極限境界線 救出までの18日間のレビュー・感想・評価
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日本との違いを考えながら観るのも面白い
タリバンの人質となってしまった国民を救出しようとするって、人ごととは言えないお話。人質が23人もいるなんて日本では経験がないことだけど。
韓国から来た外交官と海外での人質事件に携わったことのある情報員が協力していくって展開はなかなか熱い。救出のために一丸となるってわけにもいかず、役人のメンツや建前みたいなものも邪魔してくる。
日本の人質事件でもこんなやりとりがあったんだろうか、なんて思いながら観ていたのだが、さすがに最後の作戦が成立するのは日本ではありえないだろう。あそこまでトップダウンで意志決定はできないから。あの小さなテーブルで最後に繰り広げられたやりとりは、とても緊張感があって、クライマックスにふさわしかった。
全体的にはやや地味な映画であることは間違いない。バイクを使ったカーチェイスとかもあることにあったけど。でも、大きな不満はない。あの緊迫感と男の友情あれば十分面白いってことだ。
ただ、冒頭からずーーっと引っかかってしまって乗り切れなかったことがある。それは、人質たちのアフガニスタン渡航目的。あの時期のアフガニスタンに宣教で行こうなんて自分勝手すぎるだろ。ここらへんは事実のようだから仕方ないところだけど、納得はいかない。で、少し調べてみたら、事件が発生してからの経過は基本映画の通りじゃないか。それをここまでのエンタメ作品にしたんだな。うーーむ、それもすごい。
ラストまで緊張感たっぷり
初めての韓国映画という事でキャストの方々も全然知らないのですが、主演のお二人は有名な方々のようでした
韓国の23人が人質となり、そこから交渉が始まってずっと緊張感が続きます
これでやっと解放されると思ったらうまくいかずの連発でどうなるのかとさらに緊張感が増してました
人質の解放が一番重要とは思うのですが、その国それぞれの優先順位があり、そこに歯がゆさを感じます
でもやっぱり人質の解放がどの国にとっても自国民じゃなくても一番優先される事と思うのですが
それにしてもあのテレビ局、ほんと人として最低でした
人質救出にはずっと交渉だから派手なアクションシーンはないのですが、それでも自分の命よりどうにかして解放されるよう交渉するストーリーは観応えありました
日本人で同じような事があった時、日本はこんなふうに命懸けで助けようとしてくれるのかと、こういう人質救出の映画を観る度に思います
「誠に遺憾です」しか言わない政府でないと良いです
初めての韓国映画に満足ですが、コミカルなキャラなしでずっと緊張感のあるシリアス一辺倒の方が私には良かったです
どこまでエンタメ化したんだろ。
使命
もう少し踏み込んだ描写が欲しかったが、今週のおすすめ以上。
今年361本目(合計1,011本目/今月(2023年10月度)26本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
「カンダハル」という語はこちらの映画でも実は登場します。今週はカンダハル(人口65万人程度)祭りなのでしょうか…。
最初に「実際にあった出来事をモチーフにしているがあくまでもフィクション」ということは強調されます。この点、この映画が描く対象がどうしてもセンシティブな部分がある点からきているものと思います。
結局「実際にあった出来事」をテーマにしているため(あるいは史実も参照にしているため)あることないこと描くことはできず、一種のドキュメンタリー映画的な要素も少しですがあります(お笑いシーンといったものはほぼほぼないです)。また、映画だけを表面的に見ると、「韓国の軍隊(自衛隊)はすごいんですよ」みたいな自国を自慢するような展開にも見えますが、確かにその点は「一部において」感じられるものの、韓国側の立場、タリバン側の立場ともにほぼ半々に描かれており、一方的に「タリバン=悪」やもっと悪い「イスラム教=悪」といった描き方になっていない点に好感が持てました。
ただ一方で、多くの方が気にされるであろう点について、やはり法律系資格持ちはやはり気にする点があるわけであり、この点はそこに関する描写や説明を入れてほしかったです。
採点は以下を気にしたもの(主に憲法論)ですが、0.3か0.2か迷って0.3の切り下げ4.5という扱いですが、4.5か5.0かというのはあまり大きなところではありません(というか、0.1単位で評価できるようにしてほしいです…)。
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(減点0.3/被害者たちが「この時期に」現地にいっていたことについての考察論)
まず、この映画で冒頭に描かれる「特定の宗教」は実際に存在する宗教で、日本でもみられますが、韓国のほうがもっと多く見られます(韓国映画では気が付かずに登場しているケースすらある)。
一方で日本の憲法でいえば、信教の自由(20条)や国外移動の自由(22条の2)が該当するように、「どんなに危険な場所であろうと」憲法で保障されたことを否定することはできず、その2つは韓国憲法においても明記されているものです(韓国憲法14条、20条)。
つまり、「憲法が最高法規である国」においては、いかにある地域が危険だと認識されていても、その憲法が定める諸権利を果たすために行動すること「それ自体」を妨げることは誰にもできず(「行かないで」とお願いすることはできるが、実際に実力をもって制限すると問題になる)、「最高法規を守ること」と「危険な国に行かないことで、ひいては国家に迷惑をかけないようにする」という2つがクロスする論点がこの映画にあります。この「国家に迷惑をかけないようにする」も抽象的で、実際に「正当な理由もなく働きもせずすぐに生活保護を求める」といった積極的なケースや、本映画のように「積極的なものと消極的なものの折衷的なもの」、さらに実例はちょっと思いつきませんが「消極的に迷惑をかける」類型の3類型あるところ、「国民は自国に協力しなければならない」などという規定はどこにもないので(日韓とも)、特に「折衷的ケース」や「消極的ケース」において、「憲法で定められた自由」と「そこにはいかないで」のどちらを優先するか、という一種の憲法論について、ある程度掘り下げた考察が欲しかったです。
※ 日本においては、信教の自由(20)は最大限に守られ、よほどのことがない限りこれが侵されることがありませんし(宗教法人法の解散は関連はするが、別の話)、海外旅行の自由の制限も、数例しか判例がなく(しかもソ連があったころの冷戦時代の判例なので、今どれだけ通用するのか怪しいものもある)、日本は「できるだけいっては欲しくはないけど、でも憲法論の考え方で考えれば行くといわれたら止められません」という考え方に基本的には立ちます(戦後間もないころの判例の一部を除く)。
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バカじゃねーの?
考えさせられるけど?
この作品は、2017年のタリバン韓国人人質事件をベースに制作された作品だが、
まだまだタリバンは健在だし、今はイスラエルパレスチナ問題がメインニュースに
なっている中、今ホットな作品。色々と考えさせられた。
ヒョンビン、ファン・ジョンミンの演技はさすが。
しかし、脚本、ストーリー構成はもう少し練ってほしかった。特に、最初のシーンは。
ファンジョンミン、ヒョンビンは認めても、もう一押しが欲しい作品。
酷い緊張感と拭えないやるせなさ
安定の面白さ
テーマは重いけどエンタメ感満載
実話に基づいたストーリー。
わざわざ捕まりに行ったような人質に見えても同じ命。命がけで助けようとするも、何度も問題の波を乗り越えたと思わせては失敗に終わり、ずっと気が抜けないままラストまで緊張感は続く。
これはヒョンビン氏のファンは覚悟して観た方が良い。カッコ良すぎて胸がギューンなったわっ!!
テーマが重いけど、どうやって助けるかの頭脳と体力戦でずっとハラハラドキドキが続くエンタメ感が満載。
特に後半の車のシーンは凄かった!
実際に起こった事件ということを念頭に置いてみると、よく彼らはあの状況を生き抜いたなと思う。
外交官のお仕事についてももっと気取ったものだと思ってたけど、かなり大変なものなんだなということもお勉強できたわ。
面白かったです。
アフタートークにて、監督はこの渡航禁止地区にわざわざ出向いて捕まった人質という点で、助けなければいけないと皆んなが思う人質ではないことを、どんな風に描くか悩んだそう。
以下、監督のお話の素人まとめ。
「映画化の提案を受けた時、テーマが難しかったから、商業的に(大衆に)うけるかどうか迷った。
他の作品なら人質を助けることを観客も応援するけど、この作品は行ってはいけない所に行くので不安だった。監督自身も最初は行ってはいけない国に行くというのはどういうことかと思ったけど、どんな出来の悪い子でも家に連れて帰って叱る、だからこの人たちも帰るべきと思った。」
これを聞いて、とても愛がある人だなあと思った。
また、「どこまでも事実から着想を得るのかというのはとても難しい作業。二人の主役は笑えるキャラではないので、カシムで面白くした。
シナリオを修正するのがむずかしかった。
キリスト教の問題を集中して取り上げないようにした。みんな宗教の問題に話題が集中するといけないから。」とも仰ってました。
二人のキャラクターにモデルはいたかという質問に対しては、
「この事件の外交官の人にも会えなかったし、あくまでもキャラとして、ヒョンビン氏の役はは論理的に、ファン・ジョンミン氏はワイルドで直感的にと相反するキャラクターとして描きたかった。」とのことでした。
以上、アフタートークで私が心に残ったレポでした。
スケールでかい
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