「困ってる人を見かけると海外にまで行き残忍にイコライズしてくれるMr.2C &2Lの話(PG15)」イコライザー THE FINAL カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
困ってる人を見かけると海外にまで行き残忍にイコライズしてくれるMr.2C &2Lの話(PG15)
自らの油断によりミスを犯し自死を試みるも弾切れのため不本意にも生き続けてしまうというくだりは、さながらサッカーの釜本が机に足をぶつけた事で現役引退を決意したのと同じように、その道を極めた者にしかわからない崇高で気高いプライドを感じさせる印象的なシーンで冒頭から心を鷲掴みにされた・・・が、その後の流れがどうにも・・・。
ロシアンマフィア、CIAと来て最後?の敵はシチリアンマフィアだが、所詮街のゴロツキの寄せ集めで訓練を受けたプロフェッショナルではない分ミスマッチが酷く、ラスボス含めマッコールが余裕でボコってしまう。
ダコタ・ファニング演じるCIAのコリンズ捜査官は最後にその出自が明かされるものの、ストーリー自体には大きく関わる事がなく、THE FINALと言う事以外にその存在の意味をあまり感じることはなかった。
マッコールの今回のイコライズのきっかけが驚くほど関係性の薄い他人のためであり、そのためにCIAも特定しきれなかった犯罪組織を見つけだし、ボストンからシチリー島まで飛んでくるほどなのだが、レストランで警官を痛めつけるマフィアの弟に他所でやってくれと言うのは流石に矛盾が酷く、どんなメンタリティなのかと問いたくなった。
シリーズを通してマッコールは特に隠密に行動する事もなく、また人目を憚る事もなく堂々と相手を抹殺しまくるのだが、周囲の口が異常に固いのか、目撃者が少数なためなのかはわからないが、その後も姿をくらますこともなく同じ土地に居続け、本作でも何事も無かったようにお祭りに参加して終わる。
傷が癒えるまでリハビリで長い階段を登って行く姿を見ると、やはりこれが最後なのかと思い一抹の寂しさは感じるものの、アクションに関してはある程度のリアリティが求められるシリーズだと思うし、本作のテーマの一つである「老いによる引き際」を考えると相応しい最終回なのかなと思い納得する事にする。
ありがとうロバート・マッコール!