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初恋 : 特集

2020年2月17日更新

どうやら、とにかく“ヤバい映画”らしい…全てが常軌を逸し、狂おしいほど
ぶっ飛んだこの邦画に世界熱狂!なぜ?→実際に見たら本当にすごかった…

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世界が熱狂する邦画がある。窪田正孝が主演した「初恋」だ。各国の映画祭で絶賛評を浴び、アメリカでも封切られ好評を博した本作が、ついに“逆輸入”され2月28日に日本公開を迎える。

聞こえてくる評判は「とにかくヤバい映画」。想像を掻き立ててくるな……。大ヒットを飛ばした「ジョーカー」において、「とにかくすごい」「とにかく暗い」という感想を聞いて、猛烈に鑑賞したくなったことをよく覚えている。本作においても、それと同じ感覚が全身を駆け巡った。

そして海外だけでなく、日本でも試写で鑑賞した人々の間では「マジですごかった」というアツい声が駆けめぐっている。本特集では、本作がどのような評価を得ているのか、そして実際に鑑賞してみたらどうなったのか、を紹介していこう。


【予告編】最期に出会った最初の恋 喜怒哀楽すべてが詰まった濃密な一夜――

どうやら、“本当にヤバい”邦画が爆誕したらしい
世界中のメディアが絶賛&興奮「常軌を逸したエンタメ」「ぶっ飛んでる」

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繰り返しになるが、本作には「ヤバい」「狂っている」という声が雨あられと寄せられている。海外メディアも辛口批評サイトも、その魅力にゾッコンだ。


[すごい高評価①]この邦画に世界が熱狂 驚きのコメント続々!

カンヌ国際映画祭監督週間、トロント国際映画祭など、現在までに30以上の映画祭に招待され、観客を圧倒し続けた。さらに日本での封切りを前に、全米で先行公開(邦画では非常に稀)されており、いずれも特大のインパクトを残している。

英映画雑誌「スクリーンデイリー」は、「絶え間なく続く常軌を逸したエンタテインメント! 爽快だ!!」と激賞。米バラエティは「ブッ飛んでる」と感嘆しきりで、各メディアが激烈に褒めちぎっている。

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[すごい高評価②]辛口批評サイト「Rotten tomatoes」で97%フレッシュ!

辛口で知られる「Rotten tomatoes」でも「初恋」は景気のいい数字をたたき出している。トマトメーター(批評家による評価)は、なんと97%フレッシュ(2020年2月14日現在)。「19年のベスト映画のひとつ」「混沌がひどく面白い。『キル・ビル』ミーツ『ベイビー・ドライバー』という感じ」「脳がとろける」などの声が上がっている。

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[なぜ絶賛の嵐?]どうして映画人たちは狂喜している?

なぜ、ここまで称賛されているのか? 映画.com編集者(30代男性)が完成披露試写会に参加し、その内容を確かめてきた。

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【確かめてみた】実際に鑑賞したら…
役者、映像、物語、すべてが“常軌を逸した面白さ”だった――!

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ここからはちょっとした体験記だ。

19年10月中旬、小雨が降る新宿駅に降り立った。ゴールデン街の「すごい煮干ラーメン凪」で早めの夕食を済ませ(店内は中国人観光客で溢れていた)、試写会に参加するべく歌舞伎町へ向かう。

午後6時30分、TOHOシネマズ新宿の座席につくと場内が暗転。岩礁を削らんばかりの勢いで打ちつける荒波を背景に、東映のロゴマークが浮かび上がる。めくるめく115分の幕開けだった。

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物語の筋はこうだ。余命宣告を受けた天才ボクサー・葛城レオ(窪田)は、ワケアリの少女・モニカ(小西桜子)と出会い、逃避行へ繰り出す。モニカがヤクザの加瀬(染谷将太)と悪徳警官・大伴(大森南朋)に追われていたからだ。一方で加瀬たちも、“ブツ”がらみで組および中国マフィアから命を狙われていた。ここに“追う・追われる”のゴールデントライアングルが出来上がった。


・役者が全員“良すぎる” 熱演のその先…“凶演”の“狂宴”

まず強烈に迫ってくるのは、役者たちの悪鬼羅刹がごとき圧力だ。刹那にすべてをかけ、ありったけをさらけ出し、生命の雫を最後の1滴まで絞り出す。このシーンさえ撮れればあとは自分の身がどうなってもいい、そんな心意気である。

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窪田は完璧にシャープな肉体美で世の女性を悩殺しつつ、余命いくばくもないボクサーを全開で表現。小西も新人女優とは到底思えないほど、体当たりの演技で驚かされた。しかしブリーフ男が沖縄踊り(カチャーシー)する幻影におびえる、というシークエンスのシュールさには思わず笑ってしまった。シンプルに卑怯。

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また、本作の染谷は徹底的にエキセントリックだ。頭がキレる策士だが、精神年齢がやや幼いからか無邪気な残虐性が目立ち、「手が汚れたから仕方なく洗う」くらいのテンションで人を殺したりする。と思いきや病的なおっちょこちょいなので、命がけの場面でも「そんなことする?」みたいなケアレスミスを連発。この男の行動が物語を2度も3度もホップさせ、混沌をもたらしていく。

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さらにドラマ「きのう何食べた?」のほのぼのとした好演が記憶に新しい内野聖陽は、ワイルドすぎる武闘派ヤクザ・権藤役を担った。ダブルのスーツをバチッと着こなし、刑務所から悠然と出所してくるシーンの渋さよ……。抗争とみるや即座に飛び出し、日本刀と煙草を片手に特攻する姿には痺れまくった。

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ベッキーもヤバい。どれくらいヤバいかと言うとマジヤバい。チンピラ男の恋人という、脇の脇の脇役みたいな設定のキャラだが、中盤から物語の中心にダバダバと躍り出てくる。そして暴れる。何度も死にかける。「風の谷のナウシカ」のユパ様みたいなポーズで窓を突き破る。本当にどうかしてしまったんじゃないか、と思うくらいの大暴れであった。

誰もかれもが“人生最凶演技”。映画ファンならば、「上手い」とかそういうのは超越した“凶演の狂宴”を、劇場で確認しなければならない。

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・スリルとラブとアクションと…あらゆる要素を煮詰めてジャムにしたような物語

作品のチラシには「喜怒哀楽・すべてが詰まった、人生で最高に濃密な一夜を描く極上のラブストーリー」と書いてある。なるほど、看板に偽りなしだ。

映画的興奮をコンクリートミキサーにかけてぶちまけたような、豪快で圧倒的な展開。ホームセンター「ユニディ」でのバトルなど、見ていて脳内物質がドバドバ出て止まらなかった。メガホンをとった三池崇史監督(「藁の楯 わらのたて」「殺し屋1」など)は初のラブストーリーらしいが、彼の“ストロングポイント”が全面に出まくっている。

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・結論:信じられないほど爽快で、全部がイカれている“会心の一作”!

絶え間なく興奮させられ、笑わせられ、スカッとして、嫌なことは全部忘れた。まるで「バーフバリ 王の凱旋」を見たときのような高揚感があり、なんなら体調も良くなったくらいだ。

鑑賞後感に頬を紅潮させながら外に出ると、そこは当然、歌舞伎町だった。窪田と小西が走り回り、大森と染谷らが入り乱れる姿を想像しながら、駅へと向かった。

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人気タレントもインフルエンサーも、この魅力に狂った!
日本初披露で話題騒然、2020年の邦画を語るうえで外せない1本!

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10月に日本初披露された際には、SNSなどで鑑賞者による感想があふれ出し、映画ファンの間では話題騒然となっていた。以下、寄せられたコメントの一部を抜粋して紹介する。

おおのこうすけ(漫画家/「極主夫道」) 「ヤクザ、ボーイミーツガール、コメディを出汁の効いた緊張と緩和で煮るとこんなに美味しいんだって感銘を受けました」
片岡鶴太郎(俳優・画家) 「もう無茶苦茶!! 何がどう成るのか? 一寸先は闇!! 滅茶苦茶、面白い!!」
清水崇(監督/「呪怨」「9次元からきた男」「犬鳴村」) 「わんさか人が死んで痛快な映画を久々に観た。ヤクザに殺し屋、中国マフィアに悪徳刑事、ズべ公に易者…ろくでもねぇ素敵な面々にシャブ中の華一輪! 三池版“パルプ・フィクション”に純愛炸裂! 男女みんなで手を繋ぎ、ドキドキ観て、ワクワク笑い、日本映画に元気をもらおう!」
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー) 「命は駄菓子より安い。血飛沫が舞う。首も飛ぶ。ベッキーはバーサーカー。なのに観賞後は、まるで朝日を浴びたかのような清々しさに包まれる!! バイオレンス度と爽やか指数が最後までずっと右肩上がりの強烈な一作!!」
ピエール中野(ドラマー/「凛として時雨」) 「やっぱり暴力描写多いし、展開は読めないし、三池監督は期待を裏切らずに恋愛映画を放棄するのだろうなと思ってたら、しっかり『初恋』の映画でした。こんな描き方あったんだ」
マフィア梶田(フリーライター/タレント) 「例えるならば、胸を貫く純白の砂嵐。希望を失った男と、幻影にすがる女。ふたりの生んだ愛憎が、世界を巻き込んでいく。こんなにもプラトニックで苛烈なラブストーリーは、まさしく“初恋”の如く二度とありえない。この映画は、すべての陳腐なデートムービーを過去にするだろう」
ものすごい愛(エッセイスト) 「怒涛のバイオレンス、狡猾で汚い人間模様の連続に、『なんでこのタイトルなんだ…?』と一抹の不安を覚えた。しかし、そこにはたしかに“初恋”が存在した。『命は尽きるんだからどうなったっていい』『死んでたまるかよ』『生きてくれ』と感情が動くとき、わたしは彼らの初恋が心穏やかであることを願わずにはいられない」

こうした反応を眺めていると、「初恋」は今年の邦画界を語るうえで外せない1本となるだろうことが、容易に想像できる。映画ファンと自負する読者の方々は、絶対に見ておかなければならない。

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