近賀ゆかり : ウィキペディア(Wikipedia)

近賀 ゆかり(きんが ゆかり、1984年5月2日 - )は、神奈川県横浜市戸塚区 出身の女子サッカー選手。湘南学院高等学校、日本体育大学体育学部体育学科出身。WEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナ所属。ポジションはミッドフィールダー、ディフェンダー。

第15回L・リーグ(2003年)新人賞。北京オリンピック、ロンドンオリンピック日本代表。2007年、2011年、2015年のFIFA女子ワールドカップ日本代表。

来歴

ユース時代

小学3年生の時に、4歳年上の兄の影響で東汲沢サッカークラブでサッカーを始める。男子に混じって区の選抜チームに選ばれ、中学校入学時に出身校とは別の小学校の教員からの紹介で横須賀シーガルズFCに入団「なでしこ」大野・近賀選手、横須賀シーガルズで初蹴り-地元チームに里帰り 横須賀経済新聞.2012.1.3付、2017年11月4日閲覧。。当時からベレーザ入団まで、ポジションは一貫してFWであった。同クラブで全国大会優勝2回、3位1回に貢献する。卒業後は、チームメイトであった矢野喬子と共に湘南学院高等学校女子サッカー部でプレーし、高校選手権準優勝2回を果たす。15歳でU-18女子代表に選出されるとその後各世代別代表で主力として活躍し、高校3年時にはAFC U-19女子選手権で優勝、FIFA U-19女子世界選手権に出場(ベスト8)。同年12月に初めて日本女子代表候補に選ばれ、トレーニングキャンプに参加した。

クラブ時代

日テレ・ベレーザ

日本体育大学体育学部体育学科に進学した2003年、日テレ・ベレーザに入団。入団時の主なポジションはトップ下やウイングなどの攻撃的なポジションであり、入団初年度には22試合中20試合に出場、6得点を記録し新人賞を獲得。アテネ五輪前の代表合宿でも存在感を発揮、翌2004年にはアテネ五輪のバックアップメンバーにMFとして登録された。2005年国際親善試合オーストラリア戦(3月29日・オーストラリア・ミランダ)で代表初出場。また、大学1、3年時には、ユニバーシアード代表として銀メダル、銅メダル獲得に貢献した。

2007年、当時の代表監督であった大橋浩司により、その豊富な運動量と高い足元の技術を買われてサイドバックにコンバートされると、直後のキプロス遠征で活躍を見せ、ワールドカップ出場権獲得に貢献したDF近賀 右SBで花開いた天性の攻撃力 スポニチアネックス、2016年4月9日閲覧。なでしこジャパン期待のNEWサイドバック 近賀ゆかり SpoMaga番組公式HP、2016年4月9日閲覧。。

第5回FIFA女子ワールドカップにDFとして出場、アルゼンチン戦でアディショナルタイムに荒川の決勝点に結びつけるシュートを打ち、勝利に貢献する。翌2008年北京オリンピックではMFあるいはDFとして全試合フル出場し、積極的にサイドから仕掛けて得点機を演出。第3戦の対ノルウェー戦で先制点を挙げ、代表初得点を記録した(1得点1アシスト)。

INAC神戸レオネッサ

2011年1月、8年在籍したベレーザから澤穂希大野忍、南山千明とともにINAC神戸レオネッサに移籍。2011年7月、第6回FIFA女子ワールドカップでは右サイドバックのポジションで全試合フル出場し、1アシストを記録、初優勝の快挙に貢献。翌2012年ロンドンオリンピック でも全試合フル出場、銀メダルを獲得した。

2012年12月22日、第34回皇后杯準決勝浦和レッズレディース戦にて、右膝を負傷して前半25分に退場。右膝前十字靭帯断裂及び半月板損傷の重症を負い、全治6ヶ月と診断された近賀残留、ケガで海外移籍断念 日刊スポーツ、2016年4月9日閲覧。。2013年1月15日、靭帯再建手術を受け、8月4日のリーグカップ戦で途中交代出場して公式戦復帰を果たした。

アーセナル・レディースFC

2014年、アーセナル・レディースFCへ移籍。主にボランチでプレーした。2014年6月1日に行われたFA女子カップ決勝エヴァートン・レディース戦では、後半16分に追加点となるゴールを決め、チームを2-0の勝利に導き、アーセナルは2年連続13度目の優勝を果たした大野と近賀のアーセナルが優勝 サッカー女子FA杯 日本経済新聞.2014.6.2付、2017年5月4日閲覧。。

INAC神戸レオネッサ

2015年、古巣のINAC神戸レオネッサへ復帰した。

2016年リオデジャネイロオリンピックのサッカー女子アジア最終予選の日本代表メンバーに選出されたなでしこ、宮間や大儀見ら20人選出 五輪最終予選 日本経済新聞、2016年3月3日閲覧。 が、チームは予選3位となり五輪出場権を逃したなでしこ、ベトナムに快勝も五輪出場ならず アジア最終予選 日本経済新聞、2016年3月8日閲覧。。

キャンベラ・ユナイテッドFC

2016年10月、オーストラリアの女子サッカーリーグ・Wリーグに所属するキャンベラ・ユナイテッドFCに移籍することを表明した。全12試合に出場し3得点を記録、チームは7勝3敗2分(勝ち点23)でWリーグプレミアシップ(リーグ1位)を獲得した。その後2017年2月5日に行われたプレーオフ準決勝ではリーグ4位のメルボルン・シティWFCに0-1で敗れチームは決勝進出を逃したWestfield W-League 2016-17 Semi Finals Canberra United Women vs Melbourne City FC Women Wリーグ公式サイト2017.2.5、2017年5月4日閲覧。。近賀はチーム内表彰で年間最優秀選手と選手間投票による最優秀選手に選出されたW-League: Japanese international Yukari Kinga cleans up at Canberra United awards Canberra Times.2017.2.6付、2017年5月4日閲覧。。

杭州女子倶楽部

2017年2月、キャンベラ・ユナイテッドがWリーグのプレーオフ準決勝で敗れた後、中国女子2部リーグの杭州女子倶楽部へ移籍したなでしこDF近賀ゆかりが、中国女子2部リーグの杭州女子倶楽部へ移籍 football EDGE.2017.02.17付、2017年5月3日閲覧。。

メルボルン・シティWFC

2017年10月、Wリーグのへの移籍を発表した近賀ゆかり、2度目のオーストラリア移籍…“広報部長”川澄がブログで報告 サッカーキング.2017.10.25付、2017年11月4日閲覧。。チームはリーグ4位でプレーオフに進出し、プレーオフ準決勝でブリスベン・ロアーFC(リーグ1位)に2-0で勝利して決勝に進出したCity secures W-League Grand Final berth メルボルン・シティFC公式サイト. 2018.2.11付. 2018年2月20日閲覧。。2018年2月18日にアリアンツ・スタジアムで行われたグランドファイナルでシドニーFC(リーグ2位)に2-0で勝利し、チームの3連覇に貢献したMelbourne City claim third-straight Westfield W-League title Wリーグ公式サイト. 2018.2.18付. 2018年2月20日閲覧。W-League Grand Final Report: Sydney 0-2 City メルボルン・シティFC公式サイト. 2018.2.18付. 2018年2月20日閲覧。。

杭州女子倶楽部

2018年3月、中国女子2部リーグの杭州女子倶楽部へ再び移籍した。シーズン2位で終了し、1部自動昇格は果たせなかった。

メルボルン・シティWFC

2018年10月、再び豪州Wリーグのメルボルン・シティWFCへ移籍。シーズン5位となり、プレーオフ進出を逃した。

オルカ鴨川FC

2019年2月、国内2部リーグのオルカ鴨川FCへの移籍を発表。同チームのGMには盟友の北本綾子がおり、数年前から熱心なオファーを受けていたとチーム公式でコメントしている。

メルボルン・シティWFC

2019年10月、Wリーグのメルボルン・シティWFCへ3度目の移籍。チームはレギュラーシーズンを11勝1分の無敗でリーグ1位でプレーオフ進出を果たした。2020年3月21日にAAMIパークで行われたグランドファイナルでシドニーFCに1-0で勝利し、4度目の優勝を果たした近賀ゆかり所属のメルボルン・シティが無敗優勝! Wリーグ最多4度目の栄冠 サッカーキング.2020.03.22付、2021年4月16日閲覧。。

オルカ鴨川FC

Wリーグ終了後、オルカ鴨川FCへ再加入した。

サンフレッチェ広島レジーナ

2020年12月、2021年9月より開幕する女子プロサッカーリーグ・WEリーグに参入する、サンフレッチェ広島レジーナへ移籍した。

個人成績

クラブ

|- |2003||rowspan="8"|日テレ・ベレーザ||23||L・リーグ||20||6||colspan="2"|-||4||4||24||10 |- |2004||rowspan="7"|6||rowspan="2"|L・リーグ1部(L1)||14||7||colspan="2"|-||4||1||18||8 |- |2005||18||6||colspan="2"|-||5||2||23||8 |- |2006||rowspan="4"|なでしこディビジョン1||14||2||colspan="2"|-||3||3||17||5 |- |2007||21||3||2||1||4||0||27||4 |- |2008||20||0||colspan="2"|-||4||1||24||1 |- |2009||21||3||colspan="2"|-||4||0||25||3 |- |2010||rowspan="4"|なでしこ||18||3||6||1||1||0||25||4 |- |2011||rowspan="3"|INAC神戸レオネッサ||5||16||1||colspan="2"|-||4||0||20||1 |- |2012||rowspan="2"|2||18||2||5||0||3||0||26||2 |- |2013||8||0||5||0||4||2||17||2 |-

|- |2014||アーセナル・レディースFC||4||FA WSL1||12||0||6||0||4||1||22||1

|- |2015||rowspan="2"|INAC神戸レオネッサ||rowspan="2"|2||rowspan="2"|なでしこ1部||22||1||colspan="2"|-||4||1||26||2 |- |2016||14||2||4||1||colspan="2"|-||18||3 |-

|- |2016-17||キャンベラ・ユナイテッドFC||2||Wリーグ||12||3||colspan="2"|-||colspan="2"|-||12||3 |-

|- |2017||杭州女子倶楽部||9||中国2部|| || || || || || || || |-

|- |2017-18||||2||Wリーグ||14||2||colspan="2"|-||colspan="2"|-||14||2 |-

|- |2018||杭州女子倶楽部||6||中国2部|| || || || || || || || |-

|- |2018-19||メルボルン・シティWFC||2||Wリーグ||11||3||colspan="2"|-||colspan="2"|-||11||3

|- |2019||オルカ鴨川FC||10||なでしこ2部||18||2||7||0||colspan="2"|-||25||2 |-

|- |2019-20||メルボルン・シティWFC||2||Wリーグ||12||1||colspan="2"|-||colspan="2"|-||12||1 |-

|- |2020||オルカ鴨川FC||10||なでしこ2部||17||2||colspan="2"|-||2||0||19||2 |- |2021-22||rowspan="3"|サンフレッチェ広島レジーナ||rowspan="2"|10||rowspan="3"|WE||16||0||colspan="2"|-||2||1||18||1 |- |2022-23||16||1||2||0||2||0||20||1 |- |2023-24||2||||||6||0||1||0||7||0 256||37||30||3||49||15||335||55 35||4||7||0||2||0||44||4 12||0||6||0||4||1||22||1 49||9||colspan="2"|-||colspan="2"|-||49||9 || || || || || || || 352||50||43||3||55||16||450||69 |}

  • WEリーグ
    • 初出場 - 2021年9月12日 第1節 ちふれASエルフェン埼玉戦 (熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
    • 初得点 - 2023年3月18日 第11節 マイナビ仙台レディース戦 (広島広域公園第一球技場)

|2013-14||アーセナルLFC||4||2||0 |- !通算!!colspan="2"|UEFA |2||0 |}

代表

  • 2005年3月29日 - 日本女子代表初出場 - 戦(国際親善試合、オーストラリア・ミランダ)
  • 2008年8月12日 - 日本女子代表初得点 - 戦(北京オリンピック、中国・上海)

選出歴等

  • 1999年 U-15日本女子代表
  • 2000年 U-18日本女子代表 アディダスカップ (アメリカ)
  • 2001年 U-18日本女子代表 アディダスカップ (アメリカ)
  • 2002年 U-19日本女子代表 世界選手権大会 (カナダ) ベスト8、12月 日本女子代表合宿初招集
  • 2003年 ユニバーシアード代表 (韓国大会) 銀メダル
  • 2005年 ユニバーシアード代表 (トルコ大会) 銅メダル
  • 2007年 第5回FIFA女子ワールドカップ
  • 2008年 北京オリンピック 4位
  • 2008年 東アジア女子サッカー選手権2008 優勝
  • 2010年 第16回アジア競技大会 (中国・広州) 優勝
  • 2010年 東アジア女子サッカー選手権2010 優勝
  • 2011年 第6回FIFA女子ワールドカップ 優勝
  • 2012年 ロンドンオリンピック 銀メダル
  • 2015年 第7回FIFA女子ワールドカップ 準優勝

試合数

|- |2005||1||0 |- |2006||2||0 |- |2007||16||0 |- |2008||18||1 |- |2009||3||1 |- |2010||15||2 |- |2011||17||0 |- |2012||15||1 |- |2013||1||0 |- |2014||4||0 |- |2015||5||0 |- |2016||3||0 |- !通算 |100||5 |}

ゴール

# 開催日 開催都市 スタジアム 対戦国 結果 監督 大会 出典
1.2008年8月12日CHN 上海上海体育場○ 5-1佐々木則夫北京オリンピック
2.2009年8月1日FRA モンタルジモーリス・ベロー・スタジアム○ 4-0望月聡(代行)国際親善試合
3.2010年2月6日JPN 東京味の素スタジアム○ 2-0佐々木則夫東アジア女子サッカー選手権2010
4.2010年5月8日JPN 松本松本平広域公園総合球技場アルウィン○ 4-02010 AFC女子アジアカップ壮行試合
5.2012年4月1日JPN 仙台ユアテックスタジアム仙台△ 1-1キリンチャレンジカップ2012

タイトル

クラブ

  • JPN 日テレ・ベレーザ
    • 日本女子サッカーリーグ:5回 (2005、2006、2007、2008、2010)
    • なでしこリーグカップ:2回 (2007、2010)
    • 皇后杯全日本女子サッカー選手権大会:5回 (2004、2005、2007、2008、2009)
  • JPN INAC神戸レオネッサ
    • なでしこリーグ:3回(2011、2012、2013)
    • なでしこリーグカップ:1回(2013)
    • 皇后杯全日本女子サッカー選手権大会:4回(2011、2012、2013、2015)
    • 日韓女子リーグチャンピオンシップ:2回 (2011、2012)
  • ENG アーセナル・レディースFC
    • FA女子カップ:1回(2014)
  • AUS キャンベラ・ユナイテッドFC
    • Wリーグ プレミアシップ(リーグ1位):1回(2016-17)
  • AUS
    • Wリーグ チャンピオンシップ:2回(2017-18、2019-20)
  • JPN サンフレッチェ広島レジーナ
    • WEリーグカップ: 1回 (2023-24)

代表

  • 日本代表
    • FIFA女子ワールドカップ:1回 (2011)
    • アジア競技大会: 1回 (2010)
    • 東アジア女子サッカー選手権: 2回 (2008、2010)

個人

  • 日テレ・ベレーザ
    • 日本女子サッカーリーグ新人賞 (2003)
    • なでしこリーグベストイレブン:4回 (2007、2008、2009、2010)
    • なでしこリーグカップMVP:1回 (2007)
  • INAC神戸レオネッサ
    • なでしこリーグベストイレブン:2回 (2011、2012)
  • キャンベラ・ユナイテッドFC

主なメディア出演

CM

  • 日本航空(2015年)

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/04/22 12:22 UTC (変更履歴
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