木村大作、舌鋒鋭く「復活の日」を語る「草刈正雄がモテて頭きた」
2016年10月28日 16:30

[映画.com ニュース] 第29回東京国際映画祭の「日本映画クラシックス」部門に出品された「復活の日 4Kデジタル修復版」が10月28日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、キャメラマンの木村大作氏がティーチインを行った。
日本映画として初めて南極ロケを行い、木村氏が「今の日本映画じゃできない。とにかく金がかかりすぎているから」と豪語する製作費24億円の超大作。当初は10億円の予算でスタートしたそうだが、「ロケハンだけで、90日間で70カ国に行った。それだけで5000万円かかっているからね」と懐かしげに振り返った。
その道程で予算縮小のため北海道ロケに切り替える提案があったそうだが、「南極に行くからやると言ったんだからダメだ」と断固拒否。深作欣二監督らと建前で北海道を回ったそうだが、「俺は1回もロケハンの車から降りなかった」と押し通したという。
その深作監督とも「毎晩ケンカで、全然うまくいかなかった。当時は俺も『八甲田山』を撮った後で、39歳で元気が良かったし、人の言うことをきかないキャメラマンだったからね。その後、作さん(深作監督)からは6年も話がなかったよ」と笑い飛ばした木村氏。その6年後の「火宅の人」では、「キャメラは全部任せるから、どうしても来てくれって言われたからな」と満足げに話した。
監修を手掛けた修復版に関する話はほとんどなかったが、「最も感動したのは、この時の主役の草刈正雄が大河(『真田丸』)で息を吹き返したこと。一番悔しいのは、スタッフの青い目のかわいい女の子にえらいモテたんだよね。俺のところには誰も寄ってこないから、頭にきたよ」と。さらに、草刈とオリビア・ハッセーがほのかな思いを寄せ合うシーンの撮影では、「本番だけで84回もやったんだよ。もう作さんも草刈も意地になっていたね。だいたい役者は1回目が一番いいんだ。俺が監督をやったらほぼ一発OKだから。その典型が高倉健だよ」と持論を展開した。
大作節全開のトークは、予定を30分近くオーバーするほど熱を帯び、「俺も興奮しているから。もう1回、冒頭からしゃべろうか」と意気軒高。そして、「来年くらいには(監督としての新作を)やれると思う。来年の春くらいに発表になっていなかったらつぶれたと思ってくれ」と話していた。
第29回東京国際映画祭は11月3日まで開催される。
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