日本最大級スクリーン、4Kのクリアな立体感!日本初「IMAX次世代レーザー」体験レポート

2015年12月22日 12:00


[映画.com ニュース]11月19日に鳴り物入りでオープンした109シネマズ大阪エキスポシティに、日本最大級のスクリーンサイズを誇る「IMAX次世代レーザー」がお目見えした。ついに公開された「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に合わせて各地のシネコンでIMAXスクリーンが増設されたが、スケール、画質、音響と既存のIMAXを大きく上回る次世代IMAX(IMAX WITH LASER)が導入されたのは日本初。まさに真打登場!ということで物見高く駆けつけてみた!

大阪エキスポシティの全景。中央にデンと109シネマズが構える。左側の工事現場は巨大観覧車を建設中。
大阪エキスポシティの全景。中央にデンと109シネマズが構える。左側の工事現場は巨大観覧車を建設中。


IMAXを平たく言うなら、バカみたいにスクリーンがデカくてものすごく高画質な上映規格のこと。特殊な映写機や音響設備、専用のシアターが必要で、400円から600円(IMAX3D版だと800円から1000円)の追加料金がかかる。でも「バカみたいに」って言う程デカくはなかったぞ!と思った人。わかります。今から説明しますが、(知っていて当然という方は読み飛ばしてください)それこそが大阪にまで行ってきた理由なのです!

確かにIMAXデジタルシアターも高画質だしスクリーンも大きい。しかし大抵は既存のシネコンを改装しているため、スクリーンも最初からある箱のサイズまでしか大きくできない制約がある。

そこでIMAXのために別棟を建ててしまったのが成田HUMAXシネマズ。高さ18メートル横幅24.5メートルのIMAXスクリーンはまさに「巨大!」。多少アクセスに苦労してでもこれぞという大作は成田で観るという映画ファンもいる。

とはいえさすがに成田は遠く、「IMAXって思ったほどの迫力じゃないね」と感じている人もいる。刺激中毒で感覚がバカになっているのか? いや、おそらくは過去にフィルム時代のIMAXシアターを体験していて、その時の衝撃と興奮が身体に刻まれてしまっているのだ。

IMAX自体が初めて日本に紹介されたのは1970年の大阪万博だが、90年代に入って大阪天保山のサントリーミュージアムや新宿の高島屋東京IMAXシアターなど専用劇場が次々とオープン。この時期の特徴は床から天井まで広がった圧巻のスクリーンサイズと、傾斜が強く画面が目前に感じられる客席構成。そして70ミリフィルムを横にして使う荒業で実現した圧倒的な高画質と臨場感だった。

とりわけサントリーミュージアムのスクリーンは縦20.2メートル×横27.6メートル。7~9階建てのビルに相当すると言えばその狂ったサイズ感をご想像いただけるだろう。ところが当時は一般向けのエンタメ作品が少なく、短編、中編しか上映できなかったために人気が定着するにはいたらず、国内のIMAXフィルム上映館はなくなってしまったのだ。

現在主流のデジタルIMAXはアナログフィルムのIMAXに近い効果をデジタルプロジェクターで実現しようとしたもの。ただIMAXフィルムの解像度は今でも抜きんでており、デジタルIMAXをもってしても同じクオリティは再現できていなかった。

ではそんな違和感や不満を一気に解消しましょうと登場したのが大阪エキスポシティの「IMAX次世代レーザー」。スクリーンサイズは縦18メートル×横26メートルと日本最大級。デジタル映写機は従来の2Kから4Kとなり、単純計算でも解像度は4倍。音響システムは12.1ch次世代サラウンドで先行のドルビーアトモスを追撃する。

さて、いよいよ次世代IMAXを初体験。この日の上映作品は「007スペクター」だった。

IMAX次世代レーザーの入口。金属探知機みたいなものはなんなのだろうか。
IMAX次世代レーザーの入口。金属探知機みたいなものはなんなのだろうか。


できたてホヤホヤのロビーを抜け、IMAXシアターに入るとやたらと通路が長い! もったいつけやがるぜ! しかしおかげで期待とテンションションが上がったところに次世代IMAXのスクリーン様があらわれたぞ! 旧世代を代表して申し上げるとフィルム時代を知る人も納得のモンスタースクリーンだ。同行者なんてあまりに巨大すぎ、デカくて白い「」だと勘違いしたほどだ。

そして縦横比がIMAX本来の1.43:1。普通の映画館に比べると正方形に思えるほど縦が長い。そそり立つのすべてが画面となり、視界すべてに映画の世界が広がる期待通りの本気仕様だ。本編前のIMAXロゴタイトルからしてド迫力。2Dでも3Dと見まごうクリアな立体感が素晴らしい。

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 続いて流れたのが「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の予告。スクリーンの上下が切れた横長のシネスコサイズで始まったので普通の予告編かと思ったら、ミレミアム・ファルコン号が飛ぶシーンでいきなりIMAX仕様のフルサイズに! 目の前に意識するのはただただSWの世界のみ。これだ、これですよ、ガチなIMAXの醍醐味って!

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と、勢い込んで観た「007スペクター」の本編は通常のシネスコサイズ。次世代IMAXレーザーに合わせた4Kマスターなので、ググイと28メートル幅に映写された美麗な映像を堪能できるが、スクリーンの上下が使われていないため次世代IMAXのフルパワーは体感できなかった。音響に関してはさすが最先端の12.1chサラウンド。轟音鳴り響く爆発シーンでは座席からビスが飛び出しそうな振動と重低音を感じた。

次世代IMAXの凄味は伝わったが、やはり4K&1.43:1のフルスペックでも観たいと「スター・ウォーズ フォースの覚醒」での再訪を決意。ただし「スター・ウォーズ」を観るのに次世代IMAXだけが正解だというつもりはない。製作側もどのフォーマットでも最大限に楽しめるよう工夫を凝らしているだろうし、以前に4DX版の予告を観たときも猛烈に楽しそうだった。一本の映画でもニーズに合わせて様々な選択肢がある、というのが実情だと思う。

ただ、大阪エキスポシティのIMAXには映画のリミットを押し広げてくれるパワーとポテンシャルがあるので一度体験してみることをお勧めします。追加料金分の満足度? そんなの絶対に超えてきますから!(取材・村山章)

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