役所広司 : ウィキペディア(Wikipedia)

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役所 広司(やくしょ こうじ、1956年1月1日 - )は、長崎県諫早市出身の日本の俳優。本名は橋本 広司(はしもと こうじ)。現代の日本映画を代表する俳優である。

ワイ・ケイ事務所所属。身長179cm。俳優・仲代達矢主宰の無名塾出身。

来歴・人物

公務員から俳優へ

1956年1月1日、長崎県諫早市で生まれる。大村市の長崎県立大村工業高等学校卒業後、上京して東京都千代田区の千代田区役所土木工事課に勤務。友人に連れられて観劇した仲代達矢主演の舞台公演『どん底』に感銘を受け俳優への道を志す。200倍もの難関である仲代が主宰する俳優養成所「無名塾」の試験に合格。芸名は前職が役所勤めだったことに加え、「役どころが広くなる」ことを祈念して仲代が命名。

デビュー後の活躍

当初は所属する無名塾の舞台公演に出演。1980年のNHK連続テレビ小説『なっちゃんの写真館』でテレビデビューを果たす。主に時代劇で評価を得ていた。1983年のNHK大河ドラマ『徳川家康』の織田信長役で注目を集め、翌1984年のNHK新大型時代劇『宮本武蔵』の主人公・武蔵役で初めて主演に抜擢され、好評を得る。民放の時代劇作品では、『三匹が斬る!』シリーズなどが代表作。

映画では、伊丹十三監督作品の『タンポポ』などに出演。1988年の日本・スイス合作映画『アナザー・ウェイ ―D機関情報―』(西村京太郎の小説『D機関情報』の映画化作品。山下耕作監督作品)の主人公・関谷海軍中佐役で映画初主演を果たす。『オーロラの下で』で初めて日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を獲得する。95年、『KAMIKAZE TAXI』(原田眞人監督)で毎日映画コンクール主演男優賞を受賞。 後にインタビューで「この賞が一番嬉しかった。」と語る。

この頃、役所が主演するドラマや映画は評価は高いもののヒットには恵まれず、制作発表の記者会見では「低視聴率男です」と自らネタにして笑いをとっていた。

作品の大ヒットから地位確立まで

1996年公開の『Shall we ダンス?』が大ヒット。さらに、『シャブ極道』(細野辰興監督作品)、『眠る男』(小栗康平監督作品)の演技が絶賛され、その年度の主演男優賞を総ざらいする。1997年の『失楽園』も大ヒット。今村昌平監督の映画『うなぎ』が1997年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞すると、この2年で20以上の映画賞を獲得。(今村とは、今村の遺作『赤い橋の下のぬるい水』でも共演)以後、黒沢清青山真治らが監督を務める映画へ出演。東京国際映画祭での主演男優賞受賞、1996年から7年連続で日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞するなど、毎年の映画祭でその名前を挙げられないことはないほど名実共に、日本を代表する映画俳優となった。

世界進出

2005年にはアジアを代表する俳優、ハリウッドを牽引するスタッフが集結したことで話題を呼んだ『SAYURI』に参加。また、2006年のカンヌ国際映画祭にで監督賞を受賞した『バベル』では、ブラッド・ピットと共演。2007年には日米伊合作映画『シルク』に中谷美紀、キーラ・ナイトレイとも共演。シカゴ国際映画祭主演男優賞、バレンシエンヌ国際映画祭オマージュ賞、アジア太平洋映画祭主演男優賞、ゴッサム賞アンサンブル演技賞、東京国際映画祭主演男優賞、パームスプリング国際映画祭アンサンブル演技賞、サンディエゴ映画批評家協会アンサンブル演技賞、アメリカ俳優組合賞ノミネートなど海外でもその高い演技力に対し賞が贈られている。インタビューなどで「いい作品があれば、海外のものにも出たいが日本映画で認められたい。」と語っている。

その他

  • 無名塾の入塾試験では、大声で台詞をしゃべれといわれ、あまりの大声を出したため失神寸前で倒れてしまった。
  • 映画での活躍が目立つにつれテレビドラマの出演は稀になったが、日本テレビ系列で放送中の『東京日和』とテレビ東京系列で放送中の『日経スペシャル ガイアの夜明け』では進行役を務めている。
  • 1980年代前半に発表されていた一部資料の生年月日と差異があるがミスプリントであると思われる(ノート参照)。
  • イメージキャラクターを10年以上務めた名古屋の紳士服量販店(トリイ)がメンズプラザアオキに買収された際に、そのままイメージキャラクターを続けることになりアオキのCMに出演している。

出演作品

映画

  • 遠野物語(東宝・佐々木初太郎)
  • 闇の狩人 松竹=俳優座 1979.06.17 
  • 鬼龍院花子の生涯(1982.06.05) 
  • ひめゆりの塔(1982年6月12日・東宝・大高見習士官)
  • タンポポ(1985年11月23日・東宝・白服の男)全米大ヒット
  • アナザー・ウェイ ―D機関情報―(1988年9月17日・東宝東和・関谷直人)日本・スイス合作
  • オーロラの下で(1990年8月3日・東映・後藤俊夫)日本・ソ連合作
  • 極東黒社会(東映)
  • 紅蓮華
  • しのいだれ(1994年3月10日 大映・吉川一平)
  • KAMIKAZE TAXI(1995年4月29日・ビターズエンド・寒竹一将)バレンシエンヌ映画祭審査員特別賞・監督賞受賞
  • Shall we ダンス?(1996年1月27日・東宝・杉山正平)全米大ヒット、ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画賞、シカゴ映画批評家賞外国語映画賞、放送映画批評家賞外国語映画賞など受賞
  • シャブ極道(1996年5月27日・大映 真壁五味)
  • バウンス Ko GALS(1997年・松竹・1997年10月18日)ロッテルダム映画祭招待作品
  • 失楽園(1997年5月10日・東映・久木祥一郎)モントリオール映画祭コンペティション
  • うなぎ(1997年5月24日・松竹・山下拓郎)カンヌ映画祭パルムドール受賞
  • CURE(1997年12月27日・松竹富士・高部賢一)東京国際映画祭主演男優賞受賞、トロント映画祭招待作品
  • 絆 -きずな- (1998年・東宝)
  • たどんとちくわ(1998年12月5日・ギャガ・コミュニケーション・木田)
  • ニンゲン合格(1999年1月23日・松竹・藤森岩雄)ベルリン映画祭招待作品・第11回東京国際映画祭アジア映画賞スペシャル・メンション(審査員特別賞)
  • 金融腐食列島 呪縛(1999年9月18日・東映・北野浩)ベルリン映画祭招待作品
  • カリスマ(1999年・日活・藪池五郎)カンヌ映画祭招待作品、トロント映画祭招待作品
  • どら平太(2000年5月13日・東宝・望月小平太)ベルリン映画祭招待作品、サンフランシスコ映画祭招待作品
  • EUREKA(2001年1月20日・東京テアトル・沢井真)カンヌ映画祭国際批評家連盟賞・エキュメニカル賞、シンガポール映画祭グランプリ受賞、ベルギー王立アーカイブ・グランプリ受賞
  • 回路(2001年2月3日・東宝・船長)カンヌ映画祭国際批評家連盟賞受賞
  • 降霊(2001年5月12日・スローラーナー・佐藤克彦)ロカルノ映画祭招待作品、トロント映画祭招待作品
  • 赤い橋の下のぬるい水(2001年11月3日・日活・笹野陽介)カンヌ映画祭コンペティション、シカゴ映画祭主演男優賞受賞、モントリオール映画祭招待作品
  • 突入せよ! あさま山荘事件(2002年5月11日・東映・佐々淳行)パームスプリング国際映画祭招待作品
  • ドッペルゲンガー(2003年9月27日・アミューズピクチャーズ・早崎道夫とそのドッペルゲンガー)トロント映画祭招待作品、シアトル映画祭招待作品、釜山映画祭オープニング作品
  • 油断大敵(2004年1月17日・グルーヴコーポレーション・関川仁)
  • 東京原発(2004年3月13日・ザナドゥー・天馬都知事)シアトル映画祭招待作品、トロント映画祭招待作品
  • ほたるの星(2004年6月5日・角川映画・瀧口先生)
  • 笑の大学(2004年10月30日・東宝・向坂睦夫)釜山映画祭招待作品
  • レイクサイド マーダーケース(2005年1月22日・東宝・並木俊介)
  • ローレライ(2005年3月5日・東宝・絹見真一)
  • SAYURI(2005年12月10日・コロムビア映画)アメリカ映画 米アカデミー賞撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞受賞、ゴールデングローブ賞作曲賞受賞
  • THE 有頂天ホテル(2006年1月14日・東宝・新堂平吉)コニャック映画祭招待作品
  • 森のリトル・ギャング 日本語吹き替え版(RJ役、アフレコ)
  • それでもボクはやってない(2007年1月20日公開・荒川正義)
  • 叫(2007年2月24日公開・吉岡登)ベネチア映画祭招待作品
  • アルゼンチンババア(2007年3月24日公開・涌井悟)
  • バベル(2007年4月28日公開)アメリカ映画 米アカデミー賞作品賞ほかノミネート、カンヌ映画祭監督賞、ゴールデングローブ賞作品賞受賞
  • 象の背中(2007年秋公開・藤山幸弘)
  • シルク(2008年1月19日公開・原)日本・カナダ・イタリア合作
  • パコと魔法の絵本(2008年9月13日公開・大貫)
  • トウキョウソナタ(2008年公開・カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞・泥棒役)
  • ゼラチンシルバーLOVE(2009年3月公開)
  • 劒岳 点の記(2009年6月20日公開・古田盛作)※長男・橋本一郎も出演
  • ガマの油(2009年6月公開・初監督・主演作品)

:最後の忠臣蔵 (2011年公開予定)

テレビドラマ

  • 特命刑事(1980年・日本テレビ系列)最終話ゲスト
  • なっちゃんの写真館(1980年4月7日~10月4日・NHK連続テレビ小説)
  • おんな太閤記(1981年・NHK大河ドラマ)織田信孝役
  • 着ながし奉行(1981年・フジテレビ系列/後に主演する「どら平太」と同じ原作でこの時の主演は師匠の仲代達矢)
  • 闇を斬れ 第5話「恋姿・謎の美剣士」(1981年・関西テレビ系列)菊川彦三郎役
  • 徳川家康(1983年・NHK大河ドラマ)織田信長役
  • 宮本武蔵(1984年・NHK新大型時代劇)宮本武蔵役 エランドール新人賞・テレビ大賞新人賞受賞
  • 親戚たち(1985年・フジテレビ系列、雲太郎役)
  • いのち(1986年・NHK大河ドラマ)浜村直彦役
  • チョッちゃん(1987年・NHK)
  • モナリザたちの冒険(1987年・TBS系列)
  • 三匹が斬る!シリーズ(1987年~1995年・テレビ朝日系列)千石=久慈慎之介役
  • 男たちの運動会(1989年・NHK)
  • 燃えよ剣(1990年・テレビ東京系列)土方歳三役
  • 愛の世界(1990年・日本テレビ系列)
  • 女王蜂(1990年・テレビ朝日系列)金田一耕助役
  • 武田信玄(1991年・TBS系列・新春時代劇スペシャル・武田信玄役)
  • 世にも奇妙な物語 『ハッピーバースデイ・ツー・マイホーム』(1991年、フジテレビ系)
  • 朝日のあたる家(1991年・よみうりテレビ)伊丹建彦役
  • 青春の門(1991年・テレ東系列)伊吹重蔵役
  • 悲しくてやりきれない(1992年・TBS系列)
  • 雀色時(1992年・日本テレビ系列)
  • 八丁堀捕物ばなし(1993年・フジテレビ系列)
  • 殺人の駒音(1993年・)
  • 花の乱(1994年・NHK大河ドラマ)伊吹三郎役
  • 刑事追う!(1996年・テレ東系列)
  • オトナの男(1997年7月6日~9月28日・TBS系列)水町大二郎役
  • 刑事クマさん(1998年・TBS系列)権藤健役
  • 幽婚(1998年)
  • 刑事たちの夏(1999年・日本テレビ系列)
  • 降霊(1999年〈2001年劇場公開〉 関西テレビ )黒沢清監督
  • 合い言葉は勇気(2000年7月6日~9月14日・フジテレビ系列)暁仁太郎役
  • 盤嶽の一生(2002年・フジテレビ系列)阿地川盤嶽役
  • 砦なき者(2004年・テレビ朝日(開局45周年記念企画))長坂文雄役
  • 駅路(2009年(松本清張生誕100年記念ドラマ)フジテレビ系列)
  • わが家の歴史 (2010年春、フジテレビ開局50周年企画)※声の出演

舞台

  • 毒の華(1981年・サンシャイン劇場)
  • ベント(1986年・パルコ劇場)
  • AZUCHI(1987年・セゾン劇場)
  • BURN THIS 焼却処分(1991年・パルコ劇場)
  • 恋人たちの短い夜(1993年・シアターコクーン)
  • 巌流島(1996年・パルコ劇場)
  • 八月に眠れ ~リム亭奇譚~(2000年・京王プラザホテル)
  • ふたたびの恋(2003年・パルコ劇場他)

テレビ番組

  • うまいが一番(出演・ナレーションフジテレビ)
  • ネシアの旅人(テレビ東京系・ナレーション)
  • 日経スペシャル ガイアの夜明け(案内人、テレビ東京)
  • 東京日和(ナレーション、日本テレビ)
  • イチ流(イチロー特集・テレビ朝日系列)

吹き替え

  • バンド・オブ・ブラザース(リチャード・ウィンターズ中尉)
  • 森のリトルギャング(RJ)

アニメ映画

  • ATOM(テンマ博士)

CM

  • 第一製薬(現:第一三共ヘルスケア)「カロヤンアポジカΣ」(1990年 - 2000年)
  • 日野自動車「スーパードルフィン・プロフィア」(1992年)
  • トヨタ自動車「カリーナ」(1996年)
    • 「ハイブリッド シナジードライブ/プリウス」 『蒼い輝き篇』 (2007年2月 - )
  • ハウス食品「ジャワカレー」(1998年 - 2000年)
  • キリンビール「一番搾り」(2000年)
  • 競艇
  • ニフティ「BB@nifty」(2003年 - 2005年)
  • メンズプラザアオキ(2004年 - 2009年)
  • ANA(2005年)
  • エースコック「はるさめヌードル・ライスヌードル」(2006年)
  • エーザイ「セルベール整胃錠」(2006年)
  • 中央三井信託銀行
  • キリンビバレッジ「生茶」(2008年)
  • 大和ハウス工業「ダイワハウスが言えない男編」(2008年 - )
  • サントリー「ザ・ストレート」(2009年 ‐ )
  • セイコーエプソン「カラリオ」(2009年 - )

関連項目

  • TBS「いのちの響」

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2009/11/06 19:13 UTC (変更履歴
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