金秀吉(キム・スギル、1961年11月27日 - )は映画監督、脚本家、映像プロデューサー。大阪芸術大学短期大学部客員教授。大阪市生まれ。
遍歴
映画監督・今村昌平主宰の横浜放送映画学院(現・日本映画学校)、「今村賞」受賞卒業。その後、一年、研究科課程で特に、シナリオと演出の研鑽を積む。
在学中、18歳の時に書いた在日コリアン三世の少女と、監督自身も学生時代やっていたラグビーを愛する青年の恋愛をテーマにした「潤(ユン)の街」で、映画界の芥川賞といわれる脚本登龍門の城戸賞を史上最年少で受賞。映画化作品はカンヌ国際映画祭批評家週間や、モントリオール・ハワイ・プサンなどの国際映画祭に正式招待される。
正式プロ・デビューは21歳の時、東陽一監督・樋口可南子・草刈正雄主演の片岡義男原作「湾岸道路」の脚本である。その後、東陽一監督「橋のない川」、阪本順治監督「ボクサー・ジョー」などの脚本や、劇場公開用映画としては日本映画史上をとおして異例に若い24歳(撮影時は23歳。ちなみに、この23歳監督デビューというのは、戦前の日本映画史上最年少デビューした「人情紙風船」の天才・山中貞雄監督と同じでもある。また、世界のミゾグチ、溝口健二監督は24歳デビューである)での監督デビューとなる「君は裸足の神を見たか」。日本の青春映画の佳作として、この映画への愛着を語る者も多い。シネマ・ジョヴァンニ(映画・青春&青年)という愛称をもつイタリア・トリノ国際映画祭でも絶大な支持を得た作品である。
また、23歳のプロ監督デビューは、映画監督などを志す当時の多くの若者たちにインパクトを与えたことも確かである。
その後、200人に及ぶ子どもたちの情感を心優しく描いたフランス・コルベイユ国際映画祭や、ブラジル地球サミット招待作「あーす」などの監督・脚本作品がある。この映画では、28歳という若さで映画プロデューサーも兼任する。
「潤の街」「あーす」「橋のない川」は、文化庁年間優秀作品賞受賞作品でもある。
また、1996年度には、文化庁芸術家国内インターンシップの任命を受けている。
1999年には、「尚美/蜜代」にてアメリカの監督兼俳優のロバート・レッドフォードが主宰するサンダンスとNHK共同主催のサンダンス・NHK国際映像作家賞日本優秀作品賞を受賞。
最新監督作は南果歩・吉村実子・西山繭子・水谷妃里など個性的な女優陣出演の「千の風になって (映画)」(2004)。昨今の日本映画では貴重ともいえる、人間をまっすぐ見つめながらも、娯楽性も忘れない、すがすがしく爽やかな作風がここでも発揮されている。この作品では、他に脚本やプロデューサーも担当している。劇場公開が終わった現在も、その主題歌の人気と共に、全国各地のホールなどでの上映が数多くおこなわれている。
桃山学院大学や、近畿大学文芸学部芸術学科演劇・芸能専攻(2006年・舞台芸術専攻に改称)で講師として11年教鞭をとったあと、現在は、大阪芸術大学短期大学や、その指導歴20年になる大阪スクールオブミュージック専門学校、そして代表する映画・映像制作会社などで、プロスタッフやシナリオライターや俳優を育成するための後進の指導にも当たっている。
1991年、大阪市咲くやこの花賞受賞。テレビ、ラジオ作品、アニメや各種プロモーションを含む、幅広いジャンルのビデオ作品のプロデュース・監督・編集・構成作や、ミュージカルの舞台演出作品などもある。
2008年4月、大阪芸術大学短期大学広報学科客員教授就任。
大阪在住ゆえもあるのか、劇映画の作品数少なく、日本映画監督トップともいえる巨漢をいかしたパワフルな映画作りが、師匠の今村昌平監督亡き後、とくにのぞまれる。
現在、大阪が生んだ有名作家・織田作之助や、大阪をテーマにした映画つくりを企画している。
2008年12月、キアヌ・リーブスが大阪に来た日のテレビのニュース番組に出演した金は、「大阪はどこを撮っても魅力がある。映画の都になれる」とコメントしている。
NHK全国放送の旅番組などにおいても、大阪の町と海に沈む夕陽を愛する者としても知られる。
ポップ・アーティストの半生を描いた「回帰線0」や、町プロモーションの「浜寺物語」など、個人やグループ依頼などの制作や上映にも取り組んでいる。
映画愛と名付けられたブログ<キム・シネマクリエイト・情報ブログ>もある。
監督作品
- 君は裸足の神を見たか (1986年)
- あーす (1990年)
- いちばん近くに (1994年) - アニメ
- 尚美(サンミ)/蜜代 (2000年)
- 明日への扉 (2002年) - アニメ
- 千の風になって (2004年)
- ホップ・ステップ・ダンス (2005年)
- 郷土映画・ナノハナ(2007年)
- 回帰線0・ZERO(2008年)
- 浜寺物語(2008年)
脚本作品
- 潤の街 (1980年 - 1989年に映画化
- 湾岸道路 (1984年) - 東陽一監督
- あーす (1989年)
- 橋のない川 (1990年) - 東陽一監督
- いちばん近くに (1994年)
- ボクサージョー(1996年) - 阪本順治監督
- 尚美/蜜代 (2000年)
- 千の風になって (2004年)
- ホップ・ステップ・ダンス (2005年)
- ナノハナ(2007年)
- 回帰線0・ZERO((2008年)
- 浜寺物語(2008年) 構成
外部リンク
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