奥村一 : ウィキペディア(Wikipedia)

奥村 一(おくむら はじめ、1925年1月13日 - 1994年4月2日)は、日本の作曲家。埼玉県出身。

略歴

1944年に陸軍戸山学校軍楽生徒隊に入隊し、オーボエを与えられた。東京音楽学校本科作曲科を1947年に卒業、同研究科を1949年に修了。成田為三、橋本国彦、細川碧、信時潔、伊福部昭らに作曲を、永井進にピアノを師事。音楽学校からの同期には芥川也寸志、梶原完、斎藤高順ら14人がいる芥川也寸志『音楽の旅』旺文社, 1981年, p24。1950年代から1960年代には多くの映画音楽を手がけた。

ピアノ作品が多く、リズムとダイナミックスを際立たす音楽が多い。代表作には1961年に書かれた「ピアノ・ソナチネ第4番」がある。

吹奏楽の分野では、藤田玄播、斎藤高順、岩河三郎、岩井直溥、名取吾朗、川崎優、桑原洋明とともに作曲家グループ「ニューエイトの会」を結成し、意欲的に新曲の作曲を行った。行進曲「太陽の下に」が第19回全日本吹奏楽コンクールの課題曲になり、また全日本吹奏楽連盟の委嘱により第27回全日本吹奏楽コンクール課題曲として行進曲「青春は限りなく」を作曲している。

さいたま市立宮前中学校の校歌も手掛けた。

主要作品

ピアノ曲

  • ピアノ・ソナタ第1番(1949年)
  • ピアノ・ソナタ第2番(1956年)
  • ピアノ・ソナタ第3番
  • ピアノ・ソナチネ第1番
  • ピアノ・ソナチネ第2番(1960年)
  • ピアノ・ソナチネ第3番(1961年)
  • ピアノ・ソナチネ第4番(1961年)
  • ピアノ・ソナチネ第5番(1968年)
  • ピアノのための二つのソナタ
  • ピアノのためのカプリチオ
  • ピアノ独奏曲いたずらっ子のプレリュード
  • ピアノ独奏曲ハイウェイ
  • 日本民謡ピアノ曲集1・2集(1963年)
  • おどり
  • 即興舞曲
  • トッカータ「工事現場」
  • 花に寄せる3つの前奏曲
  • 2台のピアノのための「屋台ばやし」
  • ピアノ協奏曲
  • 「こどもの広場」ピアノ曲集
  • 「4つのおはなし」ピアノ曲集
  • 「こどもの城」ハイウェイ
  • 子供のための2つの作品
  • 子供のためのソナチネ
  • 「黒いひとみ」の主題による幻想曲(セルゲイ・クロマコフ名義)
  • モスクワの想い出:赤いサラファンによる幻想曲(セルゲイ・クロマコフ名義)

その他の器楽曲

  • フルート、チェロ、ピアノのためのトリオ「日本の初春」(1969年)

吹奏楽曲

  • 行進曲「若人の力」(1966年)
  • 行進曲「われら若人」(1966年)
  • 音戸の舟唄(1968年)
  • 金管アンサンブルのためのコンポジション(1968年)
  • バンドのための組曲(1969年)
  • 行進曲「オン・トップ・フライング」(1970年)
  • バンドのための前奏曲「祈り」(1970年)
  • 行進曲「太陽の下に」(1971年) - 第19回全日本吹奏楽コンクール課題曲
  • バンドのための舞曲「ラプソディー」(1972年)
  • 組曲「秩父夜祭り」(1976年)
  • 幻想的詩曲「十和田湖」(1977年)
  • 御陣乗太鼓への幻影(1978年)
  • バレエ「登呂の人々」豊作祭の踊り(1979年)
  • 行進曲「青春は限りなく」(1979年) - 全日本吹奏楽連盟委嘱作品(第27回全日本吹奏楽コンクール課題曲)
  • ドラマチック・ファンタジー「阿修羅像」(1980年) - 東京吹奏楽団委嘱作品
  • ピアノとウインドオーケストラのための「ラプソディ」 (1982年)
  • 葬列(1984年)
  • 故郷

バレエ音楽

  • 祭り
  • 登呂遺跡
  • 天草四郎

オペラ

  • 人待つ女(1958年)
  • モノオペラ「静」(1970年)
  • お夏狂乱
  • 羽衣

声楽曲

  • ちいさいエトランゼ(作詞:持田勝穂)(1967年)
  • 一本の樫の木
  • 春四月(新しい日本の歌=第12集 合唱編)
  • 榛名賛歌
  • 第2回日本ジャンボリーの歌
  • 社歌
  • 越谷市の歌
  • 群馬県立富岡高等学校校歌
  • 群馬県立板倉高等学校校歌
  • さいたま市立宮前中学校校歌
  • さいたま市立尾間木中学校校歌
  • コンピュータの世界
  • 埼玉県上尾市立太平中学校校歌

映画、ラジオドラマ音楽

  • 本日休診(1952年)
  • 波(1952年)
  • 二つの花(1952年)
  • 父帰る(1952年)
  • 「幻なりき」より 郷愁(1952年)
  • 坊ちゃん重役(1952年)
  • 現代人(1952年)
  • 若君罷り通る(1952年)
  • 花咲く我が家(1952年)
  • 夢見る人々(1953年)
  • お役者小僧(1953年)
  • 愛慾の裁き(1953年)
  • 落葉日記(1953年)
  • 真珠母(1953年)
  • めぐり逢い(1953年)
  • 次郎吉娘(1953年)
  • 荒川の佐吉 遊侠夫婦笠(1953年)
  • 連続放送劇「潮騒」(1954年)
  • 蛮から社員(1954年)
  • 若き日の誘惑(1954年)
  • 恋愛パトロール(1954年)
  • 勲章(1954年)
  • 新婚たくあん夫婦(1954年)
  • 怪人二十面相 第一部 人か魔か?(1954年)
  • 名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第二部 巨人対怪人(1954年)
  • 名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第三部 怪盗粉砕(1954年)
  • 僕は横丁の人気者 第一部陽気なゴン兵さん(1955年)
  • 僕は横丁の人気者 第二部フーちゃんの子守唄(1955年)
  • むすこ大学(1956年)
  • 美貌の園 前篇嘆きの花 後篇愛憎の夜(1956年)
  • 見事な娘(1956年)
  • 魔の季節 春のみづうみ(1956年)
  • お母さんの黒板(1956年)
  • 鬼の居ぬ間(1956年)
  • 楽天夫人(1956年)
  • 茶の間の時間 愛情の波紋(1956年)
  • 天上大風(1956年)
  • 白磁の人(1957年)
  • 近くて遠きは(1957年)
  • オーケストラの姉妹(1957年)
  • 折鶴さんど笠(1957年)
  • わが胸に虹は消えず 第一部(1957年)
  • わが胸に虹は消えず 第二部(1957年)
  • 月と接吻(1957年)
  • おトラさん(1957年)
  • 消された刑事(1958年)
  • デン助の小学一年生(1958年)
  • JA750号機行方不明(1959年)
  • 一刀斎は背番号6(1959年)
  • トップ屋取材帖 迫り来る危機(1959年)
  • 闇に光る眼(1960年)
  • 勝利と敗北(1960年)
  • 素晴らしき遺産(1960年)
  • お嬢さんの散歩道(1960年)
  • 女妖(1960年)
  • 百万弗を叩き出せ(1961年)
  • 風神雷神(1962年)
  • 野獣の青春(1963年)
  • 悪太郎(1963年)
  • 黒の死球(1963年)
  • 花と怒濤(1964年)
  • 悪太郎伝 悪い星の下でも(1965年)

外部リンク

参考文献を兼ねる

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