二階堂ふみ&吉沢亮「リバーズ・エッジ」に込めた“いま” : 映画ニュース

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二階堂ふみ&吉沢亮「リバーズ・エッジ」に込めた“いま”

2018年2月15日 17:00

インタビューシーンの舞台裏も明かす「リバーズ・エッジ」

インタビューシーンの舞台裏も明かす
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[映画.com ニュース] 「ヘルタースケルター」でも知られる岡崎京子氏の人気漫画を「パレード」「ナラタージュ」の行定勲監督が実写化した「リバーズ・エッジ」に出演した二階堂ふみ吉沢亮が、作品と共にもがいた撮影の日々を振り返った。

空虚な生活を送る女子高生の若草ハルナ(二階堂)やゲイであることから高校になじめず、いじめられる山田一郎(吉沢)らの日常が、河原に放置された“人間の死体”を中心に交錯していく姿を描く。2月15日から開催される第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門では、オープニング作品に選出された。

原作は90年代に一世を風靡(ふうび)し、今もなお新たなファンを獲得している人気作。「ヒミズ」の撮影中に本作と出合ったという二階堂は、「自分が日常で感じているものとか、持っている感情がそのまま作品の中にありました」と振り返る。「“つまらなさ”みたいなのがそのままでした。映画の現場とかの方が非日常で、学校に朝から夕方まで行ってる間ってものすごくつまらなかったんですよね。『何か起きないかなあ』『何かないかなあ』みたいに(思っていて)、ちょっと生きていることをないがしろにしている所があって。15~18歳ぐらいまでって多感な時期で、傷つきやすくて繊細な年頃で、だけど生きることにそこまで真剣じゃない。だから、ハルナが感じている『分からない』が、(自分と)近いのかなと今考えると思いますね」。


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それほどまでに自分と“近い”作品であれば、いざ演じる際にも葛藤があったのは想像に難くない。「岡崎さんのこの作品を裏切ってはいけないなという気持ちがあった」という畏怖や、「この数年の間に私も変化して、あのころ感じていた感情を22歳で表現できるのかなっていう焦りがありました」という苦悩を抱えていたというが、「私たちより若い人であったり同世代の人たちに何かを感じていただけるような作品にしたい」と腹をくくり、新たな世代に届ける気持ちで挑んだという。

対する吉沢は、「『リバーズ・エッジ』に出てくる彼らが持ってるエネルギー、それこそ暴力だったりセックスだったりドラッグに走ってしまう元となるエネルギーって、世代を問わずに今の若者も持っているもの。今はSNSに形が変わって、暴力は未だにあるし、SNSでの暴力もあるし、手段が増えたりしただけで、根本的な部分は持ってるものなのだと思います。だからこそ、今の若い人たちも見て刺さるものがあるんじゃないかな」と本作が描いた普遍性に言及。高校生たちの心の動きを鋭くとらえた本作に挑むからこそ、「変に声や表情を作ることは一切せずに、内面の動きだけを意識して、現場に“ただ、いる”という風にしました」と生々しさを生み出せるように努めた。

二階堂は吉沢の言葉にうなずき、「吉沢くんが言ってたように、『こう言おう』『ああ言おう』みたいなものはなかったと思います。キャスト全員が演技するっていうよりも、現場でどう生きるかっていうことの方に重きを置いていました」と振り返る。「最初の本読みの段階で、行定監督が『もう僕はこの世代から遠く離れてしまって、まったく分からないっていうところにいるから、逆に聞かせてほしい』っておっしゃってたんです」と監督の言葉を添える。


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これらの言葉からは、二階堂と吉沢をはじめとするキャストや行定監督ら製作陣が、キャラクターたちや若者の生の感情をフィルムに焼き付けようと腐心したさまがうかがえる。その思いが凝縮されたのが、映画化にあたって新たに追加された“インタビュー”のシーンだ。カメラを向けられたキャラクターたちが自分語りを行う姿からは、演技を超えた生々しさや痛みがにおい立ち、さらには二階堂や吉沢自身の言葉も絡まり、役と俳優の境界線があいまいになっていく。

吉沢は、くだんのシーンの撮影時を回想し、「セリフの部分もあり、あとは現場で監督が聞いてくることに答えるという感じでした。監督は、役の山田と、演じている吉沢亮の中間みたいなものが見たい、90年代の『リバーズ・エッジ』っていう作品を演じてる今の若者の声を入れたいと現場で撮る前におっしゃっていました」と明かす。「僕としては、山田でいなきゃダメだっていう変なプライドがあってやったんですが、(役の)深い部分をえぐり出さないと出てこないようなことを聞かれて、気づいたら吉沢亮になっちゃう瞬間があったというか……。『山田くんは強い人ですか? 弱い人ですか?』って聞かれたときに、『弱い人です』って言ったんですが、でも山田くんが自分のことを弱いと思ってるわけないよなって思って。それは山田を俯瞰(ふかん)で見ている吉沢亮の言葉だよなって思って、後悔したり。1個1個、戦ってました」。

吉沢の言葉を受けた二階堂は、「あのシーンがあったから自分とハルナというキャラクターが共存するというか、ずっと体の中にいる感覚みたいなのはありましたね」と語る。「ハルナが話しているのか、ハルナを演じている自分が話しているのか、それともハルナをやってるからこういう言葉が出てくるのか、ちょっとよく分からなくなる感じがありました。インタビューをいつやるかは、一切聞かされていなかったんです。『明日やるから』と急に割り当てられて、用意されている質問と、それ以外に何を聞かれるかも分からなかった。現場自体は和気あいあいと楽しかったんですが、カメラの前に立った瞬間に、最終的に突き放されて孤独になる。でもそれは、それぞれのキャラクターに必要なことでもあったんじゃないかなと思います」。

共演陣とは「よく飲みに行っていました」(二階堂)と充実の日々を過ごしたというが、カメラの前では役者として、役として徹底的に格闘する。二階堂と吉沢が語った“覚悟”と“痕跡”は、画面の端々に確かに息づいている。本作のテーマでもある“平坦な戦場”を生き抜いた2人は、「この歳でできてよかった」と声をそろえた。

リバーズ・エッジ」は、2月16日から全国公開。

(映画.com速報)
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