「タネと仕掛け、いくつ発見できるかが面白い」銀河 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
タネと仕掛け、いくつ発見できるかが面白い
予備知識なしでたまたまテレビで観た本作。
タネと仕掛けの連続だけで構成されていることに気づいて「ええッ?」と声が出てしまった。あとはまばたきする暇さえない102分。
聖書とキリスト教界をニヒリスティックにえぐる意欲作。
サンチアゴまでの巡礼の道々に、2000年の聖書の世界を縦横に重ねて辿るロードムービーである。
監督の鬼才ルイス・ブニュエルは”異端”のレッテルに抗していたとのことだが、確かにこの映画を撮った彼の動機は教界外部からのパロディとしての揶揄嘲笑ではなく自分の内なる信仰に対しての真摯なる見つめ直し・問い直しを目的と見ることのできる極めて真面目な作品と思えた。
自分としては「ではお前はどう生きるつもりなのだ?」とスタンガンの電撃ショック。エピソードごとに自らが問われる体験だった。
この様々なエピソードに下敷きとなったそれぞれの聖書の出展を言い当てるビーベルクンデの訓練、あるいはゲームとしてその家の者たちに楽しんでもらえる内容だと思う。
DVD購入。
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