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フェラーリ : 特集

2024年6月24日更新

【構想30年、狂気の完成度】「ヒート」マイケル・マン
監督、8年ぶり待望の新作! 幾度も頓挫し「不可能」
とされた幻の企画を、常軌を逸した情熱で実現! 今こそ
巨匠の「傑作」を観る時――「史上最高」超評価続々!

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ひりついた熱気がみなぎる傑作「ヒート」などで知られ、狂気的ともいえるこだわりを貫き、世界中の観客を唸らせ続ける巨匠マイケル・マン。構想に30年以上を費やし、映画人生を丸ごと注ぎ込んだような情熱で実現させた「フェラーリ」が、7月5日からついに日本公開される――。

傑作「ヒート」の公開より遥かに前、1991年から映画化の道を模索し、幾度も頓挫するなかで、「不可能」ともいわれた“幻の企画”。描かれるのは、F1の“帝王”と呼ばれたフェラーリ社の創業者、エンツォ・フェラーリの物語だ。

フェラーリ社の創業者、エンツォ・フェラーリを演じたアダム・ドライバー
フェラーリ社の創業者、エンツォ・フェラーリを演じたアダム・ドライバー

この記事では、海外メディアや有名監督たちから「傑作」「史上最高」などと絶賛が相次いだ「フェラーリ」の“狂気の完成度”を3つにわけてご紹介。クオリティの高さ、常軌を逸したこだわりを感じていただき、雨が降ろうが槍が降ろうが映画館へ駆け込んでいただこう。


【予告編】情熱と、狂気。


【狂気の完成度①】物語&キャラの熱量が尋常じゃない
圧巻ドラマ、熱演に名監督陣も「傑作」「壮大で濃密」

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この項目では、本作の評価をどこまでも押し上げている物語・キャラクター・キャストが孕む、シビれる“狂気”を覗いていこう。

【実話ベースの物語が、とにかく凄まじい】
息子を亡くし、妻との仲は冷え切り、会社は破産寸前… 悲劇続きの男が、再起をかけ挑むのは?
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まず最も狂気的かつ刺激的だと感じるのは、自ら立ち上げたフェラーリ社を、イタリア屈指の自動車メーカーへと成長させた稀代の経営者エンツォの人生だ。

エンツォは窮地に立たされていた。難病を抱えた愛息ディーノを前年に亡くし、社の共同経営者でもある妻ラウラとの夫婦生活は冷え切っており、秘かに愛し合っていた女性リナとの二重生活を送っていた。さらに悪いことに、フェラーリ社は、業績不振で破産寸前。エンツォは私生活と会社経営の起死回生を狙い、イタリア全土1000マイル縦断、「ドライバーは遺書をかいて臨む」という公道レース「ミッレミリア」に挑む。

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どん底にいた男が、全てを投げうって、一発逆転をかけたレースに挑む。この展開がアツい、アツ過ぎる……! しかも、これがわずか1年ほどで起こった出来事だというのだ。まさに濃密でシネマティック……マン監督が「これは映画になる!」と直感したのも納得がいく。

【キャスト&キャラがぶっ飛んでる】
アダム・ドライバー&ペネロペ・クルスが対立する夫婦に! 愛憎渦巻く泥沼夫婦関係
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エンツォと妻ラウラのキャラが、これまたぶっ飛んでいる。そんな激強キャラに挑むには、キャストにもかなりの実力とエネルギーが必要だ。

マン監督からの期待に応えたのは、アダム・ドライバー&ペネロペ・クルスという“怪物級の組み合わせ”。公私ともにパートナーだったエンツォとラウラの、一筋縄ではいかない愛憎渦巻く泥沼夫婦関係を、目を逸らしたくなるほどの圧倒的熱量で、スクリーンに焼き付けている。

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“傑作に欠かせない男”アダム・ドライバーは、本作では実年齢20歳上の“情熱と冷酷のカリスマ”を大胆チェンジで大熱演。“賞レース常連”ペネロペ・クルスは、崩壊した家庭、窮地に陥る会社の狭間で揺れる“激情型の妻”役を務め、またも高評価を獲得している。

【評価が狂気的に高い】
「デューン」ドゥニ・ビルヌーブ監督や海外メディアが「傑作」「史上最高」「加速と白煙の熱狂的な幻夢」と絶賛
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マン監督が妥協を許さず、力のある物語と、信頼できるキャストを揃えて実現させた渾身作。「デューン」シリーズのドゥニ・ビルヌーブら著名監督陣、海外メディアからも、狂気的な高評価を集めている!

●傑作。 ――ドゥニ・ビルヌーブ●アダム・ドライバーとペネロペ・クルスが素晴らしい。 ――アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ●壮大なスペクタクルと濃密なドラマ。 ――ギレルモ・デル・トロ●衝撃的傑作。/「グラン・プリ」と「ゴッドファーザー」の融合。 ――VARIETY●偉大な自動車映画の最先鋒/史上最高の自動車(カーレース)映画。 ――THE WALL STREET JOURNAL●加速と白煙の熱狂的な幻夢。 ――NEW YORK MAGAZINE

【狂気の完成度②】監督マイケル・マンの情熱が異常
実現不可能に構想30年 執念を“M・マン狂”が徹底解説

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圧倒的高評価に胸を高鳴らせたところで、ここからは、30年にわたり映画化を目指し続けたマイケル・マン監督その人の狂気にフォーカス。マン監督の傑作「ヒート」の小説翻訳者でもある映画評論家・稲田隆紀氏に、マン監督の映画製作における、ときに狂気ともいえるこだわりやスタイルについて、大いに語っていただいた。

※以下、稲田隆紀氏からの寄稿


●狂気的なほど一途なこだわりを持った男の情熱を描き続ける 音と映像を極めたジャンル映画の匠
「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」
「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」

 マイケル・マンは常にスタイリッシュに男の情熱を描き出す。はたから見ると狂気にもみえるほど一途なこだわりを持った男をくっきりと映像化して浮かび上がらせる。映像はあくまでもリアルに見据え、主人公の行動を通して「生き様」を焼きつける。

 そもそも劇場用映画監督第1作、1981年に製作された「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」から、マンのスタイルは鮮明だった。裏社会で生きる金庫破りを主人公に、どこまでも綿密に仕事ぶりを描写し、タンジェリン・ドリームのサウンドを武器にそのこだわりを画面に焼きつけた。開けることの困難な金庫に燃え、持てるスキルの限りを尽くす。ただ、冷徹なのは金庫に対してだけで、義理と仁義に厚いキャラクターに仕上げていた。

「特捜刑事マイアミ・バイス」
「特捜刑事マイアミ・バイス」

 ハードボイルドなヒーローに惹かれるマンの姿勢は一貫していた。映画界とテレビ業界で活動する戦略のもと、80年代にはフロリダ警察の風俗課の刑事を主人公にしたテレビ・シリーズ「マイアミ・バイス」で一世を風靡。ヒット曲を巧みに挿入しながらどこまでもファッショナブルな刑事の活躍ぶりを描いて、一躍メジャーな存在となった。音楽にあわせたスタイリッシュな映像。ある意味ではミュージック・ビデオにも大きな影響を与えたといえるか。

●男のプロとしての誇りと美学を焼きつける、孤高のヒロイズムの旗手
「ラスト・オブ・モヒカン」
「ラスト・オブ・モヒカン」

 孤高のヒロイズムは数多くのテレビ・シリーズでも発揮されたが、「ラスト・オブ・モヒカン」が決定打となる。独立戦争前夜のアメリカを舞台にした名作小説の映画化であり、アクションのダイナミズムで押し切った潔さ、演出力がジャンル映画の垣根を超えて高く評価されたのだ。

「ヒート」
「ヒート」

 これに力を得て、マンは自ら手掛けたテレビ映画「メイド・イン・L.A.」をもとに「ヒート」を95年に発表。犯罪者グループと警察の攻防をハードボイルドに描き出した。中盤のロサンゼルス市街地の圧巻の銃撃戦は今も語り草になっているが、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという二大演技派スターを起用して、犯罪者、警官それぞれのプロとしての誇り、矜持を画面にくっきりと焼きつけた。たとえ他人には理解されなくても自らの生き方を貫く男たち。その美学の決定版である。

 こうして培われたヒロイズムは実話の映画化でもいかんなく発揮された。「インサイダー」「ALI アリ」では広く理解されにくいキャラクターの気概、固執する信念をクールな熱気で描き出した。もはやジャンル映画でも実話でもマン流に染め上げる度量の大きさは右に出るものがない。その集大成が最新作の「フェラーリ」である。

●81歳、感動にこだわり続けるマンの集大成となった「フェラーリ」
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どんな内容であろうとヒロイズムを貫く度量の広さは70年代にロンドンで映像を学んだことに影響されている。アメリカのみならず多様な文化を吸収したことが大きい。本作のイメージはロンドンでみたフェラーリのフォルムの美しさに感動したことがきっかけだったといわれている。

 1991年に原作「エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像」が出版されたとき、マンは監督・プロデューサーとして名高いシドニー・ポラックと脚本家のトロイ・ケネディ・マーティンの3人で映画化を図った。しかし情熱も叶わず、プロジェクトは頓挫し、ポラックとマーティンは鬼籍に。それでも、マンは諦めなかった。30年を費やして世界中から出資者を募り、インディペンデント作品として完成させた。

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 マンは、エンツォ・フェラーリの車に賭ける狂気にも似たこだわり、情熱に惚れ込み、その並外れた人生をリアルに再現した。映像に自らの生き方を重ね合わせていることは疑いがない。

 現在81歳、感動にこだわり続けるマンの集大成がここにある。(稲田隆紀)


●マン監督作品を支持する若い世代が登場! 時代を超えて評価を集める巨匠のすごさ
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以上、“M・マン狂”ともいえる稲田氏の解説は、いかがだっただろうか。

実は近年アメリカや日本で、2000年代のマン監督作品を支持する若い世代が現れたことをご存知だろうか。公開時にリアルタイムでは劇場鑑賞していなかった層を中心に熱気を孕んだ人気を集め、再鑑賞の波が広がっている。ファンのなかには、“マン・ニアック”を自称する人もいるとか。映画史に名を刻む圧倒的な評価を得た巨匠は、時代を超えて、さまざまな世代のファンを増やし続けている。


【狂気の完成度③】クライマックスのレースがヤバい
それはクレイジーすぎる…鳥肌モノの結末を受け止めよ

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最後に、本作が秘める狂気が華々しく爆裂する、クライマックスの危険過ぎるレース「ミッレミリア」をご紹介したい。手に汗握る、映画館で鑑賞すべきクレイジーな描写の数々を、以下に綴っていく。

・フェラーリ、マセラティ…最高時速300キロのスーパーカーが、サーキットじゃなくて公道を疾走!・距離も日程も過酷すぎる… なんとイタリア全土1600キロを2日間で走破・ちゃんと道路封鎖や周知徹底しているのか?  “柵や立入禁止線がなにもない”エリアが多々…
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・出発はまさかの夜!? 街灯のない田舎道を進む“危険地帯”に肝が冷える・命がけのレーサーたち 出発前に愛する人への遺書を書く、想像を絶する覚悟に震える・現代では到底想像がつかない、危険度MAXの“究極レース”を、映画館の大スクリーン&大音響で体感できる衝撃を――
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上記は、あくまでもクライマックスの驚きの一部なので、全貌はぜひとも映画館へ。

マイケル・マン監督は、「マイアミ・バイス」の頃からのフェラーリとの関係を生かして、当時のオリジナルカーを3Dスキャンし、撮影用のレースカーを作り上げた。さらに撮影の噂が広まると、オリジナルカーのオーナーたちから、「ミッレミリアを走った57年のマシーンを所有しているが、映画で使うか」と問い合わせが寄せられたそう。

マン監督のこだわりは、エンジン音にも及んだ。劇中のエンジン音は、「全て本物の音でなければならない」というビジョンを実現させるため、本物のレースカーもいくつか用意された。なかには、大の車好きであり、フェラーリコレクターでもある「ピンク・フロイド」のニック・メイスンから借りたマセラティ250Fもあったという。

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さらにさらに、ベテランレーサーのピエロ・タルッフィを演じたパトリック・デンプシーは、俳優として活躍するかたわら、世界選手権クラスの大会でも好成績をおさめる“本物”のレーシングドライバー。マン監督の細部への徹底的なこだわりが、レースシーンに潜む“本物”の数々が、ミッレミリアをどこまでもリアルに立ち上げている。

【まとめ】フェラーリを待ち受ける衝撃の結末を、映画館でしかと受け止めてほしい
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エンツォが人生の逆転をかけ、レーサーたちが生と死の境界で、遺書を書く覚悟で挑むミッレミリア。ここに詳しくは書けないが、このレースで、感情がかき乱されるとんでもないことが起こる。

是非映画館の大スクリーン&大音響で、エンジンの鼓動や、レーサーたちの息遣いを感じながら、時代を切り開いた一大ブランド・フェラーリを待ち受ける衝撃の結末を、しかと受け止めてほしい。

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