笑福亭鶴瓶、“詐欺被害者”を仲介　西川美和監督「参考になった」

［映画.com ニュース］　笑福亭鶴瓶が8月27日、都内で行われた出演作「夢売るふたり」のカップル限定試写会に、主演を務める松たか子と阿部サダヲ、メガホンをとった西川美和監督とともに出席した。

火災ですべてを失った夫婦（松、阿部）が、再起をかけて“結婚詐欺”に手を染めていくヒューマンドラマ。西川監督の前作「ディア・ドクター」で主演を務め、本作では事件を追う私立探偵役を演じた鶴瓶は「監督から『詐欺師のシナリオを書いている』と相談されたから、実際に結婚詐欺に遭った知り合いに電話して（監督に）話をさせた」と仰天エピソードを披露。西川監督も「被害者の感情はとても複雑で肉声を聞くと、『そりゃ、お金出しちゃうな』という話が多く参考になった」と振り返った。

西川監督にとって、女性を主人公にした作品はこれが初めてで「自分の内面を表に出さないヒロイン像を、セリフなしでどう表現するかが勝負どころだと思った」と述懐。それだけに松の演技には、絶大な信頼を寄せたといい「この人についていけばいいんだという頼もしさで、複雑な個性をこれ以上ない演技で表現してくれた」と手放しで絶賛していた。

当の松は「本当に楽しいと思える、幸せな数カ月だった」とニッコリ。夫役で共演した阿部について「つかみどころがないような、それでいて非常にシンプルな俳優さん」とたたえると、阿部は「今ある自分を出しただけ」と照れ笑いを見せていた。映画には伊勢谷友介、香川照之、騙される女役の田中麗奈、鈴木砂羽、木村多江、安藤玉恵、江原由夏らが出演。9月6日に開幕する第37回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門に出品されることが決定している。

「夢売るふたり」は、9月8日から全国で公開。