コラム:田幸知有紗のハリウッドスター紳士録 - 第9回
2010年2月22日更新
第9回:「2012」と「インデペンデンス・デイ」続編製作を示唆していた!
CGを使ったスペクタクル巨編と言えばこの方でしょう!
ローランド・エメリッヒ。ハリウッドで活躍するドイツ人監督です。「インデペンデンス・デイ」(96)以降、精力的に製作しているパニック映画では、エメリッヒ監督の右に出る人はいないのではないでしょうか。
また2009年度ハリウッド長者番付では、マイケル・ベイ、スティーブン・スピルバーグに次いで第3位となりました。
私がインタビューをしたのは、「紀元前1万年」(08)のプロモーションで来日したとき。お土産に石川県能登のお酒を持参すると、「お酒大好きだよ。ありがとう! 今夜も六本木の街に飲みに行こうと思っているんだ」と喜んでくれました。
ドイツ出身で、アメリカへ移住してからハリウッド映画を中心に撮っているエメリッヒ監督。ここまでハリウッド映画に入れ込んでいる理由を聞くと、「とにかく私は大作映画を作りたいんだよ。それにドイツ映画はギャラが安いしね(笑)」。さらに、「劇中に大仕掛けをして人を驚かすのは好きだけど、プライベートではそんなに派手なことはしないよ」とおどけた表情で話していました。
また、撮影を進めていく中で若手俳優が目を見張るような成長を遂げていくのを見るのがうれしくて仕方がない様子でした。
というのも、エメリッヒ監督はこれまでにたくさんのスターを発掘しているんです。
ウィル・スミス、故ヒース・レジャーさん、ジェイク・ギレンホールら数え出したらキリがないくらい。オーディションでは、演技力と役との相性を見るだけでなく、長年の勘を働かせると話していたのも印象的です。
インタビューは、冗談も交えながら温かい雰囲気で進みました。そして次回作のテーマを聞くと、「世界の終わりを描こうと思っているんだ」という答え。「それを題材にしたら、さらに次はあるんですか?」と聞き返すと、「まだ考えている途中だけれど、昔の作品の続編を手掛けようかと思っている」と話してくれました。
そしてこのインタビューの翌年、まだ記憶に新しいですが地球滅亡の日が描かれた「2012」(09)が公開。これ以上のディザスタームービーは作れないのではないかと思うほどの迫力に、ただただ圧倒されました。
そして、今度はどうやら「インデペンデンス・デイ」(96)の続編を作ろうとしているとか。また、アイザック・アシモフのSF小説「ファウンデーション」を3D映画にしようという構想も練られているようで……。2Dでも十分な臨場感を持つエメリッヒ監督の映画が3Dになったら、一体どんな映像になるのでしょうか? 今からワクワクしてしまいます。
自由な発想で誰も見たことのない世界を描くことに長け、常に私たちに新しい衝撃を与えてくれているエメリッヒ監督。今後もハリウッドの第一線で超大作を生み出して驚かせて欲しいです。☆☆☆。