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ライアン・ジョンソン監督「最後のジェダイ」で目指した“ミドルムービー”の最高評価

2017年10月16日 00:00

取材に応じたライアン・ジョンソン監督「スター・ウォーズ」

取材に応じたライアン・ジョンソン監督
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[映画.com ニュース]未だ神秘のベールに包まれながらも、12月15日の公開日が近づくにつれ、ファンの期待値が高まり続ける「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」。新たにシリーズを“再発進”させた「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のJ・J・エイブラムス監督からバトンを手渡されたライアン・ジョンソン監督は、驚きと創造性に満ちた中腹の物語によって、我々をどこに導こうとしているのか。(取材・文/編集部)

多くのクリエイターにとって、決して見て見ぬふりはできない「スター・ウォーズ」シリーズ。“SW育ち”を自認するジョンソン監督が、初めて同シリーズに触れたのは、4歳の頃。「スター・ウォーズ」(1977)を見に行った時の記憶は鮮明に残っているようで「(劇場に向かうために)父が車に乗せてくれたこと」すら覚えているほどだ。やがて、芽吹き始めた創造力には、あるアイテムが欠かせなかった。「70~80年代、僕が小さかった頃は、今みたいに映画を繰り返し見ることができなかったんだ。だから映画のイメージに付随するおもちゃが、とても大きな意味を持っていた」と明かすジョンソン監督。「僕自身もおもちゃで遊ぶことで、頭の中でストーリーを作り始めたんです。若い世代にも共通することですが『スター・ウォーズ』はただの映画ではない。僕らが初めてクリエイティブな作業をするきっかけとなった作品なんです」と深い愛をにじませた。

創造性を育んだ作品に監督として携わるという、クリエイターとしてはまさに夢のような日々を過ごしたジョンソン監督は、同シリーズの研究は勿論のこと、さらなるヒントを得るべく「ルーカスフィルムで“ムービーキャンプ”を行ったんだ」と告白。「見たことがあるもの、見たことがないものを問わず、チーム全員で様々な作品を鑑賞すること」を念頭にした“ムービーキャンプ”には、世界各国の名作がそろったようだ。「第二次世界大戦を題材にしたものでいえば『頭上の敵機』(50)や『戦場にかける橋』(57)。ソ連映画では『送られなかった手紙』(60)、日本の作品では『切腹』(62)や『三匹の侍』(64)を見ましたね。ほかの西洋の監督たちと同じく、黒澤明監督には影響を受けているんだけど、あえてその時は上映しなかったんだ。あまりにも馴染みのあるものだからね。とにかく色々なバリエーションの作品を見て、本作をつくる“スープ”の中に入れたんだ」。

3部作構成における第1章を“離陸”、第3章を“着地”と言い表すならば、ミドルムービーとなる第2章は、引き継いだ速度を保ちつつ、時には加速しながらも、次の物語にリンクさせるという“安定飛行”が求められる。「数ある3部作構成における最高のミドルムービー」として「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(80)を例に挙げ、同様の評価を得るべく奮闘したジョンソン監督は「トレーニング」という要素を重視したようだ。「レイ(デイジー・リドリー)がルーク(マーク・ハミル)から実際に受けるトレーニングだけでなく、それぞれのキャラクターの前に挑戦が立ちはだかった時に、それを経験したうえで成長していけるのか、自身が“何者”であるかというのを試せるのかという点を意識したんだ。前作では、最高のキャラクターが生まれて、最高の冒険に彼らを送り出した。自分の役割は、キャラクター自体の掘り下げだ。登場人物に対する観客の理解は、よりソリッドなものにならなければならない」。

また、本作のキーカラーがダークサイドを想起させる“赤”となっていることから「悪の存在感は増す」と断言。特に注視してほしいのは、カイロ・レン(アダム・ドライバー)だという。「彼をただ強めるだけでなく、やはり彼が“何者”なのかという点を際立たせることが重要だった」と複雑さと脆さを持ち合わせるカイロ・レンへの思いを述べると「彼は完璧な悪ではなく、身にまとう甲冑にはヒビが入っているんだ。僕はそのひとつのヒビを見つけて、開いてみた。その作業を通じて、彼のことを理解できていけたらと思っていたんだよ」と言葉に力を込めた。

「話の展開に多くの人が驚くはず」(リドリー)、「僕は全てを知っていると思っていた。でも僕が全く予想もできなかった物語になっているよ」(ハミル)とキャスト陣も物語へ込められたサプライズに驚きを隠せなかったようだが、あくまで「(サプライズは)物語が進むなかで、自然に立ち上がってきたもの」とのこと。「驚かせることが目的になってしまうと、理にかなわなくなってしまうからね。僕にとってのナンバーワンのゴールは、リアルであること。誠実にキャラクターを追いかけていったうえで、期せずしてサプライズが待っている。僕らの人生と同じだよ。後から振り返ると、その驚きも当たり前のように思えるはずだ」

まだまだ多くの謎をはらみ“テイクオフ”の時を待つ「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」。10月10日にお披露目された新予告編では、レイが宿敵であるはずのカイロ・レンに「教えて。私はどうすれば?」と問う衝撃的な場面も含まれていたが、まだまだ作品の全貌はとらえきれない。だからこそ、誰もが飛翔の時を待ち望む巨大な船の舵を握ったジョンソン監督に「もしも本作を一言で言い表すならば?」と問いかけてみた。やがて、我々をまだ見ぬ宇宙の果てへと導こうとしている“パイロット”は「ひとつのコンセプトに落とすのならば…」としばし熟考した後「現在から未来へと向かう道のりを、過去がどう形づくっていくのか」とほほ笑みつつ航路を示してくれた。

スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は、12月15日公開。

(映画.com速報)
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