「海上封鎖は最善策だったと思う」13デイズ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
海上封鎖は最善策だったと思う
海上封鎖かキューバ侵攻かを選択する場面において、ケネディ大統領が前者を選択したのは、当時においては最善策だったと思う。アメリカの軍部は核戦争により何千万人もの米国民が死ぬリスクを承知の上で、キューバ侵攻を支持した。それは、作中における軍部の発言を踏まえても、ソ連に対抗するには力でねじ伏せるしかないと考えてのことだろう。
しかし、そもそも戦争に何千万人もの命を賭ける価値は到底無い。国民の生活を守るための戦争で、かえって絶望的な数の人間が死ぬのは馬鹿げている。その点海上封鎖はバランスの取れた選択肢だと思う。口先だけではなく戦艦を用いてソ連を牽制しつつも、交渉によって平和的な解決を模索することができる。海上封鎖を選択したケネディ大統領らの長期的な目線が、一触即発の事態を回避に導いた。そういった当時の様子を、緊張感あるストーリーとして鑑賞できる大作。
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