コート・スティーリング : 特集
新年早々、むっちゃくちゃな“爽快カオス”を食らって
脳汁ドッバドバ!それでいて超一級!最高の2026年を
迎えたくないですか?猫を預かったらイカれたマフィア
にカチコミされて人生詰んだんだが…【からの大逆転!?】

年末年始で緩んだ心と体を一気に“覚醒”させる、とんでもねぇ映画がやってきました。
それが「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」の鬼才ダーレン・アロノフスキー監督と、「エルヴィス」のオースティン・バトラーのタッグ作「コート・スティーリング」(2026年1月9日公開)。

とてつもない量の“ハチャメチャ”が押し寄せてきて、異常濃度は秒単位で急上昇! 気づいたらアドレナリンの分泌を制御する“栓”が決壊していて――あぁぁぁぁ、本当にどうにかなっちまいそうだ!!!!
鑑賞後は語彙力が喪失、それでいてアカデミー賞常連のアロノフスキー節が効いたハイクオリティな“強刺激映画”――爆散した言葉を必死にかき集めてたので「何が“最高”だったのか」を伝えさせて!!!!!
【予告編】マフィアもネコも、バッチこい。
野球において「盗塁失敗」を意味する用語。または、チャンスを掴もうとして失敗すること。
●筆者紹介

[最高に“感情がむちゃくちゃ”]
新年早々、心がまったく休まりませんぞ?でも、それが快感…アクション&ミステリーも大盤振る舞い、2026年のブーストをかける超絶怒涛エンタメ!!

なぜかって? どれほどかって? たとえば年が明けて初めて会う人に「あけましておめでとう!」という前に「おい『コート・スティーリング』を見てくれ!!!!――あ、あけおめ!!!!」ってなっちゃうレベル! それくらい、個人的に激烈にハマってしまいまして!
高速回転するミキサーに“心”をぶっ込まれたかのように感情が忙しくなく乱高下するだけでなく、見た目にも楽しいアクションや、グイグイ引っ張られるミステリー要素も入ってくるので“エンタメ”としても◎。

辛口批評サイト「Rotten Tomatoes」では優良作品の証でもある“フレッシュ”の称号も獲得していますし、試写会でも絶賛の声が続々。
「ガチでおもしろくて、ネタバレを踏まず何も知らずに見てほしいのだが『お前なんてものを見せてくれるんだよ!』と言われる可能性もある映画」
……って“最高の誉め言葉”。「劇場版グランド・セフト・オート」なんて意見もあって、首がもげるほど頷きました!!!!
[最高に“予測不能”]
猫預かっただけでマフィアに半殺し、警察からも圧かけられて――え、これどうなるの?→え!?!?こうなるの??? 脚本のツイスト具合が半端ねぇな

じゃあどんな物語かというとですね、主人公はメジャーリーグの有望株でありながら夢を絶たれた若者ハンク(演:オースティン・バトラー)です。で、そんな男が再び野球で再起を図る――のではなく、隣人から猫を預かります。そこからどうなるかというと――
彼を狙うのは狂犬みたいなロシア人マフィア、無慈悲なプエルトリコ人マフィア、さらに標的は即殺のユダヤ人マフィア。理由不明の四面楚歌状態に急遽突入。しかもNY市警に相談しても「お前がなにかやったんじゃないの?」状態で取り合ってくれない……もう同情するっきゃない。

こうなったら“自分”でどうにかするしかないわけですが、被害は周囲にも広がって――ここからどうなると思います? ちなみに「嘘やろ、そうなるんか?」といった超展開が大得意なアロノフスキー監督の作品ですから……先に言っておくと、
[最高に“尖ってる”]
「トレスポ」「ブレット・トレイン」「ワンバト」にハマった“あなた”は映画館へ猛ダッシュ! 絶対に「コート・スティーリング」も大好きになるから!

本作は“誰でも楽しめる”エンタメ作品!!……なんですが、
たとえば「トレインスポッティング」や「スナッチ」「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」が好きな方には猛烈におすすめ!
シリアスとコメディの絶妙な融合、二転三転…に留まらず何十転もしちゃうような驚愕展開など、これらの作品ばりに強烈ですし、近作であれば、主人公がカオスな状況に巻き込まれていく「ブレット・トレイン」「ワン・バトル・アフター・アナザー」などに興奮した人は、絶対に楽しめるはず!

写真:Album/アフロ
で、これらの映画の共通点ってなんだと思います?――正解は「音楽がイケてる」。
「コート・スティーリング」はその点も抜かり無し! セミソニックなどの“90年代バンド”からデヴィッド・ボウイやマドンナなどの楽曲が物語を盛り立てていますし、なによりテーマ曲を書き下ろしているバンド・IDLESのパンクサウンドが最高……!!!!
[最高に“ビジュアルがクール&キュート”]
とりあえず画像を見てくださいよ。これだけ期待値がぐんぐん上昇する感覚アリ あと大切なことをお伝えします――猫が可愛い、可愛すぎるんだ
良い映画は、画像を見ただけでも“わかる”んですよね。
はい、見て、まずは見て!

ハンクの隣にいるのは、騒動の“元凶”となっている変わり者の隣人ラス(左/演:マット・スミス)。「俺はパンク」を全身で体現していますが、いや、強烈すぎるやろ、このビジュアル……。こんな“ヤバさが全身から放出されている”奴らがわんさか出ますから、この映画。

キャラだけじゃなくて“背景”にも注目!街中の“落書き”からも滲み出る90年代NYの雰囲気。各シーンの美術もこだわり抜いていて、これがマジで“おしゃれ”!!

ちょっと趣向を変えまして、ハンク&恋人・イヴォンヌ(演:ゾーイ・クラビッツ)のカップルビジュアルをご堪能あれ。いやいやいや、尊いが過ぎるやろ。で、映画を見た後にも、この画像を再チェックして。しっかりと情緒が狂いますからね。

最後の画像は、スクリーンに映っただけで思わず目尻が下がっちゃう“猫”のバド。演じたトニック・ザ・キャットは90%の撮影を1匹で乗り切った“タフ猫”!しかも「ワンテイクごとにおやつを要求された」(アロノフスキー監督談)というエピソードもあって、いやぁ、もう本当に――
[最高に“ユニークなストーリーテリング”]ハンクが挑むのは最悪で最大のチャンスとなる“最終打席”。一発逆転?それともゲームセット? これはもしかしたら人生をかけた“最終試合”なのかも

本作をじっくりと見ていると、そんなことを思うかも!
野球って「アウト」の積み重ねで試合が“終わり”に向かって進んでいくんですが、本作にもありとあらゆる「アウトな展開」がハンクを待ち受けています。でもって、幾度も「アウト」を突きつけられながらも、何度だって“人生の打席”に立ち続け、どん底から這い上がるための“得点”を目指していきます。

やがてハンクが辿り着くのは「9回裏ツーアウトの最終打席」のような究極の場面。値千金の大逆転ホームランか、それとも……。最後まで“試合の行方”がわからないのでヒヤヒヤが止まりませんし、他にも“野球”を感じる要素があって……ここから先は劇場でチェックして!
[最高に“伏線がハマっていく”]
物語は“とんでもないプレイ”で幕開け――!ピストル型のライター、クッキーの色……すべての要素が“衝撃の展開”のヒントに!!

だって、油断していたら“見逃してしまう”伏線が張り巡らされているから。
たとえば、本作の冒頭は、とある野球の試合のサヨナラホームスチール(走者が本塁へ盗塁して“試合が決着”すること)から始まります。通常はなかなかお目にかかれないミラクルプレイ……なんですが、全編見終わると、しっかりとメタファーとしての機能していたことがわかるはず。
ほかにも、ハンクの恋人・イヴォンヌが使っているピストル型のライター、そしてある人の好物である独特なカラーのクッキーも詳しくは言いませんが、脳裏に焼きつけて。
ネタバレになるのでしゃべり過ぎは禁物……でも物語は予測不能で収拾不能!――でも、改めて見直すと「え!?!? こんなに伏線があったのかよ!」とびっくりしちゃうはず!
[最高に“胸アツ&切ない”]
ハンクは過去・現在・未来から“逃げ続けていた”――ボロッボロになりながらも“今の自分”と決別していくさまが超絶アツくて、とんでもなく切ないんだ

幸せをむしりとられ、安寧の場所も奪われ、命さえもギリッギリ……。
ボロッボロになっていくハンクですが、物語が進むにつれて、彼の“パーソナル”な部分が見えてきます。それが「過去も現在も、さらには未来にさえ向き合ってこなかった人物」であること。なんなら、このバッドな部分が“厄災”を招いたように見えてくるんですよね。
だからこそ、そんな男が“今の自分”と決別するさまが
そして、犠牲を払いながら“新たな自分”へと猛進していくさまが、
ちなみに、アロノフスキー作品といえば、個人的に「ラストの締め方」がクール。今回も“とある仕掛け”を施しながら、言葉ではなく行動で“物語る”んですが、これが震えるほど良くて……最後の最後までスクリーンから絶対に目を離さないで!

新年にふさわしい“ハチャメチャ”がフルスペックされている「コート・スティーリング」。実際に鑑賞してみると、上述の内容以上に“とんでもないこと”が起こりまくります。
だから、あなたも映画館で――
―――あ、大切なことを伝え忘れていました。最後に一言だけ。
ご安心ください。猫は無事です。






