劇場公開日 2024年8月1日 PROMOTION

ツイスターズ : 特集

2024年7月29日更新

【そんな人いる?】「竜巻に“飲み込まれた”ことがある」日本人が「富士山よりデカい超巨大竜巻モンスター VS 人類」のド迫力映画を観たら“自分が体験した竜巻より3000倍すごかった”と腰を抜かした話

「ツイスターズ」ポスター あまりにもかっこいいので「ポスターかっこよすぎるオブ・ザ・イヤー」を贈呈したい。
「ツイスターズ」ポスター あまりにもかっこいいので「ポスターかっこよすぎるオブ・ザ・イヤー」を贈呈したい。

人間が超巨大竜巻(富士山よりデカく、新幹線よりも速い)を破壊しようと死闘を演じる映画「ツイスターズ」(8月1日公開)を観た。

映画館がたちまち暴風域となり、眼の前いっぱいに広がる竜巻の強烈な風が、僕の魂ごとはるか上空へと吹き飛ばしてしまうほどのすさまじい映像体験だった。

むちゃくちゃ面白かった。素晴らしかった。……のだが、ふつふつと知的好奇心が湧き上がってきた。

「竜巻に実際に遭遇したことがないので、これが本当にリアルな体験なのかがわからない

「ツイスターズ」
「ツイスターズ」

リアルさを確かめたい。だから竜巻に遭遇した人に話を聞きたい。しかし、調べたがアメリカにはかなりいるものの、ほぼ竜巻が発生しない日本ではうまくみつからなかった。

配給のワーナー・ブラザース映画に上記の好奇心を相談したところ、すぐに「竜巻に遭遇した日本人、いますよ。しかも飲み込まれたこともあるっぽいです。取材します?」と返答があった。あ、いるんだ、日本に。

2024年7月某日。翠勇弥さん(みす・ゆうや/28歳)を取材し、聞いた。

「映画『ツイスターズ』の竜巻は、実際に飲み込まれた竜巻と比べて、どうでしたか?」と。(取材・文/映画.com尾崎秋彦)


【映画「ツイスターズ」予告編で作品概要をチェック!】

【取材対象者の紹介】
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●まず本題を単刀直入に聞く そして気になる「ツイスターズ」の感想は?
翠勇弥(みす・ゆうや)さん
翠勇弥(みす・ゆうや)さん

――映画「ツイスターズ」鑑賞直後にお時間をいただきました、よろしくお願いします。率直に映画はいかがでしたか?

翠勇弥(以下略):本当に大満足でした!! 実際に竜巻をみると、あまりにも相手がでかすぎて、押しつぶされそうな感覚があるんですよ。

この映画はそこが非常にうまく表現されていて、風がビュンビュン吹いている感じもして……実際に“飲み込まれた”ときと同じ感覚をずっと味わえる、つまり“現実世界ではできない体験”ができる映画だと思いました!

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

――ありがとうございます。それでは単刀直入にお伺いします、翠さんが竜巻に飲み込まれたことがある、というのは本当でしょうか?

それは少し語弊がありますね(笑)。“竜巻そのもの”に飲み込まれると、死んでしまいます。ですが竜巻に関する雲に飲まれたことはあります。

スーパーセルという、直径40キロの円盤のような巨大積乱雲があって。円盤の中心部が竜巻発生エリアなんですが、これに遭遇したとき、ダッシュで車で逃げたんですけど追いつかれました。

翠さん撮影・提供:成長段階のスーパーセル。これに追いつかれるとヤバい。
翠さん撮影・提供:成長段階のスーパーセル。これに追いつかれるとヤバい。

ギリギリ竜巻の発生エリアの外に出られましたが、むちゃくちゃ怖かったです。そういう意味で、竜巻に関する雲に飲まれたことはあります。


――なるほど。一般人目線で言うと、それはもうほぼ「竜巻に飲み込まれた」だと思います……。映画「ツイスターズ」の竜巻は、ご自身の経験と比較していかがでしたか?

実際は竜巻に近づいたらアウトなので、(現実ではでき得ない)竜巻に近づく・吹き飛ばされる迫力や没入感がとてつもなかったのが素晴らしい! これは映画でしかできない体験。竜巻マニアが本気で作っていることがビシビシ感じられて、嬉しくなりましたね!

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

(実際の竜巻をかなり遠くから見るよりも)3000倍すごい、といっても過言ではないかもしれません。ましてや4Dなどでも上映するんですよね? とんでもない迫力になるでしょうし、「ツイスターズ」は誇張抜きに絶対におすすめです!


●奨学金を注ぎ込んで、竜巻を追いかけに行き「人生で一番怖かった」話…映画のように竜巻に遭遇したら、果たしてどうなる?

――ちなみに、翠さんはどんな状況で竜巻に飲み込まれたのでしょうか?

日本だと竜巻ってほぼ起きないので、アメリカへ竜巻を追いかけに行ったんです。

翠さん撮影・提供:牛の乳房のような形をした「乳房雲」。これが出現したら、天気が急変するサイン。
翠さん撮影・提供:牛の乳房のような形をした「乳房雲」。これが出現したら、天気が急変するサイン。

――アメリカへ竜巻を追いかけに……? 旅行中にアクシデントで、とかではなく、竜巻のためにアメリカへ?

竜巻のためにアメリカへ何度も行っていまして。私、今28歳ですが、最初は20歳のときに、バイトして貯めたお金を注ぎ込み、26歳のときには大学院を休学し、奨学金を叩き込んで行きました。

翠さん撮影・提供:夕日に染まる乳房雲。
翠さん撮影・提供:夕日に染まる乳房雲。

――奨学金を叩き込んだ? 学費用の?

はい。成績優秀者になって学費がタダになったので、あまった奨学金を利用しました。まあ奨学金は、借金と言えば借金ですけどね。


――つまり借金を背負って、竜巻に飲み込まれに行った……? 竜巻本体に最接近したときは、どれくらい近くまで行きましたか?

竜巻本体には10キロですね。定義上、竜巻として判定されるのは上空から伸びた先端が地面に到達したときで、途中の状態は「漏斗雲(ろうとうん・ろうとぐも)」(映画にも登場しますね)と呼ばれます。今年もアメリカに行ったんですが、そのときに漏斗雲には1キロくらいまで近づきました。上空から漏斗雲が一瞬で「にゅっ」と自分の方に伸びてきて、その時が人生で一番怖かったです。

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

――恐ろしい。竜巻に飲み込まれるというと、掃除機のように吸い込まれ、上空に巻き上げられるみたいなイメージがありますが、翠さんのときはどうだったのでしょうか?

それが意外と、吸い込まれる感覚はないんですよ。もちろん竜巻方向に向かって風は吹いていますが、(比較的安全なエリアでは)そこまでの強さじゃないんです。(竜巻は非常に速く移動するので)吸い込まれる感覚があった瞬間にアウト。気付いたときには、もう“上”にいるでしょうね。だから怖いんです。

ただ「ツイスターズ」はそこも非常にうまくて。私が実際の竜巻で感じたような、本能的に「これはヤバい逃げなきゃ」と直感する風の質感や、漏斗雲の怪物的な恐ろしさが本当にリアルに表現されていて震えました。


――「ツイスターズ」の劇中で、竜巻本体が様々なものを飲みこんでいくシーンが何度も出てきますが、もしも本体に飲み込まれたらどうなるのでしょうか?


死にますね(すごくきれいな瞳で)。


――死ぬんだ。

もちろん生き残ったケースは極稀にありますが、まず生きて帰ってこられないです。私がここにいるということは、そういうことです。

――すごい世界。


●身の危険を感じながら、身銭を切りながら、なぜ竜巻を追いかけるのか? その答えがジンときた
「ツイスターズ」の一場面 スター・ストームチェイサー、タイラー(演:グレン・パウエル)の登場
「ツイスターズ」の一場面 スター・ストームチェイサー、タイラー(演:グレン・パウエル)の登場

――ところで、翠さんはなぜ竜巻を追いかけているのでしょうか?

その質問を待っていました! 申し遅れました、私、ストームチェイサーをしております。


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【取材対象者の紹介(改)】
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――ストームチェイサーなんですね! 具体的にはどんな職業なのでしょうか?

一言でいえば、竜巻を追いかけることが主な仕事ですが、その目的は二つに分かれていると考えています。一つが気象の専門家が研究のために竜巻や嵐のデータ収集を行ったりする研究タイプ。研究機関や企業のバックアップがあります。

もう一つが写真家タイプで、自分はこっちです。それこそ身銭を切ってやっている方が多いです。現地の友人のチェイサーの方々も学生バイト、工場勤務、スーパー勤務、YouTuberなどいろいろな方がいます。


――身の危険を感じながら、身銭を切りながら、それでも竜巻を追っているように見受けられますが、そこまでする理由はなんですか?

正直あまり理解されないかもしれないですが、私の場合は、ただ見たいだけなんです。

実際にあんな化け物を見たらどう感じるのだろう? 匂いは? 温度は? 音は? 怖い? それとも? それを実際に自分の目で、鼻で、肌で、心で感じたかったんですね。

翠さん撮影・提供:中央奥に見えるのがリンカーン竜巻
翠さん撮影・提供:中央奥に見えるのがリンカーン竜巻

実際に見てみるとものすごく感動したんですよ。リンカーン竜巻を見たときは嬉しくて足が震えました。「ツイスターズ」でも、竜巻に相対した感動を強く得ることができたんです。


●劇中の好きな竜巻は「双子竜巻」 描かれた「竜巻を破壊する」シーンに「テンション上がってきます」
「ツイスターズ」の一場面 これが双子竜巻だ!
「ツイスターズ」の一場面 これが双子竜巻だ!

――映画では多くの竜巻が出てきました。炎と融合する火柱竜巻、闇夜に忍び寄る竜巻、2つ同時に発生する双子竜巻など……ストームチェイサー的に、好きな竜巻はどれですか?

双子竜巻が好きでしたね~。双子竜巻は美しいうねりがあって、竜巻としての表現力が高かったですね。

「ツイスターズ」の一場面 火柱竜巻。
「ツイスターズ」の一場面 火柱竜巻。

――竜巻としての表現力が高い、素晴らしい言葉です。竜巻やCGやVFXも、リアルに感じられましたか?

本当にリアルでした……! 竜巻自体もそうですが、建物が粉砕される様子など、本当に劇中のとおりです。なので映画館に行き、そこがリアルに粉砕されることを想像しながら観てほしいです!

「ツイスターズ」の一場面 竜巻で破壊された街
「ツイスターズ」の一場面 竜巻で破壊された街

――映画「ツイスターズ」では、主人公のケイトやタイラーたちが巨大竜巻を破壊しようと試行錯誤しますが、実際に「竜巻を破壊した」事例はあるのでしょうか?

いや~、僕の知る限り、聞いたことがないですね。竜巻ってすさまじいエネルギーで、ひとつのスーパーセルだけでも衛星軌道上から見える大きさなんですよ。それを破壊しようとするとは……テンション上がってきます。


――そんな超巨大な怪物に、非力な人間たちがどのような策で破壊に向かうのか?何が起きるのか?が大きな見どころですね。主人公たちの破壊計画をみて、ストームチェイサー的には驚きがありましたか?

驚き、めちゃくちゃありました! そうくるか、確かに理にかなっている! でもうまくいくのかな? うおお、どうなる!?みたいな感じで、非常に興奮しました! ぜひこの盛り上がる感覚を、みなさんにも味わってもらいたいです!!

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

●「竜巻の中心に突っ込む」シーンにさすがに驚がく…ストームチェイサーあるあるなど、細かすぎて好きなシーンも大量に!

――また、本作はストームチェイサーの変態っぷり(褒め言葉です)がよくわかる映画でもあると思います。竜巻を追いかけ「フォー!!!!!!」となっているチェイサーが何人も出てきて、ハイテンションが観客に伝わり楽しくなりますよね。

あれはリアルなところで、正直、あの気持ちは否定しきれません。怖い、危ないと思いつつ、追いかけているとブチ上がるというか、トランス状態になるというか……。ただ本物の竜巻を見ると、やっぱり震え上がります。

「ツイスターズ」の一場面 ブチ上がるストームチェイサーたち
「ツイスターズ」の一場面 ブチ上がるストームチェイサーたち

――そこもリアルなんですね。劇中で、ストームチェイサーのタイラーがカスタムトラックに乗り「竜巻の中心に行く」というシーンがあります。まるで「コンビニ寄るけど」くらい当たり前のように竜巻に突っ込む姿を見てひどく驚きましたが、ああいうのも実際にあるんですよね?

あれは異常行動です。


――あれは異常行動なんだ。

「ツイスターズ」の一場面 これで竜巻の中心に突っ込んでいった。
「ツイスターズ」の一場面 これで竜巻の中心に突っ込んでいった。

頭おかしいですよあのシーン(笑)。カスタムされてはいますが、見た感じ普通のトラックで竜巻に突っ込んでいったので「死ぬぞ!? 正気か!?」と思いました。

ただ、そこにひとつ驚きがありました。タイラーのトラックからドリルが出てきて、地面に車体を固定していましたよね。これはすごい!とめちゃくちゃ楽しいシーンでした。

翠さん撮影・提供:翠さん提供:車体を固定する車両は現実にもある。対竜巻専用車両“ドミネーター”。アンカーで地面に固定し、竜巻の中心から観測できる。憧れの存在で、会えると「うおおおおお」とブチ上がる
翠さん撮影・提供:翠さん提供:車体を固定する車両は現実にもある。対竜巻専用車両“ドミネーター”。アンカーで地面に固定し、竜巻の中心から観測できる。憧れの存在で、会えると「うおおおおお」とブチ上がる

――「ツイスターズ」の劇中で、そのほか細かすぎるけど好きなポイントはありましたか?

個人的にすごく好きだったのが、竜巻を追いかける中で、雹(ひょう)が大量に降ってくるシーン。意外に思うかもですが、竜巻は雹をともなうことが多々あります。

その場面では、チェイサーたちが雹の大きさに「ゴルフボール、野球ボール、グレープフルーツサイズきた! イエーッ!」と大喜びします。これチェイサーあるあるで、雹がデカければデカいほどテンションが上がるんですよ。

ちなみに雹の大きさを示す実際の指標ですと、グレープフルーツくらい大きくなると「ゴリラ」と呼ばれます。


――急にゴリラ?

急にゴリラです。くっそでかい、みたいなノリですね。「ツイスターズ」は細かいところまで本当にうまく描かれているので、非常に楽しかったですね~。

あ、ちょうど今、カンザスシティで嵐が起きていますね。

インタビュー中も逐一、データをチェックする翠さん。スマートフォンのカメラロールは竜巻関連の画像・動画で占領されており、ストレージ容量を深刻に圧迫していた
インタビュー中も逐一、データをチェックする翠さん。スマートフォンのカメラロールは竜巻関連の画像・動画で占領されており、ストレージ容量を深刻に圧迫していた

●超巨大竜巻に飲み込まれたら、どうすれば生き残れる? 映画のなかに大量のヒントが…!

――劇中にはさらに、富士山より巨大で、新幹線よりも速い超巨大竜巻モンスターが登場します。そんな竜巻に飲み込まれたら……さきほどは「竜巻に飲み込まれたら死ぬ」とのことでしたが、遭遇した際に生き残る術は?

劇中にヒントが描かれているんですよ。「ツイスターズ」はリアルな知識も学べるので本当に良い映画です。

例えば、シェルターに隠れるのが一番いいんですが、シェルターが近くにない!となったとき、どうするか。「ツイスターズ」で竜巻が最接近した時、主人公たちが「水が張ってない25メートルプール」に隠れるシーンがありました。

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

――ありましたね。「そのまま吹き飛ばされるんじゃ?」と心配になりましたが……。

実は、あの状況では正解なんですよ。プールは窪んでいて、コンクリートで固められているので地盤もしっかりしていて、地面が風でまくられず飛ばされない。一方で車に隠れたら、車ごと“持っていかれ”ます。

その次に、できるだけ頭を下げていましたよね。あれも立ったら持っていかれるから姿勢を低くするんです。要は、窪んだところに身を隠し、頭と姿勢を低くして、無事をひたすら祈る。ただし、それでもやっぱり助かる可能性は低いと思います。


――なるほど。風に持っていかれないことが重要、と。それでもほぼ助からない理由はなんでしょうか?

竜巻で本当に怖いことって、風で持っていかれるより、実は飛来物なんです。映画ではトラックがはるか上空から落ちてくる場面がありましたが、実際にもやっぱりあります。

さらに、竜巻のなかでは小さい木の枝や石などが、無数の弾丸のように飛びかっています。コンクリートも穴があく威力になるので、それが人間に当たったら……。だから頑丈な建物に隠れて、飛来物から身を守ることが本当に重要です。

「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

――2017年に、アメリカ・テキサス州の75歳女性が竜巻に吹き飛ばされたものの、バスタブに入っていたから助かった、というニュースもありましたよね。

そうなんです、お風呂のバスタブもOKです。実際に、スポッター(※)になるためのテストでも「どこに隠れるべき?」と出題されるんですよ。その答えがバスタブ、もしくはクローゼット。できるだけガードしてくれる、簡易シェルターになるからです。ただ、それでもなお、助かるかどうかは本当に神様の領域だと思います。

最も重要なのは、竜巻に近づかない、警報が出たらすぐに逃げる、シェルターがある場所をしっかり確認しておく、ですね。

※スポッターとは?:嵐などの気象現象を観測し、周辺住民らの避難勧告のため、公式機関に報告することができる人たちのこと。


●竜巻を追いかけていて、得たこと、失ったこと
笑顔でインタビューに応じてくれた翠さん。
笑顔でインタビューに応じてくれた翠さん。

――翠さんが竜巻をチェイスしていて、得たことは何でしょうか?

「若いときにやりたいことはやったほうがいい」という教訓です。

1日600キロの距離を、死ぬかもわからない精神状態で移動して、2~3日野宿が続き、1日の食事もパン一個と缶詰のみ、みたいなことをやる体力が、40代、50代であるか? ちょっと自信が持てなかったんですよ。

だから若いときに、感性が鈍くなる前にできて、深い感動を得られて本当に良かったです。

翠さん撮影・提供:アメリカでチェイス中、3日間の野宿を経て、嵐を待ち続けるなかで自撮りした翠さん。
翠さん撮影・提供:アメリカでチェイス中、3日間の野宿を経て、嵐を待ち続けるなかで自撮りした翠さん。

――逆に、失ったことはなんですか?


(即答で)職です。


――職か~。

2024年3月まで会社勤めをしていましたが、竜巻のために辞めました……。

ただ、これから先の話をすると、ストームチェイサー一本で食っていくのはなかなか厳しい。一回のアメリカ渡航(飛行機代、レンタカー代、燃料費、食費)でうん十万円かかりますし、インフレと円安もとてもつらい……。

ノマド的な生き方で、リモートワークで生計を立てながら竜巻を追いたいですし、そういう意味では職探し中です。あとはスポンサーですね。募集していますので、少しでも興味があればぜひこちらにご連絡ください!(メールアドレス:jadestormchase@gmail.com Xアカウント:@Jadestormchase)

翠さん撮影・提供:棚雲(通称・マザーシップ)。雲というより、まるで分厚い壁。
翠さん撮影・提供:棚雲(通称・マザーシップ)。雲というより、まるで分厚い壁。

――最後に、ストームチェイサー的に映画「ツイスターズ」はおすすめでしょうか?

はい、誇張抜きにおすすめです! 迫力のある風がビュンビュン吹いてくる、現実ではできない体験ができる映画です! ぜひとも映画館で、全身で観てください!!


――貴重なお話をありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!


●記事のまとめ
「ツイスターズ」の一場面
「ツイスターズ」の一場面

・“竜巻に飲み込まれたことがある”日本人ストームチェイサー・翠勇弥さんから観た「ツイスターズ」は、「実際の3000倍すごかった(と言っても過言ではない)」

・現実にはできない“竜巻に近づく、吹き飛ばされる迫力”がとてつもなく味わえた。竜巻マニアが本気で作っていることが感じられ、嬉しくなったとも。

・双子竜巻が特にお気に入り。竜巻としての表現力が高い。

・Q:映画の巨大竜巻に飲み込まれたらどうなる? A:死ぬ

・Q:巨大竜巻に飲み込まれたら、どうやったら生き残れる? A:「ツイスターズ」の劇中に多くのヒント。迫力はもちろん、非常にリアルな映画。

・雹はものすごくデカくなると「ゴリラ」と呼ばれる。

・翠さんが竜巻を追いかけて得たものは「若いときにやりたいことはやったほうがいい」というかけがえのない教訓。

・逆に、失ったものは「職」。

・「ツイスターズ」は「誇張抜きでおすすめ」なので必見。翠さんの今後にも、ぜひご期待・ご注目を。

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