本田翼、初主演ドラマで得た女優としての心構え

［映画.com ニュース］　まさにいまが伸び盛り。本物の“女優”へと脱皮する踏ん張りどころと言えるかもしれない。モデルとしての活躍に加え、この1年ほどはCMやバラエティでの露出も一気に増えた本田翼。連続ドラマ初主演作となる「午前3時の無法地帯」の配信が、BeeTVとdビデオでまもなく開始される。自らが演じた主人公同様に叱られ、落ち込みながらも本田がつかんだ成長とは――。

原作は多くの女性の共感を呼んだ、ねむようこ氏の人気漫画。膨大な発注を抱えるパチンコ専門のデザイン会社を舞台に、個性的な仲間や厳しい先輩営業マンに囲まれ、恋に仕事に悩みつつも成長していく新人デザイナー・ももちゃんの姿がコミカルにつづられる。

連ドラ初主演ということに、何よりも「緊張した」という本田。前田敦子の新たな一面を見事に切り取った「苦役列車」など、女優の魅力を引き出すことに定評のある山下敦弘がメガホンをとったが、現場では時に厳しく叱られることもあったという。「山下監督に『全然、相手の話聞いてないじゃん。相手の芝居を見てちゃんと話を聞け！』って言われて、すごく心に響きました。相手の次のセリフを知っている状況で、自分のことでいっぱいで上の空になっていたことに気づかされました。厳しく指摘してもらえて本当によかったなって思います」と感謝する。

オダギリジョーをはじめ、経験豊かな共演陣の中で主演を張り「勉強させてもらうと同時に自分の出来なさ加減が身に染みる現場だった」とも。共演者の芝居に、思わず「俳優ってすごい」と驚がくすることもあったそうだが、この感想そのものが、芝居の世界に足を踏み入れつつも自らを“女優”と認められない本田の心理を表しているかのよう。それでも、「いまでも決して自分の演技に満足することはないですが、やっぱり監督に『成長した』ってほめてもらえるとすごく嬉しい。山下監督はめったにほめない人だから『計算なのか？』と思いつつ（笑）。『悔しい』とも『もっと頑張らなきゃ』とも思ったし、楽しさと厳しさを学んだ大きな現場でした」と語るさまに、今後に期待したくなる。

オダギリとは、キュートなラブシーンを披露。屋上での唐突なキス、関係者がズラリと見守る中での長いキス、さらに会社の洗面台で髪を洗ってもらうシーンが含まれている。「照れくさかったです（笑）。徹夜明けに会社の洗面台で頭洗うって、女を捨てる瞬間ですけど、それを見られた恥ずかしさもあり、でも嬉しいような…。キスシーンも監督と長さを相談して3秒と言われたんですが、やってみたら『ごめん、長すぎるからもう1回』って。ちくしょう、恥ずかしいのに！　って思いましたよ！」と述懐した。

「午前3時の無法地帯」は、3月20日からdビデオ（http://video.dmkt-sp.jp/）＆BeeTVで配信開始。