「AKBファンならどうぞ」ガールズドライブ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
AKBファンならどうぞ
ノーマーク作品でしたが、観たい作品の前に時間があったので鑑賞してきました。事前情報ゼロだったため、アイドル映画とは知らず、ちよっと気恥ずかしかったです。しかし、公開初日にもかかわらず観客は私一人で、周囲を気にすることなく、スクリーンを独占できたので、結果オーライです。
ストーリーは、陸上競技に青春の全てを捧げてきたものの、最後の大会で失格となり、その悩みを打ち明けたラジオ番組で笑いものにされてさらに傷ついた高校生・小春が、やはり悩みを抱えている同級生の由佳と玲奈、運転免許を取って一人旅に出ようとする歩美を巻き込み、ラジオパーソナリティに復讐しようと4人で東京を目指すというもの。
日頃の生活に不満や息苦しさを感じた女子高生たちが、何かを求めて東京をめざすというノリは悪くないです。女子高生らしい軽いノリと高めのテンションで旅する姿は、なんとも微笑ましいかぎりです。当初の旅の目的は本当にしょうもないものですが、青春を謳歌している彼女たちにとって、目的なんかどうでもよく、その行為自体を楽しんでいるのでしょう。
ただ、そんな感じなので、ロードムービーの形をとってはいるのですが、道中の出来事があまり登場人物たちに作用しているように見えなかったのはちょっと残念です。また、演技もそこまでダメではないのですが、演出があまりにも小恥ずかしくて萎えます。オーバーアクションやわざとらしいノリが鼻につき、一人ずつ前に出て大声で叫ぶシーンに至っては、もはや昔懐かしい学芸会です。もっと普通に撮ってあげれば、彼女たちの演技でもそれなりの絵が撮れたのではないかと残念な気持ちになります。他にも、開幕早々のまったく陸上大会を感じさせないユニフォームやカット、ロードムービーなのにハンドルが微動だにしない運転演技など、映像も粗ばかりが気になってしまいました。
というわけで、いたたまれないような心持ちでスクリーンを見つめていたのですが、終盤はちょっとだけよかったです。久々に星2点評価にしようかと思いましたが、エンドロール後のおまけ映像でもちょっと持ち直しました。BTTFオマージュのCGはショボショボですが、この伏線回収はおもしろかったです。
女子高生4人を演じるのは、小栗有以さん、山内瑞葵さん、倉野尾成美さん、山﨑空さんらで、全員AKB48メンバーらしいです。脇を固めるのは、吉田ウーロン太さん、鈴木Q太郎さん、小手伸也さんら。あの流れなら、Q太郎さんは絶対に例の髪型で「卑弥呼様ー!」って叫んでくれると思ったのに、なくて残念。