小泉今日子が永瀬正敏を説得した口説き文句 : LiLiCoのHappy eiga ダイニング (2)

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コラム:LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第11回

2011年1月28日更新

第11回:小泉今日子が永瀬正敏を説得した口説き文句
対談ゲスト:「毎日かあさん」小泉今日子

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リリコ:久しぶりの共演はいかがでした?

小泉:改めて、いい役者なんだなあって思いましたね。もちろん以前から知ってはいましたけれど、がっつり共演したことって結婚前も実はなかったんですよ。結婚してからドラマ「私立探偵 濱マイク」でちょっとだけ共演しただけなので。だから、いわば一緒に演技をするのって初体験。役づくりから現場の雰囲気づくりも含めて、いい役者だなあって思いましたね。

リリコ:現場では、違和感なくすぐに溶け込むことができましたか?

小泉:2人ともすごく楽しみにしていたので、難しさっていうのはまったくなかったですね。変に緊張もしませんでしたし。あとは、お父さんとお母さんの役だったので、子どもたちがいるっていうだけで形ができちゃうんですよね。「トウキョウソナタ」のときも香川照之さんと夫婦を演じたのですが、そこに息子たちがいるだけで自然と家族になれちゃうし、お母さんになれちゃうんですよね。今回は、ちびっ子たちが私たちのことを「おとしゃん、おかしゃん」って呼んでくれる人懐っこくてかわいい子たちだったので、簡単に家族になれましたね。

リリコ:2人(矢部光祐と小西舞優)ともかわいかったですもんねえ。フミちゃん役の舞優ちゃんのしゃべり方が特に(笑)。

小泉:あの子はただものじゃない(笑)。ブンジのほうはカメラが回っていないときもブンジのままで、ふだんもいい間違いがすごいんですよ。朝、「お疲れさまでした!」って言いながら控え室に入ってきたりしてね。フミはフミで、本当に全部わかっているんじゃないかってくらい上手で、ただイヤミじゃなくかわいかったですよ。永瀬くんとかフミちゃんにメロメロでしたもん。

リリコ:本当に、4人家族の姿がすごく自然でしたよ。

小泉:そう言ってもらえるとうれしいです。この映画を撮ることになったときから、監督とは「子どもたちをきちっと描けるような作品にしたいから、自然と表情が出るような演出をしてほしい。私もそれに対しては尽力する」と話していたんですよ。まだまだのところもあったかもしれないけれど、そういう意識で大人たちはかかわっていましたよ。でもね、映画のなかと一緒で撮影中もお母さんって悪役なんですよ。子どもたちがかわいいもんだから、若い助監督もしかれないんですよ。そうすると「私かあ」みたいな(笑)。「本番が始まるから静かにしなさい!」とか言ったりして、完全に悪役でした。

リリコ:ほかにも素敵な共演者がたくさんいらしたじゃないですか。

小泉:そうなんですよ。古田新太さんは同い年なんですよ。私と永瀬くんと3人が同世代でね。不思議なんですけど、同級生の役者さんと仕事するときって、勝手に友だちになれちゃうんですよね。香川さんもそうですし、「マザーウォーター」の小林聡美さんもそう。古田さんとの共演シーンでは、友だち夫婦の面倒くさい離婚問題に巻き込んじゃうのを「悪いな」と思いながらも「お願い!」って思う心境がすごく簡単に出せましたね。

リリコ:なるほど~。さて、皆さんに聞く質問があるんです。小泉さんは宝物ってもっていますか? 持ち歩いているものでもいいし、家にあるものでも何でも構いません。

小泉:私、あんまり持っていないのかなあ。あ、だけど、捨てられないものがふたつあります。ひとつは、他界した父が最後に買ってくれたピンクの目覚まし時計。壊れちゃっているんですけど、直さないままにしてあるんです。形見なんでしょうね。それと、私が15、16歳のころに一人暮らしを始めて、姉が遊びにくるときに赤いお家の形をしたソーイングセットを買ってきてくれたんです。使えるし、買い換える必要もないから、捨てられないんですよ。私、すごく姉が好きなんですよ。だから、もしかしたら気づかないだけで宝物なのかもしれないですね。3人姉妹の末っ子なんですけれど、姉は8歳上なんですよ。子どものころなんて、姉がお母さんなんだって錯覚していたころがあったくらいですから。

リリコ:次に、誰かに言われた言葉で忘れられないものってありますか?

小泉:それは確実にあります。私が10代のころに出会って、人間として、女性として、女優としていろいろ教わったのが、演出家の久世光彦さん。久世さんから最後にいただいたお手紙に、「最近はいろんなことが上手になって、すごく頼もしく見える反面、僕はあなたのいつもユラユラ揺れている危ういところが好きなんだ。『うまい』の先に、そう広い世界はありません」って締めくくられていたんですね。だから、「小手先だけでやっていないか?」って演じているときも、文章を書いているときも脳裏に浮かぶんです。「いけない、いけない、今ちょっと格好つけちゃった」みたいに。私にとって本当に恩師で、いっぱいほめてもくれたし、厳しくも接してくださいました。

リリコ:では最後に、小泉さんにとって印象に残っている映画を教えてください。

小泉:最近はまっているのは韓国映画。「シークレット・サンシャイン」とか「チェイサー」とかが好きです。あと、まだ見ていないんですけど、「息もできない」はDVDになったら絶対に見ようと思って。

リリコ:「息もできない」は、元気なときに見てください。そうじゃないと、本当にタイトル通りになりますから!

小泉:日本映画だと、成瀬巳喜男監督の「乱れる」(1964)。高峰秀子さんが主演なのですが、女性をこんなにちゃんと美しく撮れる映画監督が日本にいたんだなって驚きました。古い映画なんですけど、格好いいんですよ。

リリコ:韓国の映画は何で好きになったんですか?

小泉:最初は「グエムル 漢江の怪物」を見たんです。それがすごく面白かったので、友だちと情報交換をしながらポン・ジュノ監督の作品を見るようになってバリエーションが広がっていきました。エネルギーが違いますよね。「母なる証明」もそうですけれど、救いや希望を見出すことはできないんだけれど、イヤな気持ちにもならないんですよね。

[筆者紹介]

LiLiCo

LiLiCo(リリコ)。1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。2001年からTBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとしてレギュラー出演中。映画俳優へのインタビューをはじめ、「レイトン教授と永遠の歌姫」「シャーロットのおくりもの」などでの声優業、トークイベント、ナレーション、雑誌エッセイなど幅広く活躍している。

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