偽装結婚を描く「私のプリンス・エドワード」、設定が秀逸なラブコメ「縁路はるばる」　新世代の香港映画、5月公開

2023年3月25日 08:00

エンタメ性と批評性を兼ね備えた香港映画の傑作を紹介する「新世代香港映画特集2023」が、5月19日から開催されることがわかった。上映されるのは「私のプリンス・エドワード」「縁路はるばる」の2作品。映画祭などで高く評価され、さらに興行面でも香港の年間BEST10にランクインした秀作だ。

「私のプリンス・エドワード」は、注目の新人監督ノリス・ウォンによる長編デビュー作。アラサー香港女性の「偽装結婚」を題材にしている。ノリス・ウォン監督が同じ女性の視点からつづる物語は世代や国を越えて共感を誘い、中国の批評家が選ぶ中華圏映画の年間1位に選出。香港のアカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨でも新鋭監督賞と音楽賞の2冠に輝いている。

「縁路はるばる」は、IT企業に勤める青年がタイプの違う魅力的な5人の女性と知り合うも、なぜか5人ともド田舎に暮らしていたがゆえに香港中を彷徨う羽目に……という設定が秀逸なラブ・コメディ。新世代の実力派俳優達が楽しげで伸びやかな演技を披露し金馬奨にもノミネートされた。

公開決定に伴い、2作品の日本版ポスタービジュアルも解禁。「私のプリンス・エドワード」は、偽装結婚をした過去を密かに精算しながら、真剣な交際のはずだった彼氏からのプロポーズにもときめくことができない香港人の女性が、現実に対処する過程で生まれるドラマを、2着のウェディングドレスと、香港という街を大胆に取り入れたビジュアルでデザイン。「縁路はるばる」は、同時期に異なる僻地に暮らす女性たちと付き合うという幸運に恵まれながらも、彼女たちに会いに行く過程で、それまで気づかなかった香港の魅力や、まだ見ぬ自分を発見していく様子を地図アプリに見立てながらデザインしたポスターとなっている。

「私のプリンス・エドワード」「縁路はるばる」は、5月19日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。各作品のあらすじは、以下の通り。

●「私のプリンス・エドワード」

香港のプリンス・エドワード地区にある金都商場（ゴールデンプラザ）は、結婚式に必要なドレスや小物、結婚写真の撮影依頼などが格安で揃えられるショッピングモール。ウェディングショップで働くフォン（ステフィー・タン）は、ウェディングフォト専門店のオーナーであるエドワード（ジュー・パクホン）と同棲中。ある日、エドワードからプロポーズを受けたフォンだったが、実は10年前に中国大陸の男性と偽装結婚しており、その婚姻がまだ継続中であることが発覚していた。偽装結婚の離婚手続きと結婚式の準備を同時に進める過程で、自分の心への無理強いに気付くフォンは…。

監督・脚本：ノリス・ウォン、出演：ステフィー・タン、ジュー・パクホン、バウ・ヘイジェン、ジン・カイジエ、イーマン・ラム、カーキ・サム