劇場公開日 2023年10月27日

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「なんでだろう。はまらなかったのは、なんでだろう。」愛にイナズマ CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なんでだろう。はまらなかったのは、なんでだろう。

2023年12月22日
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鑑賞方法:映画館

変な映画を観た。
前半が、「コロナ禍を経験した映画人の心からの叫び」 だとしたら、
後半は、「ちょっとデフォルメして語るけどさ、家族ってこんな感じのもんじゃない?」 ってところだろうか。
松岡(茉優)さんは、相変わらず変な人がうまいなあ、と思うし、きれいな女優を、もさっとした冴えない感じで撮れる監督ってすごい、と感じている俺にとって石井監督(裕也)はやはりすごい監督だし、窪田さん(正孝)、池松さん(壮亮)、若葉さん(竜也)、仲野さん(太賀)、高良さん(健吾)・・という超豪華俳優陣だけではまだ飽き足らなかったのか、なんと佐藤さん(浩市)!!!

いかにもテアトル東京が配給しそうな、そして俺が好みそうな映画なんだけれど...
なんだろう、なぜジャストミートではないんだろう?自分でもよくわかんないや。長く残りそうな映画なんだけどなあ。
俺の中に、池松さん=「宮本から君へ」 の熱苦しさの印象が強く残りすぎているのかもしれない。「シン。仮面ライダー」で払しょくできたと思ってたのになあ。

「突発的なこと、ありえないこと はある」 ⇔ 「すべてのことには意味と理由がある。でないと観客はついてこないよ」
後者を力説するのが助監督で、前者の信念を変えないのが松岡さんってことは、訴えたいのは前者なんだよな。
たしかにコロナ禍下で起きたいろいろなことって、みんなが潜在意識の下に 「ありえないこと」 として共通認識していたことばかりだよなあ。
その中でいつのまにか、「コロナ禍の状況下で、道端で酒飲んでるあなたたちが理解できない。あなたたちが世界を滅ぼすんですよ。いなくなってほしい。きっとあなたの家族も馬鹿なんでしょうね」 と力説する男子高校生を、誰もぶっ飛ばせなくなっちゃったんだよね。"公共心" と "利己的" の境目がみえなくなっちゃって、悪い側に振れてる部分は「そんな言い方したらだめだろ」 とは思っても、反対側がぐうの根も出ない大義名分だから、なんだか頭ごなしにできなくなっちゃったんだよね。・・・それをこうやって映画のシーンで表現したのは、すごいなあ。

ふたつだけ、はっきりと言えること。映画が好きで、俳優が好きな人が作った映画だなあ、ということ。そしてその点は、俺も胸を張って 「大好き!」 と言えること。

おまけ1
芹澤さん(興人)、俺にとっては 「きさらぎ駅」以来です。今回のマスターははまってました。2人の ”いい感じ” におろおろする様子は最高でした。「こっち、振る!?」 サイコ~。また何処かで。

おまけ2
画面、四角かったなあ。でも「四角」をこんなに意識しなかった映画、初めてだ。

おまけ3 メモ
プロローグ チャプター1.酒 同2.愛 同3.カメラ 同4.家族 同5.お金 同6.神様 同7.雷
ハグって、いいよな。ハグってなんだ? 存在の確認だろ?

おまけ4
やっぱり書いておきたい。松岡さん、あんた、天才だよ。

2024/4/4追記

上記した「わかんない映画っすよね」とか「変な映画でしたよね〜」といった感じは、琥珀糖さんのレビューを読んで、すべて吹っ飛びました。
もし、どなたか、同じように感じられる人がいらしたら、ぜひ琥珀糖さんのレビューをご一読ください。

CB
琥珀糖さんのコメント
2024年4月4日

CBさん
こちらこそありがとうございます。
(恐縮です)
なんとなく「月」・・・私は観てませんが、何度も何度も暗礁に
乗り上げてた時期とかに、息抜きになったのかも知れませんね。

琥珀糖
だるまんさんのコメント
2024年1月27日

好きな俳優さんの他の作品のイメージが出てくると辛いところですね。とはいえ、全ての作品を無では見られないので。
最近も、大将軍目指していた若者が、アイヌと金塊探ししていますが、、、

だるまん
bionさんのコメント
2023年12月22日

コメントありがとうございます。
エゴをぶつけ合いながら、家族であることを確認する。デフォルメはされてはいますが、サザエさん的な家族よりも僕は好きです。

bion
トミーさんのコメント
2023年12月22日

共感ありがとうございます。
前半と後半逆だったら目も当てられず酷評していたと思います。松岡さんは何かトゲ? いがらっぽさ? が残る感じが多い気がしますが、そんな役者少ないので頑張ってほしいです。

トミー