寧に描く細密なエロを目指して見てはどうでしょうか。僕は才能を感じます。
頑張って楽しんで下さい。
一期一会でなく、何処かでまたお会いしたいものです。