ファニー・アルダン : ウィキペディア(Wikipedia)

ファニー・アルダン(Fanny Ardant, 1949年3月22日 - )は、フランス・ソミュール出身の女優、監督、舞台演出家。

同国を代表する女優の一人で、1997年にセザール賞の最優秀女優賞を受賞している。

来歴

モナコで育ち、大学に通うためにフランスに戻った。1971年にグランゼコールであるエクサン=プロヴァンス政治学院を卒業した。20代前半より演劇に興味を持つようになり、ロンドン在仏大使館勤務を経て1973年に演劇学校に入学。翌1974年に初舞台、1976年に映画デビュー。

TVミニ・シリーズ「Les dames de la côte」(1979年、ニナ・コンパネーズ監督)の演技に感銘を受けたフランソワ・トリュフォーが、『隣の女』のヒロインに抜擢し、一躍脚光を浴び、続く『日曜日が待ち遠しい!』にも主演した。これが縁で、トリュフォーとはプライベートでもパートナーとなり、1983年に娘が生まれた。

イタリア語、スペイン語、英語も流暢なため、スペイン映画やアメリカ映画にも登場している。

なお、セザール主演女優賞は1997年に『ペダル・ドゥース』で受賞し、『隣の女』『日曜日が待ち遠しい!』『8人の女たち』『麗しき日々』で候補となっている。

赤い旅団に関する失言

イタリアの極左テロ組織赤い旅団について、「魅力的で情熱的」とコメントし、この組織の設立者の1人であるについて、自分の主義を変えない英雄として賞賛し、イタリア側の遺族による抗議や不満が殺到し、後に謝罪のコメントを出した。

主な出演作品

公開年邦題原題役名備考
1979 護衛犬都市Les chiens 看護師 VHS発売
1981 愛と哀しみのボレロLes uns et les autres ヴェロニク
隣の女La femme d'à côté マチルド・ボシャール
1983 日曜日が待ち遠しい!Vivement dimanche ! バルバラ・ベッケル
ベンヴェヌータBenventua ベンヴェヌータ 東京国際映画祭上映
1984 スワンの恋Un amour de Swann ゲルマント公爵夫人
死に至る愛L'amour à mort ジュディット・マルティニャク 特殊上映 TV5monde放映
1986 メロMélo クリスティアンヌ・レヴェック
1987 ラ・ファミリアLa famiglia アドリアーナ
1988 ナイジェリア内戦/ビアフラ最後の日Médecins des hommes: La naissance, Le pays du Soleil levant ナタリー VHS発売TV映画
三人姉妹Paura e amore ヴェリア・パリーニ
1991 アフレード・オブ・ザ・ダークAfraid of the Dark ミリアム 東京ファンタスティック映画祭上映
Rien que des mensonges ミュリエル
1994 愛の報酬/シャベール大佐の帰還Le colonel Chabert フェロー伯爵夫人
1995 百一夜Les cent et une nuits de Simon Cinéma
愛のめぐりあいAl di là delle nuvole パトリシア
サブリナSabrina イレーヌ
1996 ペダル・ドゥースPédale douce エヴァ 受賞
リディキュールRidicule ブライヤック伯爵夫人
1998 星降る夜のリストランテLa cena フローラ
エリザベスElizabeth メアリ・オブ・ギーズ
1999 オーギュスタン 恋々風塵Augustin, roi du Kung-fu 本人役
バルザック 情熱の生涯Balzac エヴェリーナ・ハンスカ テレビ映画
アマゾン大漂流Le fils du Français アン DVDスルー
2001 ウェルカム!ヘヴンSin noticias de Dios マリーナ・ダンジェロ
2002 8人の女たち8 femmes ピレット
永遠のマリア・カラスCallas Forever マリア・カラス
2003 恍惚Natalie... カトリーヌ
2006 パリ、ジュテームParis, je t'aime ファニー
2007 秘密の祈りThe Secrets アヌーク
2009 ヴィザージュ Visage プロデューサー/ヘロディアス女王
2012 裏切りのスナイパーLe guetteur バルバラ(ジョヴァンニの妻)
再会Nos retrouvailles エリザベット・アンドリウ TV映画TV5Monde放映
2013 グレート・ビューティー/追憶のローマLa grande bellezza
麗しき日々Les beaux jours カロリーヌ DVD発売 WOWOW放映
ランザック一族Le clan des Lanzac エリザベット・ランザック TV映画 TV5Monde放映
2014 Casanova Variations ルクレチア
レンズ越しの恋La séance カスティリオーヌ伯爵夫人 短編映画 TV5Monde放映
2015 For This Is My Body マドレーヌ・ブラウン
2017 私は、マリア・カラスMaria by Callas 朗読 ドキュメンタリー映画
2019 ペルドリックスPerdrix テレーズ・ペルドリックス
ベル・エポックでもう一度La Belle Époque マリアンヌ 受賞

監督作品

  • 2009:Cendres et sang *上映題及び放映題「灰と血」
  • 2010:Chimères absentes (短編)
  • 2013:Cadences obstinées
  • 2016:Et derrière moi une cage vide

舞台演出作品

主な舞台出演

  • 1974:ピエール・コルネイユ作《ポリウクト》
  • 1977:ジャン・ラシーヌ作《エステル》
  • 1978:ジャン・ジロドゥ作《エレクトル》
  • 1979:ポール・クローデル作《黄金の頭》
  • 1983:ストリンドベリ《令嬢ジュリー》(アンドレアス・ヴシナス演出)
  • 1987:モリエール作《ドン・ジュアン (戯曲)|ドン・ジュアン》(フランシス・ユステール演出)
  • 1989:ピランデッロ作《恩威にまかす》
  • 1992:ジャン=クロード・カリエール作《恋のメモランダム》(ベルナール・ジロドー共演)
    • モリエール賞女優賞候補
  • 1995:マルグリット・デュラス作《La Musica deuxième》
  • 1996:テレンス・マクナリー作《マスター・クラス》(ロマン・ポランスキー演出/マリア・カラス役)
    • モリエール賞女優賞候補
  • 2002:ジョン・マレル作《サラ - 追想で綴る女優サラ・ベルナールの一生》(サラ・ベルナール役)
  • 2004:ルイジ・ケルビーニ作曲:歌劇《メデ》(ジャン=ポール・スカルピッタ演出/語り役)
  • 2004:デュラス翻訳・ヘンリー・ジェイムズ原作《密林の獣》La bête dans la jungle(ジェラール・ドパルデュー共演)
  • 2005:オネゲル作曲・クローデル台本:音楽劇《火刑台上のジャンヌ・ダルク》(スカルピッタ演出/ジャンヌ・ダルク役)
  • 2006:デュラス作《死の病い》
  • 2009:ジャン=リュック・ラガルス作《Music-hall》(ランベール・ウィルソン演出)
  • 2009:ストラヴィンスキー作曲:音楽劇《兵士の物語》(フェニーチェ劇場 ヴェネツィア/語り役)
  • 2010:音楽劇《火刑台のジャンヌ・ダルク》(ザルツブルク音楽祭)
  • 2014:デュラス作《木立の中の日々》
  • 2015:ミカエル・ジャレル作曲:音楽劇《Cassandre》(アヴィニョン、ジュネーヴで公演)

出典

外部リンク

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