コラム:若林ゆり 舞台.com - 第125回
2024年7月3日更新
4人は本当に仲がよく、インタビューをしていても互いに刺激し合い、笑い合い、助け合い、切磋琢磨しているのが伝わってくる。「みんなにとってほかの3人はどんな存在?」と尋ねると、揃って返ってきたのは「みんなが優しい」という言葉。
浅田 4人で練習しているから、自然と仲がよくなる。いろんなことをみんなで教え合ったりできるから、それが楽しいです。ほかの3人がやっているのを見て、自分がわからないことも解決できるので、助かっています。
石黒 僕はひとりひとり、優しいところや好きなところを言いたいです。良舞くんは、バレエスタジオでもずーっと一緒だし、いつも支えてくれています。思いやりがあって、良舞くんがいなかったら困っていたと思う。宇一郎くんは、みんながケンカとか揉めごとを起こしちゃった時に、いつもなだめてまとめて、仲直りをさせてくれます。宇一郎くんも優しくて、一緒にテレビ電話で話している時、楽しくて幸せです。嘉夢一くんのいいところは、いつも明るくて面白くて。でも急にコワくなるときがある(笑)。
全員 (笑)
井上 怒ってるとか、そういうコワさじゃないよね。ブラック・ジョークというか。
石黒 悪ふざけをするから(笑)。でも、それが面白くて。コワ面白いところが好き(笑)。嘉夢一くんもすごく優しくて、思いやりがあります。
井上 良舞くんは、演技の時とかによく相談しています。わからない時は教え合えるので、感謝しています。瑛土くんは、嘉夢一くんとはまた違った面白さで(笑)。明るくて、瑛土くんも優しいです。嘉夢一くんは、明るくて、優しくて、瑛土くんも言っていたみたいに時々コワいけど(笑)、それが面白いです。
春山 僕は、みんなとレッスンするのが楽しい。みんな本当にすごく明るくて、優しいし、バレエなどがうまいので。それにつられて「楽しいな」と、いつも思っています。
では最後に、それぞれが自分の個性を生かしてつくりあげたいと思う、「自分らしいビリー」を語ってもらおう。
浅田 自分らしさを出して、「良く舞える」ビリーになりたいです。自分の個性はバレエにあると思うし、お客様に、僕の名前にある通りだと感じてほしい。
石黒 自分の限界を超えて、自分にしか出せないビリーを演じたいです。以前は「常識を打ち破るビリーを目指す」と言っていたんですけど、常識って悪い方といい方があるじゃないですか。いい常識がないのは問題だから、意気込みを新しくしました(笑)。「自分の限界を超える」方がカッコいいかなと。
井上 僕は、自分が見たときに感じたような感動を、お客様に感じてもらえるようなビリーになりたいです。
春山 お客様に希望を与えられるようなビリーになります。ビリーがどうしてもバレエをやりたいという気持ちを出せたら、その気持ちに動かされた町全体の希望になるということも伝えられると思うから、そういうところも意識して演じたいです。
Daiwa House presentsミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」は7月27日~10月26日に東京・東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で、11月9日~24日に大阪・SkyシアターMBSで上演される。詳しい情報は公式サイト(https://billy2024.com)で確認できる。
筆者紹介
若林ゆり(わかばやし・ゆり)。映画ジャーナリスト。タランティーノとはマブダチ。「ブラピ」の通称を発明した張本人でもある。「BRUTUS」「GINZA」「ぴあ」等で執筆中。
Twitter:@qtyuriwaka